FF | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

FF

タイトルにファイナルと冠している割には長寿シリーズである。第一作が発売されたのは1987年。今年で既に26年。だが、いまだに新作が生まれ続けている。ファイナルと言ってようが、これがラストだと喚いていようが、ヒットすればさっさと続きが作られる。これはもう避けようのない世の常だ。

FFは最初からやっている。やった順番は……よく覚えていない。もしかしたらFF2か3を先にやって最初に戻ったかもしれない。とはいえ、人生の大半をお付き合いをしているのは確かだ。しかも、現在娘がFF12にチャレンジ中。嫁さんの腹の中にいた頃から胎教代りにFFのテーマソング聞いてた筈だし、これもまた避けようのない宿命って奴かもしれない。

そんなに長い間共に歩んできたFFであるが、全ての作品が好きだった訳じゃない。今でも特別な想いを持ってる作品もあれば、義務感でエンディングを迎えたものもある。そんな中、やはり記憶に残る作品といえば1997年発売のFF7だ。あの作品の衝撃度たるやそれはもう凄まじかった。2Dから3Dへ。「ジュラシックパーク」を観た時と同じ感覚。後々きっとFF7を境に「これまで」と「ここから」という線引きがなされるという事をはっきりと感じた。そんな作品だった。

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そこから映像のクオリティーは一作ごと爆発的に上がっていく。そして2001年、FF10の登場。フル3Dのフィールドに圧倒され、喋るキャラクターに心を鷲掴みにされた。独特のストーリーにも痺れまくった。FF7から僅か4年、ついにFF史上最高の傑作が生まれた。あの時は「あぁ、これでFFは卒業だ」と真剣に思った。

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ところがどっこい、5年後の2006年にFF12が登場すると、あれほどFF10に愛を捧げ、傑作の誓いをたてたにも関わらず……豹変。「最高や! FF12最高やぁ!」とのたまう事になる。インターナショナル版からスピンオフ作品、果てには箱入りの豪華CDにまで手を伸ばし、家族に散々呆れられた。結局、自ら永遠を否定して自爆する事相成った……。

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―――だが、そんなFFの旅も今は中断している。3年後に発売されたFF13はとうとう最後までやらなかった初めてのFF作品となった。確かに映像は綺麗だし、表現も見事だし、見応えもある。でも、ダメだった。話にもキャラにも乗れなかった。母体のスクエア・エニックスも苦戦していると聞く。これからFFはどこに向かうのか、再び恥も外聞も忘れて豹変してしまうような作品が生まれてくるのか、不安と期待を胸にその瞬間が訪れるのを待っている日々だ。