行政書士業務は多岐に渡りますので、開業時にどの分野をメインにするか迷う方も多いと思います。
前回からの続きになります。
検討する要素は
①自分がやりたい分野か、やりたくない分野か?
②市場の大小
③将来性
④地域・場所の特性
⑤独占性、競合の有無
⑥業務の難易度
などです。
⑤独占性、競合の有無
以下はその一例です。
許認可業務(独占性:○、競合:同業)
許認可業務は行政書士の独占業務ですので他士業との競合はありませんが行政書士間での競合はあり、既存の行政書士事務所が市場を押さえていますのでそこに割り込む戦略が必要です。
競合が少ないジャンルを捜して守備範囲にするのもよいと思います。
相続業務(独占性:△、競合:同業と他士業)
開業すると、とりあえず相続業務からという方が多いですが競合は多いです。
相続と成年後見・福祉・介護の分野とセットで対応している事務所が多いです。
また相続業務は司法書士・税理士とは競合になりますが協力関係にもなります。
補助金申請業務(独占性:✖、競合:いろいろな職種からの参入あり)
補助金申請業務は独占業務ではありませんので「経営コンサルタント」が多く参入している分野になります。
実務的には中小企業診断士が強いように思います。
最近は代理申請を認めない電子申請による補助金が増えているので要注意です。
なお「助成金」は社労士のテリトリーになります。
⑥業務の難易度
開業当初は難易度が低い業務を選びがちですが、一般的に難易度が低い分野は単価が安く競合も多いです。
逆に難易度が高い分野は高単価になり競合も少なくなりますが取扱うには勇気がいりますね。
難易度が高いからといって作業量が多くなるわけではありませんので、難易度が高いほど時間単価が高くなるといえます。
数量で勝負するか、単価で勝負するか、自分の向き不向きで決めればよいと思います。
最後に
私は法律知識と現場思考力を武器に未経験の分野でもやり遂げられるのが行政書士試験合格者の能力だと思います。
あれこれ考えるよりもまずは行動に移して試行錯誤を繰り返して行くことにより、段々と色々なことが見えてきます。