映画『ラーゲリより愛を込めて』を観てきた。
今回は定番のお一人様ではなく、相方と同行である。
そもそも相方はニノ担なので誘えば来るだろうなぁ、と思っていたが。
テーマが「シベリア抑留」と気鬱さにかけては重量級なのが少し気になる
そう、「ラーゲリ」とは収容所を意味するロシア語で、これは戦後起こった悲劇「シベリア抑留」が題材だ。
父方の伯父が、1割が死去したというシベリア抑留からの生還者だった、という事実を私は伯父の葬式の場で母から聞かされた。
そのせいもあって、この映画には比較的興味があったのである。
だが戦争映画は好き嫌いがある。
内容が重いだけに、目をそらしたくなる気持ちもわかるので強要はしたくない
と思っていたのだが相方からは
「行ってもいいよ」
の返事が。
・・・っていうか、オマエの担当の主演映画なのに、どうして上から目線なんだよ
まぁ良い、取り敢えずは映画館に集合だ。
始まる前に
「この映画、泣けるってよ」
「マジで?じゃぁハンカチ用意しておこうか?(笑)」
などと余裕シャクシャクだったアラフィフ2人。
更年期障害のせいか、ツボにハマれば大泣きするが一方でドライアイか?と思うくらい冷めた彼女たちは、口コミでも「泣ける」という噂のこの映画で泣くことが出来るのか!?
※以下、ネタバレバレの感想を含みます。例によって閲覧は自己責任でお願いします。
まずは映画を観終えた相方の感想。
「アンタに誘われるまでは観るつもりはなかったけど、正直観て良かった」
私も同感だ
後味の悪い戦争映画も多々あるが、これは愛と希望
の物語だ。
中途で飽きてしまう映画もある中、テンポが良くオチへの流れがスムーズ。
もし「戦争映画って、重いよね・・・」と思っている方がいたら、是非行ってみて!とおススメしたい。
以下、超ザックリにストーリーを言うと。
「第二次大戦後、理不尽な理由でソ連の捕虜となった満鉄職員・山本幡男は「生きて愛する家族と再会する」という希望を常に失わず、そんな彼の前向きな態度は周囲の捕虜たちを変えていくが、長引く抑留性格の中で山本は重篤な病を発病し、ダモイ(帰国)は絶望的となる。そんな山本の遺志を継ぐため彼に救われた捕虜たちが取った秘策とは」
まずは主人公・山本を演じたニノの演技。
お前、日本アカデミー賞狙ってるな!?的な超自然体で、とても
「プラチナデータ」
と囁いていたヤツと同一人物とは思えない。
彼の風貌もあるのだが、カッコイイ二枚目よりもこういう飄々とした役柄の方が持ち味が出るような気がする。
でも一番カッコいいのは五大ドームで
「いらっしゃいませ~~~!!!
って叫んでいる時だけどね
またそんな山本を支える脇役の4人、安田顕、松坂桃李、桐谷健太、中島健人の演技が秀逸。
全員が主役を張れる級だし、山本により変わっていく様(ケンティは最初から最後までおバカだったけど)が観ている側にもビンビンに伝わってくるのだ。
安田顕は言わずと知れたTEAM NACSのメンバーで名脇役の実力派だし。
桐田健太は目力強すぎで立ってるだけで存在感があるし。
一時期追っかけをしていたトーリくんはニノと同じく日本アカデミー賞主演男優賞を取る若手俳優の筆頭だし超爽やかな二枚目で家に帰ったらあんなダンナが居るなんてチクショーー
戸田恵梨香いーなーと思わせてくれるし。
ケンティは「・・・君、セクシー路線よりもこういうちょっと足りなさそうな天真爛漫な役の方が自然体で似合っているよところでセクゾのライブ行って風磨も見たいんだけど」てな感じだし。※余談だが私はケンティガールズです。
以下、問題点。
①犬はマズい!!
物語の中盤で「クロ」という名前の雑種犬が登場する
・・・・・・犬はマズいよ、犬は!!!
そもそも私は動物にメチャクチャ弱い。
動物がメインの映画だったら180%で泣く自信がある。
中でも犬はマズい・・・猫
もマズいがそれは可愛いのがマズいのであって、犬の純粋でひたすらな忠誠心は社会の荒波に揉まれて汚れまくったアラフィフの私の心にグサグサ刺さってくるのである。
渋谷駅前で亡くなった主人を待ち続けた犬の話なんざ、拷問以外の何物でもない。
この映画に犬が出てくること、更に最悪なことに抑留者の引き上げ船を追いかけて冬のシベリア海に飛び込むことを事前の番宣で見たときには
「ゼッテーーーこんな映画観に行くもんか!!」
とあの世のばぁちゃんに誓ったのだが。
ケンティが出た動物番組で、アッサリ「クロは助かる」ということが分かったので観に行くことにしたのだ(史実)。
ハッキリ言って山本(ニノ)の顛末はどーでも良いが、クロには生きていてもらわないと夜眠れなくなってしまうので困る。
②事前チェックから漏れていた北川景子の号泣がマズい!!
日本を代表する美人女優・北川景子。
今回彼女は主人公・山本の妻役・山本モジミ(・・・どーでもいいけど何て名前だよ)で出演している。
私は彼女のキリリとした今風のハンサム系な美貌が好きなのだが。
山本の生存と交わした約束をひたすら信じ続けて待っていた彼女が、山本の訃報を聞いてその美貌をゆがめながら自宅の庭で号泣するシーンはもらい泣きしそうになった
相方曰く
「美人は何しても美人だよね~~」(ヒガミ)
③怒涛の4連続がマズい!
②のモジミの号泣から数年後。
モジミのもとに山本の「遺書」を携えた安田顕以下4人が訪れてくる。
安田顕の「遺書」を観た後に思った・・・ヤバい、これが後3人も来るのか!?
モジミの号泣で既に私の涙腺は決壊寸前なのに、安田顕の名演でもう限界である。
なのにこの後例の名優たちが波状攻撃を仕掛けてくるらしい。
もう
「泣けよ、ホラ、泣けよ!!」
と強制されているようである。
が、耐えました私
ここで泣いたら相方にバカにされるのは目に見えているので。
ということで、終盤はひたすら涙との戦いでヘトヘトになってしまった。
私一人だったらハンカチが湿るくらいには泣いていたであろう。
さて、終わった後は恒例の「映画講評」会という名の飲み会である。
相方の注文・蒸し餃子サクラエビ添え
相方曰く
「・・・私、泣けんかったわ・・・・・・」
マヂか!?
オマエ、それ人間として終わってるぞ!!!!!!
ということで、『ラーゲリより愛を込めて』、絶賛上映中です!
人間終わってない泣きたい方は、是非是非映画館へどうぞ!