ド素人のクライマーが3,000m級の北アルプスに出来るだけお手軽に登った件 | komomo日和

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 前置き

トレッキングはコロナ禍になって始めた趣味である。

50代を目前に始めたので、指導してくれる先達も一緒に行ってくれる同士もいない、お得意の完全独学お一人様な趣味だ。

どうでも良いことだが、トレッキングと登山の違いは「頂上を目指すか目指さないか」なんだそうな。

基本根性の無い私がこの趣味を「登山」と呼ばず「トレッキング」と言い張っているのにはこうした理由からである。

 

先日、このトレッキングでついに念願の乗鞍岳に行ってきた。

最高峰は剣ヶ峰で3,026m。自力で上がった中では一番高い山、ということになる。

 

などと簡単に書いたが、実は直前まで行くか行かないかとっっっっっても悶悶とした日々を送っていた。

1週間以上前から天気予報サイトを4つくらい比較し、毎日朝昼晩に決行日の天候をチェックする。

「にわかクライマー」が山をナメると大変痛い目に遭うだろうことぐらいはド素人の私でも容易に想像がつくので、天候が悪い日には絶っっっ対に山には登らないようにしているのだ。

 

この時期の天気予報は数時間でコロコロ変わり、そのたびに私も一喜爆  笑一憂ショボーンする。

とにかくひたすら天気予報を眺めているので、下手をすると

「今の私なら石○良○より天気に詳しくなったかも知れない(乗鞍岳に限って言えば)ニヤリ・・・」

と錯覚しちゃったくらいである。

 

結局、決行日2日前に気象庁から「午前中なら晴れそうだぜグッド!」というお墨付きをもらい、予定どおりの山行が決定した次第だ。

山に登る前にもうここまででヘトヘトゲロー、これが石橋をたたいても渡らないA型あるあるである。

 

 いざ、登山!

さて、乗鞍岳には「畳平」というところまで登山バスが通っている。

っていうか、環境保全の観点から周辺はマイカー規制が掛かっていて乗り入れ禁止バツレッド

 

と言うわけで、登山バスの出発地である岐阜県高山市の「ほうのき平」をまずは目指す。

ちなみに登山バスの出発地は、今回私が利用した岐阜県側の他に長野県側にもある。

砂糖を目指すアリンコのように、各方面から「乗鞍岳」を目指して人が群がるのだ。

 

トレッキングを始めるまで、私にとって登山は「物好きの道楽」だった。

だがこうした物好きは日本各地に星の数ほど居るらしく、登山口となる駐車場や登山バスは平日であってもバカみたいに混雑することが多い。

座右の銘が「先手必勝」の私としては、バスの始発時間(日の出登山を除く)である5:55到着を目標に、夜中の2時に愛車で自宅を出発した。

 

この日は平日だったこともあり、5時半前には順調に到着。既に数十台の車が停まっている・・・こんな朝っぱらから山に登ろうなんて、世の中本当に暇というか変わった人が多いものだえー

 

2,500円の往復切符を購入し、いざ乗車。7割程度の乗車率か。

右へ左へ揺られて1時間ほどで畳平に到着だ。

 

一部に厚い雲くもりがあるものの、これぐらいでは「晴天晴れ」として納得すべきだろう。

気象庁の予報が当たるのは、真面目に納税している国民としても嬉しい限りである。

 

まずは最高峰の「剣ヶ峰」へ。今日イチのクライマックスが朝8時頃には来てしまいそうだが、とにかく人が少ないときに登りたい。

 

ところで、高山に登るに際して私にはポリシーがある。

それは「出来るだけスタイリッシュに」「あまり苦労せず」「楽して」「絶景を楽しむ」ことだ。(本当の山好きから石を投げられそうなので、決して大きな声では言わないようにしている。)

 

その点、この乗鞍岳は3,000m級の高山であるにも関わらず、2,700m地点(畳平)までバスで来れちゃう。

つまり残り300mだけ自力で頑張ればいいワケであって、9割を文明の利器に頼った「お手軽登山」となる。

まさに私のトレッキングポリシーにドンピシャな山チョキ、といえよう。

 

歩き出してすぐ、剣ヶ峰までの尾根筋に絶景が続く。

万年雪があったり、どこから水が入り込んでいるのかサッパリ謎、でも青が美しい池が点在していたり。

 

 

 

気温は12℃と一見寒いようだが、日差しが強いので長袖1枚が丁度いいくらいである。

半袖なんていう強者もチラホラいる(転倒した時にケガをするので決しておススメしないが)。

 

途中には山小屋もあって、お土産や食料が購入できるほか、食事も提供してくれるらしい。

 

剣ヶ峰が近くなってくると一応ガレ場(小さな岩場)もあるので、素人の「なんだか苦労して登山している気分チョキ」も満たしてくれる。

 

頂上は見えてからが遠いが、ここまで来れば後もう一息だ。

 

はい、登頂笑い泣き!!

 

南側(多分)は雲が厚くて眺望は望めなかったが、北側(多分)はごらんのとおりの素晴らしさだ。

 

 

頂上の鳥居の先には乗鞍本宮の奥宮があって、中には既に神主さんが文字どおり涼しい顔で座っていらっしゃった(3,000mなだけに)。

7時から登山を開始した私より早くここに居るということは、いったいいつから居るのか・・・山にはとにかく謎が多い汗

 

ここで小さなライチョウの木彫りがついたお守りを1,000円で購入。

登山家は何故かライチョウが好きドキドキもちろん私も好きドキドキである。

これからトレッキングの際にはこれを身に付けて無事を祈ろう。

なお、上高地でも同じ木彫りが650円で売っていて、微妙~~な気分にさせられるのは翌日のことである。

 

剣ヶ峰以外にも周辺にはいくつか小ぶりな山(?)があるので、そちらを巡ることにする。

これらを合わせて「乗鞍岳」と呼ぶらしい。

 

まずは剣ケ峯から一番近い「富士見岳」へ。

富士見岳から畳平を臨む。

 

その先は「大黒岳」。

途中、群生しているのはコマクサ。

 

 

高山植物もたくさん咲いていてチューリップ紫チューリップ赤チューリップ黄、にわか登山家の目を楽しませてくれる照れ

などとエラそうに書いているが、私が名前を知っているのはコマクサと

クロユリくらいてへぺろ

後は知らん真顔

 

 

コマクサもトレッキングを始めてから知った花である。

「高山植物の女王」の異名を持つらしいが、その名に恥じず本当に可愛い花である。

コマクサだけで20ショットくらい撮ってしまったくらいだ。

余談だが、年を取ってくるとどうしてこうも花の写真を撮りたくなるのか・・・お花畑のある「天国」が近くなるからだ、と某バラエティー番組で毒舌の巨体MCが言っていたことを思い出して妙に納得する。

 

 登山後の楽しみ

この日の歩行距離は約10.8㎞、時間は休憩を除いて4時間45分程度。

これだけ体を動かした後のお楽しみといえば・・・当然、温泉温泉アルコール生ビールでしょうバレエ!!!

はっきり言って、そのために山があると言っても過言ではない。

山の魅力は下った先にほとんどの場合名湯と呼ばれる温泉地があることである、ビバ火山列島!!!

 

今日の日帰り温泉先は「ほうのき平」から車で20分ほどの「平湯温泉」。

その入り口にある「温泉浴と森林浴のひらゆの森」に立ち寄る。

雨の中、慌ててモロ逆光で撮ったのでなかなか立派な外観が伝わり辛いのが残念だ。

 

内部も古民家風でムードたっぷり。

更には入り口にある、よく分からないが縁起だけは良さそうな置物が何とも言えないムードを醸し出している。

原則鍵カギが無い靴箱やロッカーなど、地元岐阜県民の良心に頼り切ったシステムが好ましい(私は他人を信用せず100円払って有料ロッカーを利用したけど)。

 

中は大きな内湯と、小さいながらもサウナ&水風呂完備。

しかしここのウリはなんといっても露天風呂だろう。

小規模な露天風呂が広い庭の中に6、7箇所も点在していて、そのすべてが温度や泉質(多分)、雰囲気を異にしているのだ。

 

霧も豊かでまさに入浴と同時に森林浴も楽しめちゃうし、ほとんどが屋根なしなので雨雨が降ってきたら濡れっぱなし(本当に降ってきたけどみんな外に出たまま)というジャンボリーさも良い。

 

これで600円はお安いグッド!

お近くにお寄りの際には是非このジャンボリーさを体感いただきたい。