一幕は乗り切れなかったけれど、二幕はキャストの熱量に持っていかれた。

ラストシーンから100年以上たった現在の社会を世界を思うとなかなかしんどいね。

 

サラに遥海さんがキャスティングされたことで作品が成立しているとも思えるほど、遥海さんが素晴らしい、あのリズム感グルーヴ感‼️RENTのミミも素晴らしかったけれどほんと凄い、ダイレクトに歌声と心情が届いてくる‼️
そして弟のとんちゃんの後半の芝居とNESMITHの深い歌声にやられたわ

 

劇中でオーストリアの皇太子フランツ・フェルディナンドの言われた途端、ひとこちゃんが出てきた😅

ラグタイムの舞台はシシィの暗殺直後くらいからサラエボ事件の頃までのアメリカなんだなぁ

 

 

 

 

 

~~~ここからネタバレも含めてちょっとネガティブな感想なのです~~~

 

私には、藤田演出が合わないのかもしれないとも思えるけれど、相変わらず三階建てのセットだし・・・・これB席からだと首切りが発生しちゃうのではないかな

 

この分断の時代にこの作品を観ることの難しさを感じた

本来は希望を感じさせるはずのラストシーンに思ったのは、新たに家族になった5人のその後の生きづらさと、今の日本の閉塞感とありとあらゆるところに潜む見て見ぬふりをされている差別と見えない未来、それは私たち自身が変えていかなければならないというメッセージであればまだよかったのだけれど

 

初演が1996年、BW初演は1997年、若い大統領ビル・クリントンの時代、911はまだ起こっていない。(原作は1975年)、その時代に観ていれば全く違う印象だったのだろうなぁと思ってしまう。あとなぁどうしても

 

キャスティングは実力派が揃っており、実際力業で2幕は押し切られてしまうけれど、それでもちょっと外しているのではないかと思う

 

井上芳雄は流石に上手いし、歌声も説得力があるけれど、いかんせん佇まいが黒人ピアニストに見えない、どうしても白人側に見えてしまう違和感がぬぐえなかった、差別され続けた人々の持つ抑圧された熱量のようなものも感じられないし。いや上手いんですよ、ちょっとした芝居の間とかも、それでもこの役は彼の持ち味とは違うのだろうと、

 

安蘭けいのマザーも愛に満ちて良いのだけれど、彼女がジェイミー等のこれまで演じた母親からすると物足りない

石丸幹二もある意味辛抱役だれど、彼だけはぴったりはまっている。

 

行き過ぎた正義感に狂気もきらめかせる弟の東啓介は白人上流階級のノーブルさがぴったりはまるのに、うちに秘める狂気を持つのが上手い。彼が動き出す二幕は緩急がついてぐいぐい引き込まれる。

 

川口竜也のファーザーが変わっていく様だけがリアルで彼がいるからまだ救われる。それでもコールハウスとは一緒に出て行かないのだよね・・・。そしてファーザーの死をもって三人種融合の家族誕生というラストシーンはある意味皮肉だな。

 

NESMITHのブッカー・T・ワシントンの哀しみをたたえる慈愛の瞳と深い歌声が奴隷制度が終わっても差別続けられてきた人々が見える。アサヤンのヴォーカリストオーディションをリアルタイムで見ていたので、堂珍くん、藤岡くん、彼とミュージカルでも活躍するは感慨深いわぁ。

 

次代を写す実在の人物たちは・・・あれで正解なの???

 

でもね、ターフの切り絵の絵本の中の物語のように見せるセットも含めて、全体的に借り物で上っ面感がぬぐえなかったのよねぇ、これって藤田さんの演出なのか??

 

あ、そういえば、同じ制作陣で作られたアナスタシアがオルゴールだったから、もしかしたら絵本で正解なのかな??