2022年の新国立劇場の小川絵梨子演出版も観ていてわかっていても涙が止まらなかった
しんどいけれど今の私たちも自分に繋がる過去をちゃんと受け止めなければならないよね
 
何故なのかわからないけれど、NTLive版の方が自分たちの物語として届いた、ラストのローザの台詞がこちらの方が言い方が好きで途切れなかったと言うこともあるだろうけれど、レオの戸惑いと衝撃がリアルに突き刺さった
 

新国立版の感想はこちら

昨年この作品を観た後に、もう一度ユダヤの歴史を知りたいと本を読んだことで、よりクリアに見えたこともある気もするけれど、もっと普遍的なところで突き刺さって来た気がする。

 

ドイツ語の名前と英語の名前と

レオが読む一族の名前をローザがドイツ語読みで「ヴィルマと直すのは印象的」

本当の名前、名前って初めての贈り物だしなぁ

 

ナチスになった市民の強奪のシーンは日本版より怖かった、生々しくて

短かったし確かにあっさりしてたけれど、集団に属しただけなのに優越感を撒き散らすって身近にあるだけに、より弱い子どもに対しての一見優しそうに見えるだろオレと言わんばかりのバカにした態度とかよく見かけるし、リアルに恐怖を感じた

 

ナチスを歓迎した市民たちを愚かだとしたり顔で批判するのは簡単だけれど、けれど、自分がその当時者だったら、どうふるまえたか。

今の日本の不気味さというか、アメリカもそう、今まさにそれを問われているのかもしれない。

 

日本版を観た時も衝撃だったのだが、やっぱり人口は1割しかいないのに、大卒の半分を占めるユダヤ人への嫉妬は相当だろうなぁと

多分さらに、階級をあげるともっと増えるんだよな

 

最後に残った3人でレオだけが純血のユダヤ人ってのも辛い。

それを受け止めたイギリス人の中に彼のような人は沢山いるんだろうなぁ

 

それにしても登場人物が多いので、当然何役もやる役者もいれば同じ役を二人で演じたりもするのだけれど、そんなこと忘れてしまう演技ばかりで凄いね。

 

舞台がドイツじゃなくてウィーンというのも上手いと思う

被害者としての顔を持つオーストリア

 

自分の国を持たないユダヤの人々、エイブラハムの子孫だという彼ら。

イスラエルのパレスチナ問題の根底の横たわるイギリスの二枚舌外交

この物語は1899年から1955年の50年余りのある一族の話だけれど、1948年のイスラエル建国から今年で75年もたっているんだよなぁ。あと25年で建国100年か。

 

今さらだけど、ナチスのユダヤ人迫害はこうやって日本でも上演されるわけだけど、日本人の戦時中の非道ぶりにはちゃんと向き合えてないよなぁと思ってしまう

NHKの未解決事件で、帝銀事件やってて731部隊が出てきたけれど、731部隊がやったことをどれだけの日本人が知っているのかとか考えたことを思い出した。

 

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