いよいよ明日からのKOMOGOMO展では、15日に限り尺八などの生演奏付きです!

東京藝術大学の音楽科在学生による邦楽のユニットが生演奏♪をしてくださいます!!!!!CD販売もあります!

第11回 KOMOGOMO展 10月15(土),16(日)東京都上野恩賜公園 10〜17時

※演奏は15日(土)限り

11:30〜12:00

12:30〜13:00

14:45〜15:00(2曲のみの予定)

※楽器を負担から守る為、雨の場合、曲目や時間の変更、また中止となる可能性もございます。予めご了承下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。 

 

 

今回は音です!!!

美術学部からは横断道路を隔てた謎の世界!

音楽学部さんと美術学部KOMOGOMO展とのコラボレーションは非常に楽しみです。

いつもはCD販売がメインの活動ですが、今回は特別にコモゴモ展で演奏してくださいます。ユニットの代表・足立美緒さんに、お話をお伺いしました。

(今回記事、少し長めです 後半は楽器のご紹介・豆知識です。)

 

インタビュー後編はこちら

 

 

「音音生による邦楽作品展」(オンオンセイ...)

代表・企画・作曲 足立 美緒 Adachi Mio (以下略:足)プロフィール

東京藝術大学大学院・音楽音響創造・修士2年

 

インタビュアーKOMOGOMO展活動委員会

がま口革屋やあちゃこ(藝大油画技法材料研究室出身)(以下略:コモ)

  

 

コモまずはみなさん、おすすめの一曲を聞かせて頂きましょう。録音が超絶いいです。

 

:では、CD 第一曲の「秋の夜に還る」をお聞き下さい。

尺八(シャクハチ)と雅楽器の笙(ショウ)と楽琵琶(ガクビワ)による作品です。

 

 

♪「秋の夜に還る」(1分21秒)視聴はこちら

(スマホでも聞けます)

♪ YOUTUBEはこちら

 

 

(撮影:柴田恵理子)

 

コモ: 沁みますね。日本人のDNAが反応する音ですね。

みなさん、どの音がどの楽器か、区別がつきますか?!?!

本編後半は、各楽器のご紹介をさせて頂きます。

 

発売CD楽曲はこちら(全6曲収録)(最後にもご紹介)

 (スマホでも聞けます)

YOUTUBEはこちら

 

 

コモ:では質問に参ります。「音音生による邦楽作品展」とは?

 

 

足:「音音生による邦楽作品展」とは、ユニット名であり企画の名前です。

藝大音楽学部(以下略:音校)大学院の ”音楽音響創造” の学生の作曲による、邦楽器を使った作品のプロジェクトです。

CD販売を主にしており、演奏会としては、藝祭2016(毎年9月上旬に行われる東京藝術大学の学園祭)に参加致しました。

今回は藝祭2016の続編として、KOMOGOMO展さんに参加させて頂きます。

 

 

コモ「音音生による邦楽作品展」のメンバー構成は?

 

 

 

足立美緒(音楽音響創造)作曲

芳澤奏(音楽音響創造)作曲

マーティ・ヒックス :企画・作曲 

その他の演奏メンバー:曲に合わせ、邦楽科からそれぞれの専門メンバーが参加

 

コモ「音楽音響創造」とは、どのような専攻分野なのですか?

 

「音楽音響創造」は、藝大の中では割りと新しい専攻なのです。

略して音音(オンオン)と呼んでいます。

なかなか知られてない上に、名前を聞いても何をやっているのか分かりにくいですよね…。少しでも「音音」の事を知って頂きたいなと思い、「音音生」として藝祭に参加することにしました。

私、足立は邦楽器の作品を多く作曲しており、邦楽器の演奏会も藝祭では珍しいと思いたちました。

そこで「音音発」と「邦楽器を使った新曲作曲」という2つをコンセプトに企画を立ち上げました。

 

(過去藝祭2016のポスター)

 

コモアルバムのこだわりをお願い致します。

 

:様々な専門分野の学生が集まっている、藝大ならではのCDになりました。

作曲も演奏も、そして録音エンジニアやデザイナーも全て専門の学生です。

なので参加メンバー全員の力を結集した出来になっていると思います。

 

 

(コモゴモ展でも販売されるCD)

 

コモ:なるほど。エンジニアさんもいらっしゃる、録音もさすが、素晴らしいですね。伝統を重んじながらも、モダンな感じが強く伝わってきます。

 

ジャケットのパッケージデザインもとてもきれいですね。

これはどういったイメージなのでしょうか。

 

(デザイン科 千葉紘香さんによるデザイン)

 

:これはデザイン科の大学院千葉紘香さんによるデザインです。

メインビジュアルや藝祭での演奏会のパンフレットも担当して頂きました。

 

日本の伝統楽器を使っていても、

新しい音楽を目指していた

 

ので「日本」というイメージにとらわれないデザインにこだわりました。

そして作曲メンバー3人が同じ専攻でありながらもそれぞれ違うバックグラウンドを持っていることを、視覚的にも表現したデザインです。

 

 

コモ:まさに伝統と現代の融合ですね。

そもそも邦楽って、何なのでしょうか?

能楽とはまた違うのですか?

 

:藝大の邦楽科は、雅楽の専攻も含まれているのですが、厳密には雅楽は邦楽と区別されています。

 

邦楽は、江戸時代に成立した日本の伝統音楽を指しています。

尺八(シャクハチ)や箏(コト)の音楽、歌舞伎とかで演奏される三味線の音楽も邦楽と呼ばれます。

ですが雅楽とは、もっと時代を遡って、奈良時代や平安時代に宮廷の音楽として栄えたジャンルになります。

能楽もまた、日本の伝統音楽の1ジャンルです。

平安時代よりは後で、江戸時代よりは前の、室町時代という武士の世で確立した音楽になります。私もまだまだ勉強中で難しいことがたくさんあるのですが…!

 

(京都御所での雅楽演奏風景 wikipediaより)

 

コモ:ありがとうございます。大変参考になります。

美術学部からすると...謎すぎる音楽学部内なのですが。

すみません、失礼を承知で、偏見から質問させて頂きます。

"雅楽"となれば、由緒正しき家柄でしかまず楽器さえ手に取れない環境なのではと想像してしまいます...。

ご実家には、鹿威し(ししおどし)がぱっかーんと鳴っているような、日本庭園とかある邸宅だったりするのですか?

 

どういった経緯で雅楽を志す環境にあるのでしょうか?

 

鹿威し(wikipediaより)

 

:専攻の方に聞いてみましょうか…!

龍笛(リュウテキ)と琵琶(ビワ)の演奏で参加の清田裕美子さんに登場して答えて頂きます!

 

邦楽科雅楽専攻3年の清田裕美子です。

私の実家は家系的に雅楽とは関係ありません…!

雅楽を継承している宮内庁楽部では、楽家と呼ばれる平安時代より続く家系の方々が多数おられ、1000年以上の歴史があります。現在では、楽家出身以外の演奏家も多数活躍しています。

 

(宮内庁式部職学部の演奏会場 wikipediaより)

 

コモ:なるほど。!!!!!!

宮内庁学部!!!!1000年以上の歴史!!!!!(驚)

やっぱりお家柄といいますかあるのですね。(感動。)

毎日、絵具まみれの汚いツナギを着たガテン系の美術学部からすると、謎でもあり、同時に憧れでもあるのであります!!笑

 

コモ:みなさん、驚いてばかりではいけません。

 

邦楽・雅楽と聞いて、どんな楽器が登場するのか想像できますか?

 

ここで、音楽の授業では残念ながら通り過ぎて(素通り?)してしまった、!

各楽器のご紹介をよろしくお願い致します。(以下楽器画像はwikipwediaより)

 

 

尺八(シャクハチ)

 

 

(長谷川将也さん・今回のKOMOGOMO展での演奏は風間禅寿さん)

 

尺八は、竹で出来た縦笛です。

虚無僧という僧の法器でした。同じ音の高さでも、色々な音の出し方があってとても多彩な表現力を持っている楽器で、海外でも習得する方も多いんです。

尺八は長さが異なるものもあり、それにより音の高さが変わります。それらを使用することにより、幅広い種類の音楽を演奏する事が可能になります。

 

 

「箏」(ソウ,コト)

 

(画像は本橋樹里さん・これは十七絃の箏になります)

 

一般的にコトと呼ばれ琴の字を当てられる琴もありますが、箏(ソウ、コト)は、琴とは違う

楽器です。箏(ソウ、コト)という漢字を使う楽器は、柱(ジ)というこまを動かして音の高さを変えるものになります。良く知られている楽器は、十三本の絃が張られています。今回は大正時代に考案された十七絃も使っています。十七絃は低音用のお箏で深みのある音が魅力の楽器です。ぜひ十三絃の音と比べて聴いて頂けたら嬉しいです。

 

 

琵琶(ビワ)

(一般的な日本の琵琶)

(先ほどにも登場した清田裕美子さん)

 

これは雅楽で使われている琵琶で、琵琶には平家・薩摩・筑前とあるのですが、雅楽の楽琵琶が一番はじめに成立したものになっています。

奈良の正倉院にも、奈良時代の楽器がおさめられています。

楽琵琶は、他の琵琶とは結構違いがあり、他の琵琶は縦のような角度に立てて大きな撥で叩くように演奏するものが多いのですが、楽琵琶は横に寝かせるように持って、小さなしゃもじのような形の撥でゆっくりとならします。今の雅楽では伴奏楽器としてのみ伝承されていて、今回の作品もその奏法を使っています。

 

 

龍笛(リュウテキ) 

 

 

(清田裕美子さん)

 

こちらも雅楽の楽器で、横笛になります。

雅楽の合奏では先頭を切って旋律を吹く楽器で、とても目立つ楽器です。

雅楽特有のポルタメント(ある音から別の音に移る際に、滑らかに徐々に音程を変えながら移る演奏技法)などの奏法は、なかなか現代の作曲をする者には難しいのですが、今回新曲2曲に挑戦しております。

 

 

笙(ショウ)

 

 

(画像は東田はる奈さん)

 

笙も雅楽の楽器で、天から降り注ぐ光のような、神秘的な音が特徴的です。

ですが音が出る仕組みとしては、ハーモニカと同じです。

演奏する時には必ず温めておく必要があり、昔は火鉢を、今は電熱器を使っています。

 

 

コモ温めるんですね!楽器もまたカッコいいですねえ〜。

ぜひここで、楽器名や特徴を覚えて、上野公園に向かわれてみてください。笑

 

 

ということで前編はここまで。

第11回KOMOGOMO展では15日に限り、生演奏が聞けます。

演奏時間

11:30~

12:30~

14:45〜  (この回のみ「秋の夜に還る」「蕩かす淡島」2曲の演奏)

 

演奏曲はCD内のこちらの楽曲の予定

「秋の夜に還る」

「泉」

「蕩かす淡島」

「夏の影を想う」

 

※今のところお天気は大丈夫そうですが、楽器を負担から守る為、雨の場合、曲目や時間の変更、また中止となる可能性もございます。予めご了承下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

 

「音音生による邦楽作品展」CD収録6曲はこちら

 

YOUTUBEはこちら

 

Face Book 「音音生による邦楽作品展」イベント

 

 

良いお天気になることを祈りましょう。

第11回 KOMOGOMO展 10月15 (土),16日 (日)  東京都上野恩賜公園

 

 

 

インタビュー記事 後編はこちら