「この手記ではセンジュ様は

 キフネが生まれた時に

 名継ぎと宣言したとは

 書いてないんだよ。


   3歳の時に目通りの儀を行なって

 キフネは3つの小箱の中身を見事言い当て

 名継ぎであると宣言を受けたとなってる。」


おじいちゃんにそう言われて

僕は2年生の時の自分の目通りのことを

思い出しました。


あの時おじいちゃんと話をする中で

3つの黒い小箱が出てきた。

出てきたというか、

おじいちゃんが座る横の小机に

3つ同じものが並べて置かれてました。


僕は初めは硯かなと思ったけど

おじいちゃんが

『これをよく見てごらん』

と言ってそっちを指した時に

蓋のついた陶器か石かで出来た箱だと

気がついたのです。


確かおじいちゃんは

3つのどれかにおやつが入ってるよと言って

僕に選ばせました。


僕が選んだ箱は

おじいちゃんが蓋を開けると空で、

僕が『じゃあこっちは?』

と指さしたやつに

クッキーがいくつか入ってて


『アレルギーはないかい?』

とおじいちゃんは後ろの方にいたママに

問いかけてから

食べてもいいよと

クッキー(カントリーマアムだった!)を

僕に取らせて

おやつタイムになったんでした。


あれこそ“目通りの儀式"だったのかと

大昔の"キフネ"の話を聞いて

わかりました。


「いくら神がかったキフネ様でも

 さすがに3つん時のことは

 日記には書かれてなかったよ。」

美津子おばさんが言いました。


「私が若い時に書き起こしたのだけど

 当然判読が難しくてね

 まあ勝手な脚色も加えたけど

 ちょっと見るか?」