「おうが、ずいぶんこの家の子らと
仲良くなったようだなー」
ひいひいおじいちゃんは
しわの中の垂れ目を
さらに細くしわに埋め込んで僕に言って、
すごく嬉しそうでした。
「東の女の子たちが
よく声をかけてくれて
遊びに誘ってくれるんです。」
「東か!
不思議と東に入るは
おなごが強くなることが多い、なあ?」
おじいちゃんは通訳がわりの
美津子おばさんに冗談ぽく言いました。
「なに言いますかな!
そう言われりゃそう思えないこともないけど
たまたまだしょがあ。
じい様だって東のお生まれだっしょ?」
「だからよぉ。
母さまも強かったし
わたしが東にもらった嫁御も
気は強い方だったろう。」
僕はびっくりしました。
「おじいちゃんは東のはなれで
うまれたんですか⁉️」
「そうだなあ?」
おじいちゃんはおばさんに確認するように
聞きました。
美津子おばさんはうなずきながら
僕に解説してくれます。
「昔は東に迎え入れるのは
郷でも有力家系から嫁入りしてくる娘が
多くてな
名継ぎ様が生まれれば
そこのはなれの威勢がよくなるが
名継ぎが現れないうちは
たいてい東の嫁さんが
なんとなく他より目立ってたみたいだわ」
僕をなにかと誘いにくるあの女の子たちは
そういう血筋の子たちだったのかあ。
「じゃあ、今東に住んでるのは
おじいちゃんの兄弟の孫子たち?」
「いや、わたしの兄弟姉妹は
外で独立したり、嫁に出たり、
本宅に入って助役の勤めをしたりで
東には残らんかった。
他のはなれもそうだあ。
異母兄弟は家の勤めを助ける任に
就かない者は
早いうちに外へ出る。
はなれには残らん。」
え
じゃあ
今、はなれに暮らす人々は
いつ どこから?