ひいひいおじいちゃんの
不明瞭な語りと
美津子おばさんの
通訳が一区切りつきました。
あっけに取られる僕。
「それ、昔のせんじゅ様が
書き残した手記なんですか?
そんなに細かく言葉のやり取りが
記録されてるの?
まるで貴族か殿様の話みたいだし。
宿舎を作るほどの使用人を
抱えて?
生まれた子供には乳母?」
美津子おばさんは
笑いながら言いました。
「郷の人々にとっては
それだけの価値がある家だったん
だろうなあ
出来の良い者があれば
千壽家へ嫁がせたり
千壽家から嫁をもらうか、
嫁を迎えられるほどの家でなければ
婿に推し、郷政を担う千壽家の仕事を
手伝うようになったりしたから
自然とますます
千壽家の血筋は
優れた資質に恵まれがちになる。
先読みの力ってのは
まゆつば物だったとしても
皆の頼りとする一族に
なっていったのかもしれんなあ。」
「それは…
今でも?」
「今はぁ…
今って
今この家に住む私らか?
央雅も含めてか?
そんな特別なもんかー
ただ頼られれば
できるだけのことはするようには
みんなしてるが
議員になったりしてなあ。」
へえ…