おはようございます、店長養成講座主宰の小宮秀一です。
前回の記事は売場レイアウトで達成すべきことについて書きました。読んで頂けましたか?
今回は前回の内容を理解して頂いたかをチェックしましょう。
そんなわけで、クイズに答えてください。
次の2つの売場レイアウトのうち、より売上が上がったのはどちらのレイアウトでしょうか?
それで、答えは次回……なんてセコいことはしません。それでも、できるだけ下を見ないで答えてください。
レイアウトA

レイアウトB
レイアウトの説明
この売場レイアウトは、秋葉原にあったパソコン専門店周辺機器フロア、ストレージ売場のレイアウトです。
ストレージとは、パソコン周辺機器の中で外部記憶装置と呼ばれる機器のことです。内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD-R、CD-RW、DVDなどのことです。当時は、CD-RやCD-RWの価格が安くなり、市場が急拡大していました。
したがって、ストレージ売場にもっとも大きな売場面積を割り当てました。
中央の白い部分は高さ175センチのゴンドラ什器、グレーの部分はエンド、黒い部分が平台です。
この売場レイアウトのうちの一つは、私が周辺機器フロアのフロアマネージャーをしていた時に採用したレイアウトです。
そして、もう一つの方は、私が本店から新宿店の店長に異動になった時に、採用されたレイアウトです。
今回、このレイアウトをクイズにした理由は、この2つのレイアウトで売上に大きな差が出たからです。
より売れたレイアウトは?
Bのレイアウトです。
このレイアウトを採用した結果、ストレージの売上でアキバナンバー1(メルコとアイ・オー・データ機器の営業担当者談)になりました。
あなたは正解できましたか?
この問題は、前回の記事をしっかり学んでいたらカンタンに正解できたはずです。
なぜなら、「売場レイアウトとはホットスペースを最大化すること」だからです。
レイアウトAとレイアウトBを比べてみてください。
売り込める場所の数が段違いじゃないですか!
ところが、この売場レイアウトは、陰でアレコレ言われていたのは確かです。
どこが気に入らなかったのか?
この売場レイアウトのどこが気に入らなかったのでしょうか?
一言で言うと「見通しが悪い」です。
エスカレーターを上がってきて見えるのは、平台に積まれたストレージと横並びのゴンドラ什器だけ。売場を奥まで見通せないことが「問題」だと考えるのが、営業本部長、商品部長、本店店長の総意だったようです。
ただ、私に面と向かって言う人はいませんでした。当時、私はやることなすこと絶好調だったからです。
ちなみに、コンサルティング会社の一つにも似たような指摘を受けました。彼らによると売場の奥への回遊性が低いとのこと。私はコレにかみつきました。どんな根拠があるのかと。彼らは売場に張り付いて調べたわけではありません。「売場も見ずに何を言っているんだ」と思いました。
しかも、この売場の奥に位置したのはメモリ売場です。メモリを買いたい人は必ずココに来ます。坪効率はフロアでもナンバー1です。
彼らは私が納得できる説明ができませんでした。私がなおも食い下がろうとしていたのを止めたのは営業本部長でした。
そこで思い当たりました。「売場の見通しが悪いから売場の奥に人が行かない」という理由に使いたかったのだと。
レイアウトAに変更
私がこの売場を立ち上げたのは6月。私が新宿店の店長として異動したのが1月。その直後、ストレージ売場は改装され、レイアウトAが採用されました。
翌週に本店を見たら変わっていました。よほどお気に召さなかったのでしょう。
ただ、改装後、売上は5%落ち、以後、回復することはありませんでした。
会社に暗い話題が多い中、久しぶりに「アキバナンバー1」という、明るい話題を提供できたというのに、売場レイアウトをわかっていない××のせいで元の木阿弥になってしまいました。
「ダメだったら戻せばいい」とよく言いますが、レイアウトBに戻すという案は出なかったそうです。
そりゃそうです。元に戻すということは自分たちの案がダメだったと認めることです。そんなことできるわけがありません。プライドが許さないし、何よりみんな責任を取りたくないです。
だから、強引にでもいいところを見つけようとするのです。「売場の見通しは良くなった」という具合に。見通しが良くなっても売上が減ったら意味がないのですが。
私の後悔
私がこの件で後悔していることが一つあります。
それは、この売場レイアウトの狙いを一切説明しなかったことです。売場レイアウトで達成すべきことは、売場の見通しではなく、「売り込める場所を最大化することだ」ということを、です。
私は、こんな当たり前のこと、知っているのが当然と思い込んでしまったのです。
いや、本当は違います。私はこんな基本も知らない連中をバカにしていたのです。だから、誰も私にこの売場レイアウトの狙いを聞きに来なかったのでしょう。
私が今この仕事――店作りと集客と販売を教える――をしているのは、自身の傲慢さへの贖罪なのかもしれないです。
