この本もまた、都筑さんのエッセイでとても魅かれ、
「はやく、はやく、はやく、読まなければ…」と
じりじりと焦って、
焦りながらもBBの本屋さんで『名作復刊』と
並んでいるのを横目に通り過ぎ、
図書館で検索、書庫から出してもらって借りました。

クリスチアナ・ブランド、お名前はかねがね、
でも読むのはお初、です。

厳密にいうと以前、いつものミステリ指南本で
読もうと思い立ち、
図書館で手にした早川ポケミス版の「はなれわざ」が
版が古いのか、何かの信念なのか、
ちっちゃい「っ」のところが、全部大きい「つ」に
なっていて、
「そうだつた」「思つた」「だつたら」と言う風で、

『…………、プワー!!どうしても駄目だ、
気になってストーリーに集中できない…!!!!」となり
断念した過去はある。
(旧仮名遣いという訳ではないの、そこだけなの)

この作品の粗筋、
元映画女優のサリー・モーン、
自分のリバイバル映画を観に行った帰りに嵐にあい、
目の前で巨木が倒れ、通れなくなる。
ちょうど向こう側でも立ち往生していた、
『偶然全く同じ車』の持ち主の男性と
ひとまず車を交換し、それぞれ目的地へと
車を走らせるが…

主人公はとても美人で優しく、
ユーモアがあるけれど、
どこかエキセントリックな印象。

サリーの取り巻きのような存在
通称『八人の親友たち』もそれぞれ
個性豊かで、魅力的な人々。

ただ、私の好みをあえて言わせていただければ、
あんまりハチャメチャと言うか、
常識破りの人に魅力を感じないので、
なんとなく冷ややかな目で見てしまっていたけれど、

読み終わって、そこから、
締めていったネジがゆっくり逆回しになる様な感覚、

「あ、そうか、ああ、そう言う訳でね、
あ!、つまりそれでね、そう言うことか…」
と言う感じで
次々と色んなことが腑に落ち、どっと納得。

読み終わってしばらくたった今でも、
色々な感情がまぜこぜに押し寄せてくる、
魅力ある小説。
サキを初めて読んで、
面白くて面白くて色々調べていたら、
よくハイスミスと言う作家と比較されていて、
それで知って初めて読んだ、『11の物語』と言う短編集。
カタツムリの話が、ねえ!

それで一気に好きになって、
この度、新刊が出ているのをいつもの
BBの本屋さんの定期点検で見つけて
パッと買いました!
(その前からネット上で本好きさんたちが
ワイワイガヤガヤキャッキャッしているので情報は得ていた)

後味の悪い、いわゆる「嫌ミス」の作品が多いと
言われているハイスミスが、
当時匿名で出版した小説。

恋愛対象が同性と言うところで話題となった
純粋な恋愛小説。

当時はまだ、
同性愛が世間からは認められない存在であった中、
結末がこの分野にしては革命的だった、と言う事で、
多くの人から賛同や、感謝のメッセージが届き、
それが途絶えることが無かったと後書きにある。

若き主人公テリーズは、クリスマスシーズンで
賑わうデパートの人形売り場でアルバイトをしていたが、
そこで美しき人妻キャロルに出会う、物語。

自分の好きな人が、
思ったようにしてくれなかったとき、
人は傷つくんだ、と改めて思った。

私があの人ならそうするのに、そうしないんだ、と言う気持ち。

地球にいたら、いくらでもある、取るに足らないはずの
別れの予感のシーン、

悲しくて、胸が苦しくて、
会社帰りの電車の中で、私も、吃驚するほど、辛かった…!

ぼんやりしていて、考えなしみたいな
ただひたすら気の良いテリーズのボーイフレンドや、

あんまり何にも考えていないようで
その実、ちゃんと考えているボーイフレンドの友達など、

脇役も魅力ある人が出てきて面白い。

当時と比べて、現代はそれこそ隔世の感がある。

ハイスミスさんも恋愛対象が同性で、
当時はこう言った作品を出すと批判があったから
匿名にしたとのこと。

私の思い出の中でも、
まず、「ランドセルを男の子も女の子も何色を選んでも良い
(その事で意地悪されたりなどは無い)」、と言うのを
義姉から教えてもらったとき、
「へええ!なんて良い時代になったの!」と
感動したのも、もう10年も前の話だ!

そして今や恋愛対象が同性と言う沢山の魅力ある人たちが
人気者の時代、

そんな中、思いを馳せるのは、オスカー・ワイルドさん。

「俺のされた仕打ち、一体なんだったの?」と
呆然として悲しんでいるのでは無いかと、本当に心配だ!

それでも、もしも、もしかして、
日本で人気のあの人か、あの人の前世が
オスカー・ワイルドさんで、

当時の憂さと、カルマを晴らしていたら、
私は嬉しいのだけれど、と、勝手に想像(どうだろう?)
いつものようにBBの本屋さんをぶらぶら、
「あれ!」と見付けてドキッとしてすぐ買いました。

六十一年ぶりの新訳だそうですぞ!

中国に住む眼科の名医サンダースは、
ある中国人の大金持ちの患者に乞われ、
マレー列島にある彼のところまで
手術をしに出かけることに。

無事、手術を終え、帰りの船を待っていたが、
船が着くのはまだまだ先の話で、
何もないその島にいるのがあまりにも退屈だったので
偶然寄港した船の船長に話をつけ、
その船に乗り、別の港へ送ってもらうこととする…

はじめにのところで、
こう言うきっかけでこの本を書いたとあったから、
もう大体の粗筋を知っているようなもので、
それをモームさんはどうするのかな?と
頭の片隅で思いながら読んだ。

主人公が感情を他人に引っ張られないで
自分自身だけで感じられる人で、

詐欺師みたいな人、不躾な人でも、
心を乱されないで、
また、良い悪いも決めつけることなく
むしろ面白がって接することが出来、
その一方、べたべたした付き合いはしないと言う人、

割とモームさんの小説によく現れる気がするけれど、

どうやらモームさんがそう言う人だったのかな?と
思っている。

この小説の主人公も自己を投影したと
言われているみたい。

この人はこう言う事をした人だから、とか、
こう言う振る舞いだから、とか
色々決めつけて判断することは愚かなんだな、
と思った。
でも、これからもつい、してしまうと思うけれど。

ただ、この間のグレアム・グリーンの短篇でもそうだけれど
南で死ぬのってなんだか余計に無残な感じで
(気温も高いしさあ…)沈痛な気持ちになる。

また翻訳に関して、「ふふっと笑」う、と言う表現が
何度も何度も出てきた気がして、
なんだかとても気になった。

また、訳者あとがきに
「日本ではモームは過去の作家と思われている」とあり、
「え?私全然そんなこと思っていないけれど!」と
瞬間的に大いに反発を感じてしまった。

とまあ、そんなこんなはあるけれど、
何はともあれ、久しぶりのモームの
初めて読む作品、どんどん捗って読めて、
やっぱりとても楽しんでいたみたい!
都筑さんのエッセイで、
今読んでいる本を中断しても
このシリーズの新作が届いたらそちらを読む、とあって
心惹かれて、図書館で借りて、読んでみた。
(不思議なほど、都筑さんの言いなりね、最近の貴女は…)

吃驚するほど、とても面白い、面白い、面白い作品だ!

そう思うと同時に、
「そうなったらどうなると思う?!わかってる?」と
もう一人の私が…

そうなんです、このシリーズ
嵌ったら抜け出せない、87分署地獄…
一体何冊出ていると思うの?
そう思って、気になり横目でチラチラ、
それでも距離を置いていたのに…

ほら、この本の後ろにも、一覧が…、
ね、誰かが一覧の番号のところに丸をつけて、
読んでいる、読んでいないって書いてる…って
図書館の本を汚すな~!!

このシリーズもやっぱり、トリックや犯罪心理や
そんなものを真剣に追っかける作品ではなく、

刑事課の人間模様が第一番でそこを注目する
作品ね、了解!

つまり「太陽にほえろ!」とか「あぶない刑事」
みたいな感じで楽しめばよいのでしょ?承知、承知!
(しばらくテレビが無い生活をしている為
例えが古くてすみません)

クロフツの「樽」もそうだけど
男の人ばっかり出てきて、
ゴリゴリ捜査したり、署内でもめたり、絆を深めあったり、
そう言う刑事もの、だ~い好き!

また、いっぱいいっぱい読まなくっちゃあ!
あぁ~、忙し、忙し!

粗筋は、そうしても問題なさそうなので、割愛~
いつか、ふと読みたくなって読んだ
メグレ刑事シリーズ、

「また他のも読んでみたい」なんてブログに書いているけれど、
あれから、そして、二年の月日が流れ去り…(『ルビーの指輪』)

今回、都筑先生のエッセイで気になって、
メグレシリーズの作者シムノンの、ロマン派と呼ばれる作品を
読んでみた。

私の好きな同じフランスの作家グルニエさんとちょっと似ていると
感じたけれど、シムノンさんの方が、もうちょっとジトジトして
ユーモアはあまりないかな。

主人公はパリで有数の宝石デザイナー、
妻が行くはずの無い街で交通事故にあって死んだ。
事故現場を訪ねた主人公は、
そこで妻の秘密を知ることに…

私を含め、勘の良い読者は
題名をみて、まあそんなことかあんなことかと察しはつきますな。

私は、この方面ではなく『昼顔』方面(?)かな?
とも思っていたのですが、
何れにせよ、「意外!」と言う事はありません。

しかし、こんなに気付かぬものかね?

また、相手を含め少々質が悪い気がして
読後感は複雑だけれど、

でも他のロマン派の作品も読んでみたい。

そしてこの度、シムノンさん自身のことも少々調べた。

後書きにもあった、可愛がっていた娘が自殺したことが
シムノンさんのその後の人生に暗い影を落とし、
その事を書いた作品がある、と言うのがとても気になる。

またもう一方、非常に多作であると言うのは存じ上げていたけれど、

性豪としても知られ、お相手様はその数一万人…!とのこと。

よく「精力的に創作する」とか聞くけれど
やはり正比例するものなんでしょうか。

読んだのは11月、あまり聞かない性豪と言う言葉を
もうお一方の登場で奇しくも再び聞くこととなった。
(その方の名はチャーリー・シーンさん)

単なる偶然か、何かの暗示か、
占星術で言う星の巡り合わせか、は不明。
ふぃ~、やれやれ、やれやれ、やっと!
やっと、やっと、やっとだね、ポール!

今回、都筑先生のエッセイで、読みたくなって読んだ。

この作品はかなり前に一回読んだことがあった。
前回は最後の部分で、作家と言うものは
図太いと言うか、打たれ強いと言うか
そんな気持ちでいたく感心した思い出が…。

特に一番怖くて嫌な、あのシーン、

ギリギリのところで誰かが助けには、来ず、
何かのきっかけで思いとどまっては、くれず、
実は夢だった、でも無い、

登場人物にまるっきり容赦しないところ、
創作ってことに甘えない、
これはこう言う事があったお話だから!と言うことに
読者はがっくりと気落ちしながらも
「これが本当なんだ」と大いに納得(するしかない)

この部分に才能のほとばしりを感じて、とても眩しい。
ここ、筒井康隆先生と同じ匂いだ!

映画にもなった、本当に有名な小説だけれど、
一応粗筋は、

自動車事故に会い、大けがをして気を失った流行作家の
ポール・シェルダン、
助けてくれたのはポールの小説「ミザリー」の
一番の読者を自称する、
精神異常で、剛力で、元看護師で、
隣近所から離れたところに一人で住む女、アニー!

書いている小説の主人公ミザリーを殺して、
シリーズの終りを図ったポール、
それを読んだアニーは怒り狂い、
ポールを監禁し、ミザリーを復活させる新作を書けと迫る!

前回読んだときは気付かなかった、
創作の為の心得や豆知識などが
ちりばめられ、とても興味深い。

また、ホームズにうんざりして滝に落としたドイル先生の
エピソード、
(ホームズを殺すとお母さんに手紙を書いたら
お母さんから怒り心頭の返事が来た話)など、

愛され過ぎた主人公の作者の苦悩も色々と書いてあり
とても楽しい。

大好きなモームが褒められていたり、
アーヴィングのガープの世界の話が出てきたり、

前回より落ち着いて細かいところまで読めたと思う。

最後の最後まで気を抜かせない、
ドキドキをさらなるドキドキで返してくるあたりは最高。

あ~、怖かったけれど、やっぱりとても面白かった!
都筑道夫さんの本(読ホリデイ)で紹介されていて
読んでみた。

私にとってグレアム・グリーンは、
その当時大好きだったジョン・アーヴィングのある作品で
主人公がずっとグレアム・グリーンの伝記を読んでいて、
確かその影響で『情事の終り』を読んでみた。

私にとって『情事の終り』は、まず衝撃的と言う感想で読了。
その後しばらくしてから、
「あれ?もしかしてあのシーンは…」とふと、気付き、

また何年もしてから「あれ?あれってもしかして…」と

何度も折々に勝手に思い出し、気付くと言うことを
繰り返している、
そんな小説他にはないと言うくらい特別で不思議な小説。

もう一度ちゃんときちんと読み返したいと思いながら
なんだか怖い様な気持ちでまだ、そのまま。

今回のこの作品集、
無残に人が死ぬものが続き、陰鬱な気持ちに…

南の国で死ぬのは辛そうだ…と言う気持ちが強くなり、
また、年を取るのは辛い、貧乏は嫌だ、
研ぎ澄まされた描写に
身につまされ、心底切ない気持ちになってくる中、

詐欺師と詐欺師のぶつかり合い、
『竜虎相い搏つ』のユーモアにホッ。

お部屋の感じ、入ってきた人の雰囲気、
触ってきた手の感触までも
なんだかまざまざと感じられ、怖い。

特に「地下室」で他人に対して
自分の都合のよいように過剰に期待してしまうところ、
こういう事、形をかえてあるよなあ…と
つくづく感じ入ってしまった。

ただ、翻訳の言葉選びにちょっと首を傾げたくなるところがあり、
例えば、「ミーちゃんハーちゃん」なんて言葉でなくても
なにかもっと良い日本語は当時でもある筈。

また、ん?主語はなんだ?と混乱するところもあり、

今発売されている文庫は新訳になっているようなので
改めて読んでみたい。
(チラチラ立ち読みして来たら21作品のラインナップもちょっと違う様だった)
海外の小説が苦手と言う人から、
「だって、登場人物の名前がごちゃごちゃになって
わからなくなっちゃう」とその理由を聞かされるとき、

「へぇ~、ふぅん、そうなんだぁ…(わたしは違うけど~)」と
全く心のこもらない返事をしていた事、ちょいと反省。

今回、ドイツが舞台のこの小説を読んで、
はじめのうち
「これ誰?、この人誰だっけ?、んんん?この人…???」
の連続。
何度人物紹介の欄を見直したかわかりません!

そのうち、刑事コンビ以外はもうわからなくてもそのうち
わかるでしょうと言うおおらかな心でリラックスして
読んだ、ら、上手くいったよ。

だんだん慣れてきたら珍しいドイツの名前も
混乱こみで面白かったけれど、
作者の方がもしかして、変わった名前をお茶目心で
付けていたとしても(小説にたまにそういう事ありますよね)
全く気付くことが出来ず、そこは申し訳ありません。

この本は、例の「海外ミステリ・ハンドブック」(早川書房)にて
紹介されていて、
「あ、面白そう、帰りにBBの本屋で…」と思ったけれど
「待て待て待て待て…」と猪木さんの物まねみたいな
もう一人の私に制され、家に帰って本棚確認、
やっぱりもう持っていた!(なんとなくそんな気がしたの)

ブクログの登録をみると、発売後すぐしているので
きっとどこかで見かけて面白そう!となってさっと買った、みたい。
(その後放置)

主人公は貴族出身のお坊ちゃま警部と
平民代表の部下の女性のコンビ、

事件はホロコースト生存者の著名な老人が殺されたが
実はその男性はナチス親衛隊だった…?と言うのがはじまり。

わたくしの感想としては、
ダイアナ・バーリー(アンの腹心の友)が書いた
小説並みに人が死ぬな、ってこと。
(『赤毛のアン』物語クラブの項参照)

ただ、後半は夜更かしして読み上げたので
やはり引き込まれる面白いミステリ小説と言うのはもちろん、
なのだけれど、

何点か疑問と言うか強引な点がいくつか…

①同僚ベーンケの不機嫌で不可解な行動は謎のまま

②偶然再会した平民代表の部下ピアの友人が不思議なほど
捜査に協力してくれるの、何故?

③ある人の行動に、主人公二人は憤慨、
私も大いに肩入れし、鼻息荒く応援していたのに
その人が何故か突然「改心」し、
思いっきり肩透かしで転びそうに…!
(そんなことなら、言ってよ、言ってよ!)

ドイツでは人気シリーズの途中の巻が日本では最初に
発売されたとのことで、
上記の謎も通読すれば解かれるのかも知れず。

今では日本でも発売されているその他の巻、
今後は、積極的に、ではないけれど
機会があれば読むかもしれません。
(…つまり…?)
著者 : 都筑道夫
フリースタイル
発売日 : 2009-07-25
この本、本当に面白いなあ~

まだ読んでいる途中ですが…

もちろんお名前は存じ上げておりましたが、
きちんと読んだことは恥ずかしながらありませんでした。

先日図書館へ行って、
なんとなく数合わせに借りてみました。
(やっぱり限度10冊まで借りて帰りたい貧乏性)

『ミステリマガジン』に連載されていたエッセイを
まとめたもの。

読みながら、
感心と言うとなんだか偉そうだけれど、
心からそんな気持ち、
そして、本当に素直に「勉強になるなあ!」と
何度も思っている。

沢山の本の話が次々紹介され、
もう何冊も良い作品を読んだような、
素晴らしく得した気分。

それぞれの作品の良いところ、悪いところが
親切、丁寧に愛情をこめて解説されており、
この本を読めば
「読みたい本が無い」と言う心配は
向こう何年も絶対に無い、と断言。

また、日本語のこだわりも嬉しい。

変わって行くのは構わない、
でも美しく変化してほしいというくだり、
腑に落ち、なぜかどっと心が楽に…。

私の大好きな『半七捕物帳』が
端々で絶賛されており、
自分まで褒められた気分。

結構な値段を提示されており、
「上下巻合わせて…」と
読みながら悩んでおりますが、
凄く価値のある貴重な本と言う気持ちが
どんどん湧いてきている。
多分買うと思います!

早川書房ではない出版社から出ているのに
ポケミスの様な装丁(ページの端が黄色いところまで)
なのも、なんだか面白い。
最近ちょいちょい合間合間に読んでいる
「海外ミステリ・ハンドブック」(早川書房)に載っていて、

「そうそう、これ前から読みたいと思っていたんだ!」と
念の為自分の本棚に無いことも確認してから
張り切ってBBの本屋さんでお買い上げ。

それで、いつもの指南本
(文春文庫1986年発行のミステリ案内)をみても、
丸谷才一さんのミステリ書評本をみても載っておらず、
あれれ?一体私は何をみて
この本を読みたいと思っていたのかな。

確か昔々、当時勤めていた会社のミステリ好きの同僚が
「安楽椅子もので、相棒がかっこよくて…」とかなんとか
勧めてくれたような記憶がかすかに…

でも当時は「本格ミステリ以外は邪道」の精神で
怒れる猪の如き勢いで突き進んでおりましたもので
真面目に聞いておらず、申し訳ありませんでした。

ミステリと呼ばれるもののうち、
人間模様や人物描写を楽しむジャンルの魅力に
ここ何年かでやっと気付き、
(と言うか言い方は変だけど「許せる」ようになった。
ミステリと思わず面白い小説に
謎解きがおまけでついてくると思えば…の
着地点を見出した、とも)

蘭と麦酒を愛する巨漢の美食家ネロ・ウルフと
彼の「秘書兼ボディー・ガード兼オフィス・マネージャー兼
探偵助手兼生贄」の青年アーチー・グッドウィンのコンビ。

今回は拠無い事情で珍しく旅に出たネロ・ウルフ、
その旅先で事件は起こる…。

皆があまり好かない人が殺される辺りは
作者のやさしさなのか…?

また、「犯人は○○の人だろう」と思っていたから、
真犯人があがってもあまり感激はなかったけれど、

ネロ・ウルフとグッドウィン君の丁々発止や
恋のはじまり(作為的な)を傍観したりと
なかなか楽しめた。

その他の作品も読んでみよう。

裏表紙に載っている作者の方の姿は
雲に乗れるような感じのお爺様、に見える。