「シナリオ人生」という新藤兼人監督著の本を読んでいる。
とにかく映画や脚本に関する本を読もうと思い、ジブリや是枝監督の本を探していた時、「シナリオ」という言葉だけにひかれ、手に取った本だった。
お恥ずかしい。新藤兼人監督のことを知らなかった。
小津安二郎監督のこともつい最近知った。それも授業の中で、先生がしきりに「東京物語は一回は観なさい」と言うからであった。
「シナリオ人生」は、シナリオの書き方が何か分かるかもしれないと思って手に取ったものだったけれど、私にとってはそれ以上に感じるものが多い本だった。新藤監督の、映画界に入ってからの歩みが記されたもので、戦争のことも、籍を入れる予定だった女性の死のことも、淡々と描かれていた。
淡々と描かれているからこそ描写が端的で分かりやすく、その時のことがありありと想像できるような、生々しさがあった。
ある人の人生を本で感じたのは初めてだと思う。今まで、読書をしてこなかったから。
本で人の一生を見るのはこんなにも感じることが多いことなのかと21歳を前にして初めて分かった。
1912-2012年。100年の生涯。そして2010年に監督作品を一本撮っている。
この人の存在を知って、一回り自分の世界が広がったような気がした。














