カランコロン・・・


やぁ、久しぶり😊


「・・・・・」


そんなところに立ってないで、入ってよ。

なにか飲む?


「マスター、あの・・・」


言いたいことはあと。

まず、座ってよ。



はい、君の好きなミルクティー。


「ありがとうございます。

マスター、わたし・・・」


あれから、なに考えてたの?

いろいろ考えて、なにか答えが出た感じ?


「・・・・

マスター、わたしには荷が重いなって、はじめ思いました。

やってもやってもダメ出しされるし、言わずに思ってることも全部読まれちゃうし、落ち着かなくて。

心の中を全部見透かされるのって、こんなに怖いものなのかと思いました。」


まぁ、そうだろうね。

誰しも、人には知られたくない部分があるし。

隠し立てができないのは、しんどいよね。


「はい。

それで、ここに来るのをやめようと思って、マスターに連絡しました。」


うん、そうだったね。

あれから一月くらいかな。

それで、今日来てくれたのは?


「夢に、彼が出てきました。

まずはじめにひと言、『ごめん』って。

彼は、自分が良かれと思ってしてきたことがわたしを追い詰めていったことを謝っていました。

そして、わたしだからやってきたことなんだとも言いました。」


君だからやったって?


「はい。

見えない存在と繋がるということは、何もかもお見通しの方たちと繋がるってこと。

それが分かって、それでも良いっていう覚悟がないと、この先付き合えないよって。」


なるほどね。


「マスターも、彼とお話しするじゃないですか。

やっぱり、心の中を読まれてたりするんですよね?」


あぁ、そうだね😅

こればっかりは、防ぎようがないよ(笑)


「それって、いやじゃないですか?

こっちの都合なんて考えてないでしょ?

何もかもばれちゃってるなんて。」


まぁね。

はじめはドキッとすることが多かったけど、今はばれててもいいやって思えるようになったよ。


「そうなんですか?」


あぁ。

自分にやましいことがなければ、いつ見られててもなんともない。


「あ・・・・・

そういうこと。」


そう。

心と、身体と、言葉。

3つが整って、隔たりなく滑らかであること。

滞りがないこと。

そうするとね、なんともない。


「か、過去のこととか、恥ずかしいこととかもですか?」


過去におかした罪深いことや、時折やらかす恥ずかしいことも、その時に悔い改めることで、見透かす相手も許してくれるんだよ😁


「そうなんですね・・・」


同じ過ちを繰り返さないようにすればいい。

思ってても繰り返してしまうのが、人間だけどね。


「・・・・

わたし、夢のあと、いろいろ考えました。

わたしだから、と言われたこと。

わたしだから、彼は先に起こるであろうことをやって見せてくれたのだと。」


うん。そうだろうね。


「それでもやりたいか、と、自分に問いかけました。

それでもやる、と、返事をしました。

それで、今日、ここに。」


そうなんだ。


だってさ。

聞いてたんでしょ?


『あぁ。』


「・・・・・」


『俺の思い、伝わったんだね。』


「うん。」


『で、覚悟決めて、ここに来てくれたんだね。』


「・・・うん。」


『分かった。

それじゃ、今日から早速トレーニング開始な。』


え?

「え?」


『まずおまえ、やることなすこと、心の中で小言が多いんだよ。

全部聞かれてると思って、その小言を封印することから始めてみろ。

思ってることがそのまま全部口から出たらどうなる?

今のおまえの思考だと、お客さん二度と来なくなるぜ😁』


「うっ・・・・」


『人間、裏表があるのは当たり前かもしれないけど、使い分けてやりきろうとしても、俺たちの前では通用しない。

その辺諦めて、心を入れ換えることだ。』


「すぐにできないかも・・・」


『少しずつでいいんだよ。

店にいるときなら、おまえが裏腹なこと考えてるときに、俺が隣で咳払いしてやるよ。』


「うぅ~・・・」


『・・・だから、心の中で、鬼!とか言うのも聞こえてるって。』


「あっ💦」


(笑)

こりゃ、観念するしかないね。


「・・・分かった。

やってみる。」


『おっしゃ。

それじゃ、今から早速始めていくぜ。

馴染みのお客さん、戻ってくるといいな。』


「うまくやれるかな。

いろいろ考えすぎて、大切なことも伝えられなくなるかも。」


『大丈夫だって。

おまえはね、物の捉え方、考え方を少し変えていくことで、もっといろんな存在と繋がれるし、人に対してもっと優しくなれるよ。

ますます魅力的になるって🎵』


「いろんな存在?」


『そう。

マスターのところにたまに来るような存在とかね。』


あ、あの、わりと自分勝手にお話しされる・・・


『失礼ですよ😅』

【失礼だぞ!】


「・・・え?」


『そう、この方とか。

そのうち、もっといろんな方と話せるようになるよ。

楽しみにしててね😁』


「この方は、どちらの方?」


わたしもまだ、どちらの方か教えてもらってないんですよ。

突然やってくるし、言いたいこと言ってサッと帰っちゃうし。


【ふん。】


ま、そのうちね。

それじゃ、店の支度するからね。

君もひと息ついたら手伝ってくれる?


「はい、分かりました。」


『・・・マスターには、いい顔するんだよなぁ。』


「変なこと言わないでよ。」


『もうちょっと、俺に対して素直になってくれりゃいいのに。』


「ちょっと、心の中読まないでよ!」


『・・・ふ~ん。

俺のしたことも、無駄じゃなかったってことか😁』


「ま、マスター!

カウンター拭きますね~!」


はいはい。

仲のいいことで。