「ほら、早く!」


分かってますって😅


「ほらほら、あそこ!」


言われなくても見えてますって💦


「·····へぇ。

お若く見えますね、彼女。」


わたしと同じ年だよ。


「とてもそんなふうに見えませんよ。

それに、とてもお美しい。」


そう···かい?


「マスターは、どこを見て人の美しさを判断してるんですか?」


え?


「見た目とか、身なりとか、たしかに大事だけど、そこじゃないでしょ。


見えません?あの美しさ。


きっと、ずっと·····」


ずっと、何?


「あ、いや、なんでもないっす😁

ほら、ちょうど周りに人いませんし、話しかけるチャンスですよ🎵」


え?今?


「今じゃなくていつやるんですか?」


今日は、ここにいることが分かったら、出直してまた····


「もう来ないつもりでしょ?」


ギクッ😨


「ダメですよ、ちゃんと会いましょう。

そのために来たんでしょ。

区切りつけるって、言ったじゃないですか。」


だから、元気でいることが分かったから、もう十分····


「なわけないでしょ?

そうやってまたこれからも、ズルズル引きずってくつもりですか?」


いや、もう、これで終わりに···


「美しい思い出のアルバムの中に、大事に大事にしまっておくんですか?


新しいページが増えるかもしれないのに?」


いや、それはないだろう。

もう、終わったことだし。


「あ~、もう焦れったい!


分かった、こうなりゃちょっと反則だけど、やりますよ!」


え?


あ、ちょっと、待って!

そんなことしたら彼女濡れちゃう!


危ない!


『え!?


キャア!!!!』


ガシャーン!


『あ、す、すみません!

お客様、大丈夫で·······』


········やぁ。


『········


やぁ、じゃないわよ。

ずぶ濡れよ。

さぁ、入って。

タオルで拭くから。』


····ご、ごめん。





『······』


·····元気だった?


『····えぇ。』


····念願だった、店を出したんだね。


『····えぇ。

半年前に、オープンしたの。』


良かった。

ずっと話してたよね、将来フラワーショップをやりたいって。


『·····えぇ。

やっと夢が叶って、毎日お花に囲まれて暮らしてるわ。


今日は、何の用でここへ?』


う😓


『あなたのお店のことは知ってるわ。

この辺でも、ちょっとした評判になってるのよ。』


え、そうなの?

ここ、わたしの店からずいぶん離れてるのに?


『マスターが面白いって😊

物腰柔らかくて優しいマスターなんだけど、時々吐く毒舌にみんなやられるんだって(笑)』


へぇ、そんなふうに言われてるんだ···

君の耳にも入ってたんだね、わたしのこと。


『·······えぇ。

ずっと知ってたわ。

あなたが店を構えたことも。

あなたがずっと、ひとりでいたことも。』


········


『ほんとは、このまま会わずにいようと思ってたのよ。

離れてるから、会いに行かない限りは会うこともないだろうって思ってた。

時折聞こえてくるあなたの話が聞ければ、それでいいかなって。』


······


『でも。

不意打ちなんてひどいじゃない。

心の準備、出来てない時にあなたから来るなんて。』


····ご、ごめん。

わたしも、来るつもりはなかったんだよ。

あんな別れ方しておいて、今さら会わす顔ないって。


『まだ氣にしてたの?あのこと。』


氣にするだろ。

あんなに君を傷つけたんだ。


『····バカね。

わたし、そんなに氣にしてなかったのに。』


え······


『いつだってそう。

あなたって、わたしの氣持ちを先読みして、いつもひとり相撲とるのよ。

わたしがどう思ってるか、わたしに聞きもしないで勝手に想像して答えだして。


あの時だって。

わたし、怒ってなかったわ。

ちょっと悲しかったけど。

でも、あなたが自分で自分にダメだって決めつけちゃったのよ。


追うことすらさせてくれずに。

あなた、わたしの前からいなくなっちゃったじゃない。』


········


『ほんと、自分勝手なんだから。

お互いの氣持ちを話して、確かめあって、育んでいくものなんじゃないの?

愛って。』


·······


『ほんと。


迎えに来るの、遅いわよ。』


え?


『·····ずっと。

ずっと待ってたんだから。

あなたの方から来てくれるの、ずっと待ってたのよ。

夢叶えて、こうしてここで。』


え·····


『顔を見て分かったわ。

やっぱり、わたしはあなたが好きなんだって。

噂を聞いてるだけでいいって思ってたけど、やっぱりダメみたい。


だって、今。

嬉しくてしょうがないんだもん、わたし····』


······いいのかい?

こんな、わたしだけど。


『いいのよ。

もう分かってた。

それこそ、ずっと前から。


わかってるのよ、わたし😂』


·····ごめん。

君をこんなに待たせて。

そして、君を一人にして。


これからの人生、わたしと一緒にいてくれるかい?


『聞かれなくても、そうするわ。

あなたのそばがいいの。』



「ヒューヒュー♥

お熱いねぇ、マスター😁🎵」


あ、ヤバ。

いたんだった💦


『あら、あなた·····』


「先日はどうも😁」


え?なに?

顔見知り?

っていうか、君、分かるの?彼のこと。


『フフフ、そうだったんだ。

なぁんだ、これ、あなたが仕組んだのね!』


「ご名答🎵」


『笑える〜😁

ちょうどいいわ、この濡れっぷり。

わたしの気持ちを晴らすのにぴったり!』


あ、いや、その。

ほんと、ごめん·····


『勝手にいなくなって、長いことわたしを待たせた罰じゃないけど😁

ちょっとスッキリした🎵』


君って····


『なんとなく分かるのよ。

あなたのことも。

そして、彼のこともね。

なぜって言われても説明できないけど、そうなの。』


そうか。

ま、仕方ない結果ってことね、このずぶ濡れは😅


『フフフ😊』


「一応、ごめんって言っておきますね。

結果オーライだけど、結果的にマスターずぶ濡れにしちゃったから。」


ほんと、君には敵わないよ。


でも。

ありがとう。


「終わり良ければ全て良し。

じゃ、あとはお二人で〜♥」


😅

そんなところで氣を使うんじゃないっ!