民主主義を機能させるには | 衝動記

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昨日、共同通信の世論調査が発表になりました。

●甘利氏「辞任当然」67% | 2016年1月31日(日) - 共同通信 47NEWS
http://this.kiji.is/66422610856052217?c=39546741839462401&s=t


 共同通信社が30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、金銭授受問題をめぐる甘利明前経済再生担当相の「辞任は当然だ」との回答は67・3%だった。「辞任する必要はなかった」は28・5%。夏の参院選後に憲法改正を進めることに反対は50・3%、賛成は37・5%。

 安倍内閣の支持率は53・7%で、昨年12月の前回調査から4・3ポイント増えた。不支持率は35・3%だった。

 甘利氏を閣僚に任命した安倍晋三首相の任命責任は「ある」46・8%、「ない」50・1%。甘利氏は衆院議員を「辞職するべきだ」は39・7%、「辞職する必要はない」は55・5%だった。



ここで注目したいのは甘利さんの辞任ではなく、安倍内閣の現在最大といっていい「憲法改正とTPP」に関する世論の現状です。

夏の参院選後に憲法改正を進めることに反対は50・3%、賛成は37・5%。

本文にはありませんが、TPP関連法案の今国会の成立に賛成が21.2%で慎重に議論が69.2%となっています。
それでいて、内閣支持率が53%ということは放送法遵守を求める視聴者の会事務局の文藝評論家大センセーがやたらと言ってる奇跡である言えるだろう。

それは安倍首相本人に対する奇跡ではなく安倍内閣の命運がかかっている「憲法改正とTPPを進めてるのはイヤだが、他はいねーしなぁ。でも野党が安倍さん以上にだらしなくて頼りにならないから仕方なく安倍内閣を支持」いうことだろう。
つまり、だらしなくて情けない野党しかいないという状況が奇跡である。

少し振り返ると第一次安倍内閣では民主党への期待が高く、参議院選挙で大勝して「ねじれ国会」を作った。そこから政権交代が起きて民主党のボロが出たわけだが、野党が「オールだらしない体制」のキッカケを作ったのも安倍さんという点で奇跡であると言えるかもしれない。

野党がダメなら自民党の内部で安倍さんの影響力を弱めるのがいいだろうが、今の自民党の政治家に安倍さんにNo!と言える人がいるのか?
いないでしょう。
いないから昨年の総裁選で無投票再選なんてことが起きた。

自民党の国会議員たちは政権転落の理由の一つに党内政局が揉め事のように国民に映ったことを理由の一つに挙げていたが、自民党内で政局が起きるのは決して悪いことではない。
派閥という中間団体が力を持つことも悪ではない。
むしろ派閥や支援団体などの中間団体が力を持つことでポピュリズムや全体主義に走りやすい民主主義の暴走をを防ぐ役割があるとアレクシ・ド・トクヴィルは記してる。

民主主義といえば安保法制反対派は「民主主義と立憲主義を守れ!」アピールしているが、民主主義と立憲主義なんか郵政解散でとっくに死んだ。
郵政解散は郵政解体法案が参議院で衆議院の議決を否決した事に端を発し、時の小泉首相が「国民に信を問う」という理由で解散をした。
立憲主義とは「権力者の暴走」を防ぐために二院制などの議会政治を取り入れながら権力者が暴走しないように憲法でも権力者を縛ることだが、国会の一方の院である参議院の議決を首相が不服として解散をするというのは立憲主義の一つの役割である議会政治の否定であり、解散をするのは代議制民主主義の否定である。
これを許して小泉内閣を支持した時点で立憲主義と民主主義は死んだのです。

だから今さら「立憲主義と民主主義を守れ!」と叫んでも既に死んでるものをどうやって守るのか?
今はとっくに死んだ民主主義と立憲主義を蘇らせることができるかが重要でそのためにベターな方法はないかを模索しないといけない。
そのカギを握るのは自民党の国、地方問わず所属している議員なのだが、その自覚があるかは甚だ怪しい。いても恐らく少数派の中の少数派であろう。

自民党の政治家はアレクシ・ド・トクウィルの「アメリカンデモクラシー」を読むことをお薦めしたい。




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