【三破崎の役人時代の 最高の思い出ナンバー1 の 旅行記】

 

最後に、

今回ご紹介のおはなし の、「信じられない裏話」を、

一昨年に初めて、このHさんににお会いした時、初めて聞いて、

「あまりにも驚いて驚いて、もう驚きすぎた話」

載せています。

 

ぜひ最後までごらん下さいませ。

 

  【延岡の素敵な運転手 Hさんの思い出】

 

私は延岡が大好き。

それは、あるタクシーの運転手さんとの出会いからです。

 

平成22年6月、私はJRのおトク切符を利用して九州一周、

2泊3日の旅をしました。

 

ある本に載ってたある神社に行くため、延岡駅に、私は降り立ちました。

(これは最近改装した後の延岡駅)

 

延岡駅に降り立ちタクシーでその神社へ。運転手さんは、延岡のことをいろいろと説明して下さり、

そのお話がとっても楽しい、そしてとっても優しい。

 

私が長崎から来たというと驚かれてました。

 

「ながさき!だいぶ遠いよね。宮崎と長崎は一番遠いんだもんねえ」

 

「うーん、JRでのんびりだからそんな遠く感じないです。6時間か7時間くらいですね」

 

「それは・・、遠くからようこそ^^」

 

まあ、6時間とか7時間というのは、やはり遠いわな。

 

神社につくと、帰りも運転手さんとお話したいな~と、

 

「お参りはすぐ終わるので帰りもこのままお願いしたく、 待ってていただけますか?」

 

「いいよ、メーターはとめておくからいってらっしゃ~い」

 

九州は、こういう時、メーターをとめてくれる方がいるのだ。

結構経験している。

 

都会や有名観光地では無理だな。

(延岡も令和6年時点では、無理かもしれん)

 

本で知って、「わあ行ってみたい」と、はるばるやってきた神社は本の印象と違って、ちょっといまいち。

 

すぐタクシーに戻ります。

 

「おまたせしました」

 

「あらあ、早かったね」

 

「うーん、いまいちだったので、 ま、こんなこともあります^^ じゃあ駅まで願いします」

 

運転手さんは、車を発信しながら

 

「せっかく遠くからみえられたのに、残念だったね」

 

「いやいや、運転手さんとお会いできてそれがなにより」

それは本音でした。

 

短い時間の会話で、この運転手さんいい人だな~

出会えてそれだけでもよかった💛

本気で思えていたのです。

 

車を出発させながら、

「あなた、延岡に「御陵」があるのは知ってる?」

 

「えええ?延岡に「御陵」、どなたの?」

 

「それが、誰諸説あってね~地元の我々は御陵とだけ言ってる。神話のニニギノミコトの御陵とも言われてるけど、はっきりしないんだよ。私はそうだと思っているけどね」

 

「へえええ」

 

「あなた神社とかお好きだし、そういうのも好きかなと。

興味があるなら連れて行ってあげるよ」

 

「それでね、メーターはもう動かさずに、御領まで行って、この神社まで戻って、それから駅までの料金でいいから」

 

えええ、なんという思いやりだろう。

御陵までの料金は往復サービスなんて・・

それに、ニニギノミコト様の御陵かもしれない、

行ってみたい!

 

このように、おっしゃるからには、きっと近いんだろう。

 

遠くから延岡にきた私に、延岡の楽しい思い出をつくってあげたい、という

心からの気持ちがあたたかく伝わってくる。

甘えちゃおう。

 

声を弾ませ「お願いします!」

 

御陵に向かいました。

 

「運転手さん、お名前、Hさんて仰るんですね、きれいなお名前ですね」

 

「いやあ・・、ありがとう」

 

Hさんは、延岡に関わる神話の話や、

御陵のそばが西南戦争の激戦区で、西郷さんもここで戦われたこと、

薩摩軍がすごい崖をつたって夜中に逃げる様子など、それは詳しくお話下ささいました。

 

へええええ、西南戦争の舞台だったなんて知らなかった。

 

・・・と 話しながらタクシーはどんどん進んでいく・

 

あれ??すぐ近くじゃない。

えええ、車は郊外への幹線道路をばんばん進んでいきます。

 

これは「遠く」だ、無料でちょっとサービス「ではない」。

 

10キロは軽く超えた距離を走り、

緑に囲まれた御陵につきました

 

 

Hさんは、私に延岡の思い出を作ってあげたいと

本当にその思いやりで無料で連れてきてくださったのです。

思い出を、プレゼントしてくださったのです。

 

じーん。


Hさんの楽しい解説を聞きながら、

御陵を拝するのはとっても興味深く楽しい経験でした。

 

奈良の御陵は、歴史上の天皇や皇族で、私もいくつか行きましたが、

延岡のここは神話の神様が眠っているかも、という「御陵」ですから、また雰囲気も違います。

なんといっても、Hさんは本当にガイドがうまい。

聞いてて引き込まれていきます

 

先ほどの神社のことなどきれいに消えて、私にとって延岡は最高の場所になったのでした。

 

Hさんと駅でお別れしながら、

また延岡にきて、Hさんにまたどっか連れて行ってもらおう、とすでに考えてました。

 

長崎に戻った私は、お礼に、長崎のおいしいストレートミカンジュースを送りました。

 

その3年後の今年、再びJRにて延岡に行くことに。

 

もちろん、某タクシー延岡営業所に、Hさんの予約をとろうと電話しました。

 

          (その2つづく) 

 

 

【令和4年に判明したこのエピソードの裏話】

 

Hさんとおととし延岡でお会いしました。

もう運転手は退職されています。

 

そこで、この御領に無料で連れて行ってくださったことを

お礼を改めて言いました。

 

「あの時の、往復分のガソリン代金を僕が自腹で入れたんだ、

だから問題は全くなし」

 

にっこりと、平然と、仰いました。

 

 ・・・・・・・・・・。

こんなHさんとの 2回目の素敵な旅行記を

数回連載します。

 ぜひ最後までご覧下さい。

https://miyazaki-archive.jp/d-mu.../shinwa/details/view/3122

 


(おまけ)
 

神社と御陵の往復20キロ以上を無料にされたことは、Hさんが運転手さんの現役機時代には書けないし、いえませんでした。

それは、仕事としてやっていいかどうか という ものさしで測ったらだめかもしれないけど、

 

結果として、私はリピーターとして 再び観光も含めた数時間の予約を「複数回」、するのですから、会社としては、結果としては、普通に駅と神社を往復する以上の利益となりました。

 

 それはHさんが、「広告宣伝費」として「狙った」ものではない。

 でも、結果としては、そうなりました。

 

「思いやり」「気遣い」の結果、経済が自然に回っていく、

 それが本来ではないかと思うのです。

 

テレビやYouTubeのように 広告宣伝費で、初めから回るような仕組みは私はなんだかな~と思ってしまう。お金があれば、しょーもないものでも、良いものになってしまうからね。