<老子語録>
◉「其(そ)の光を和し、其の塵(ちり)に同す」
きらびやかな才知、高名の光はぼかすがよい。
そして、俗世にあっては、
自分だけが清いものだというような態度はとらずに、
その中に同化していくがよい。
孤高を排した、いわゆる「和光同塵(わこうどうじん)」の思想である。
「和」はぼかす。「塵」は俗世間。
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◉「天地は不仁(ふじん)なり、万物を以(もっ)て鄒狗(すうく)と為す」
天地には仁慈の心はない。
なぜならば、万物をそのなりゆきにまかせておくからである。
これは実は逆説であって、天地が万物を自然のなりゆきにまかせることは
不二にみえるけれど、これこそ本当の仁だという考え方である。