<老子語録>
◉「無為(むい)を為(な)せば、則(すなわ)ち治まらざるなし」
無為、すなわち人為を用いない政治をする時にこそ世の中が治まる。
尭舜(ぎょうしゅん)の政治は衣裳を垂れて天下が治まるという。
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◉「其の鋭(えい)を挫(くじ)き、其の紛(ふん)を解く」
人は才知の鋭いことを喜び、思考や現象の複雑さを喜ぶ。
しかし、カミソリの刃のような鋭さはなるべくくじくがよい。
糸のもつれのような紛雑は解くがよい。
世の中の文化や文明は、条理の整った一つの複雑さにすぎない。
老子はこれを解くがよいと考えている。