すき家で深夜料金導入 | 米の心

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ゼンショーのすき家が3日から深夜帯について、深夜料金を導入したとのことです。深夜については牛丼の並盛りが400円から430円になるようです。

深夜料金はタクシーなどでは昔から導入されていましたが、飲食店においてはそれほど導入されていたということはなかったかと思います。またすき家に関しても昔のシステムであれば導入は難しかったでしょう。

昔であれば、居酒屋などは紙のメニューなどで注文していましたし、人件費削減のための牛丼チェーンであったり、ラーメン屋なんかは食券を導入しているケースが多かったです。前者の場合、深夜料金だから値上げするよということを記述するのは難しいですし、居酒屋などであれば長いするため、ではどのタイミングでどうすれば深夜料金の適応になるかというのが難しかったりします。注文のタイミングなのか、会計のタイミングなのかそれによっても大きく変わってくるでしょう。

昔の押しボタン式の食券販売機であれば、基本的には料金の変更というのは難しかったりしますし、そのボタンに対応していない項目にも対応できません。例えば、ラーメン屋の替え玉などであれば、注文するタイミングから替え玉を購入するということは少ないでしょう。食べた後に替え玉を注文となるわけです。替え玉に対して料金が発生するシステムの場合、それを食券機で対応させるというのは効率的ではなく、結果直接替え玉のたびに直接現金で支払うなどといったケースも多かったように思います。

しかし、近年デジタル化とキャッシュレス化というのが進んだというのが、この深夜料金を可能にした背景にあるかと思います。

まずは、IT化、DX化などが進んだことによりメニューや注文がデジタル化したこと。これによって、深夜料金を発生させるにしても時間帯で設定して表示価格を変更させればいいので、券売機などにおける問題というのを解決することができました。また注文時の価格ということで計算させればいいので、前述の例えば居酒屋でいつ深夜料金を発生させるのかということも解決することができるようになります。(まぁ居酒屋の場合長居する人も多いので、先に注文をして居座られるリスクがあるのでこの辺り難しいですが。)

キャッシュレス化もまた、料金の変動に対して非常に強いですから、そのあたりの導入に対して流れができていたというわけです。

様々なジャンルで人手不足が言われていますが、その中でより優先的にサービスを利用したい、あるいはビジネスととして成り立たせるためにということであれば料金に対して幅を持たせる、変動させるというのは当然の手段であり、そのためにはまず変動させることができる土台を作る必要があるというわけですね。

その意味において、今回すき家は導入しましたが、システム化がどのように進んでいるか、またどういう経営スタイルなのかということによれば当然深夜料金などは発生させにくいということになるかなと思います。

飲食業でいえば、それこそすき家などの牛丼チェーンは今後も導入する店舗は増えるかもしれません。あるいは、回転すし屋なども相性がいいかなと思います。

しかし、一方で居酒屋などでそれが導入できるかというと、導線やお客さんのスタイル的にはどこまでできるかは難しいかなという気もしますね。

前述のように、システム化すれば注文時の価格で深夜料金かどうかをすれば揉め事は解決できるかもしれません。しかし、それは深夜料金になる直前に大量注文が発生するリスクが出てきます。ラストオーダー前でもそのようなことは発生することからすれば、当然あり得ますし、注文が集中したことによって導線が悪くなると今度はキャンセルなどをする、お客との間でトラブウがおきやすいというリスクが起こりうるということになります。

深夜料金帯に会計になれば、という話だとすると、その場合は、反対にそもそもそこの同意ができていたのか、サービスが遅いから深夜料金になってしまったのではないか、というトラブルが起きやすくなりますし、またこちらでも深夜料金になる境の時間帯前後で会計が集中しやすくなるというリスクを抱えています。

やはりそのようなことを考えると、深夜料金設定というのは居酒屋のようなスタイルではデジタル化が進んでいたとしても難しいところがあるように思います。

小料理屋などでも、提供までの時間がどのくらいかかるかは、混み具合や店の対応次第なところがあるので、難しいのかなと思います。

となると、結局のところ注文がシンプルであり、オペレーションもシンプルであり、素早く受け渡しができるような飲食業態であり、かつ、深夜帯までの営業を想定しているスタイルの場合に限られるということになるのかなと思います。

それこそ、ワンオペで対応することができるほどの業務を効率化した牛丼チェーンのようにです。

そもそも居酒屋のように遅い時間でも(遅い時間帯まで営業している居酒屋)席数が多く、注文も複雑であるがゆえに相応の人が必要となります。逆にそれが不必要であるならば、深夜帯まで営業するメリットが少ないともなるわけです。

牛丼チェーンの場合もまた、ワンオペで可能な範囲のお客さんであることを深夜帯は想定してるとも言えます。しかし、それでもなお、人を確保するのが難しい、それがゆえに、深夜料金を上げるという話になるわけです。

この辺りは、なんともギリギリなやり合いという印象も個人的にはありますね。

採算が怪しいから料金をあげて深夜も営業しますという話と極端に言えばなるわけですが、逆に言えばそこまでして深夜帯に営業する必要がありますか?ということでもあります。

まぁ実際のところ、チェーン店でも深夜帯まで経営しているところとそうではないところがあります。それは、深夜でもお客さんが来るようなところであり、そのようなところというのはお水が近いなどという場所であることも少なくなく、バイトとしても積極的にやりたがる人が少ないケースもあるように思いますね。

そのあたりを踏まえた上で人材の確保とニーズに応えるためには料金の変動性が必要という結論になったのかというわけです。

よって、やはり深夜料金の導入を他も多く続くかといえば、やはり前述のように限定された業態においては、それをするの方が好ましいと思われるケースに限られてということかと思います。

採算が合わないならそもそも深夜帯する必要はないからです。

この辺り、かつて徹底的に効率化する中で、それこそ券売機などで人件費を削減するなどされてきた手段が、IT化、デジタル化の中で新たなステップに入ってきたようにも感じますね。より柔軟に、段階的な対応、判断をしていく必要が出てくるステップになったというわけです。