宮城野部屋閉鎖へ | 米の心

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部屋内での暴力が問題となっった宮城野部屋ですが、当面の間閉鎖することになったようです。

元横綱白鵬の宮城野親方や所属力士全員は、伊勢ケ浜部屋に転籍となるとのことです。

期間は設けないものの、場所ごとに協会と一門で状況を確認するなど閉鎖解除の可能性もあるようです。

当初は師匠と弟子を別の部屋に転籍させる案もあったようですが、協会が却下、転籍先もいくつか候補があった中で最終的に伊勢ケ浜部屋に決まったようです。伊勢ケ浜部屋は2横綱を排出しており、その技量が買われたとのこと。

宮城野部屋は青田買い的に優秀な力士をリクルートしていたところがあるので、そういった素質ある力士をきちんと育成できる部屋を模索したということなのかなと思います。また、宮城野部屋は相撲界の中でも人数の多いところでしたので、それをきちんと受け入れることができるところとなると限られたのかもしれません。

伊勢ケ浜部屋はもともと20人力士が所属する大部屋であり、そこに宮城野部屋の約20名が加わるということになるので角界一の大部屋になるようですね。

宮城野親方も転籍になったというのは、やはり彼の影響力の高さゆえに度外視できないところはあったのかなと思います。

宮城野親方が引退したのが、21年の9月場所で、2年半くらい前になるでしょうか?

白鵬が入幕したのが04年であり、07年に横綱になっています。その白鴎の前に横綱として活躍していたのが朝青龍であり、朝青龍は10年に引退しています。

白鵬はその後、日馬富士など他の横綱も出てきました、10年以上の間相撲界の中心であり続けました。

白鵬の相撲は特に後年のおいてはやりすぎ、やり方が汚いなどと批判されることも多かったですが、それでもなお横綱白鵬の強さというのは際立っています。

新入幕で尊富士が優勝したことで先場所は話題になりましたが、先場所は照ノ富士が途中から休場となっています。正直なところ近年横綱を破っての優勝というケースは非常に少ない印象があります。日本人力士の優勝は何度かありましたが、白鵬であったり、照ノ富士であったりが休場した時に優勝しているといった形で、その後ずっと勝ち続ける力士というのは多くはないように思います。

このことの意味というのは非常に大きいかと思います。

なぜならば相撲を志す子が見ているのは、ほぼ白鵬の活躍時代のみということになるからです。ゆえに、白鵬というのは若い世代にとってはより偉大な存在であるともなります。

それより前に活躍した親方がたの現役時代を見たことがある人は少ないでしょうから、相撲マニアでもなければ白鵬というのが一番目先にある目標であり、強い横綱の象徴であるわけです。

そう考えると、白鵬、宮城野親方の存在、態度を苦々しく思っている人たちは角界にいるかと思いますが、一方でそのブランド、影響力というところを踏まえると追放するということが難しいというのも事実かと思います。

だからこそ、宮城野親方と一緒に転籍という形で部屋を残すことを選択したわけです。

ちなみに新入幕優勝となった尊富士は、この宮城野部屋の転籍先の伊勢ヶ濱部屋の力士となりますが、受け入れる側としてはなかなか難しい問題もあるかもしれません。

そもそも暴力沙汰があった人たちを果たして受け入れたいかというとなかなか頷くのは難しいでしょう。問題児を受け入れるのはリスクがありますし、前述のように宮城野親方自身非常に影響力のある人ですから、その扱いをどうするかということも簡単ではありません。

今まで部屋としてまとまっていたところに、部外者が入ってくるわけですから、余計それをまとめ上げるというのは簡単ではないでしょう。

部屋ごとの慣習なども違うでしょうから、受け入れてもらう側も、受け入れる側もスムーズにいくかというと難しさがあるように思いますね。

親方ごとですから、余計その辺り自分たちは自分たちのやり方でともなりかねないわけです。

人間関係も複雑になるでしょう。

この辺り、転籍ということで宮城野部屋の閉鎖となったわけですが、その影響は出てきそうですね。

だからこそ、当面閉鎖という落としどころになったのかと思います。

白鵬の影響力がより少なくなり、部屋としてまとまるのであれば、当面ではなく、そのまま閉鎖という形に進めることも可能であり、一方で、部屋として機能が難しくなるのであれば、タイミングを見て閉鎖の解除という選択肢もできるようにしたのではないでしょうか?

果たしてその辺り含めてどういう形で落ち着くのか気になるところです。