第96回選抜高校野球大会 大会6日目 | 米の心

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今年はこの時期に雨が多い印象ですね。関東でもぐずついた天気となっていますが、関西では土日と雨による順延となり、大会6日目は25日の月曜日に行われることになりました。この雨予報というのは、今週も数日入っており、ちょっと大会日程の消化をどうするかという点が心配ですね。すでに2日間順延となったために、現在29以外全ての日に試合が予定されている状況となっています。これ以上雨天が続くようであると、ある程度の強行日程も必要になるかもしれません。

その意味で言えば、非常に難しいスケジュールとなってしまったのが、この日の第1試合の日本航空石川と常総学院の勝者とでもなるでしょうか?次の日曜日に決勝となりますから、もし順調に勝ち進んだ場合5試合を1週間以内にという過密日程になり、実質上一人の投手だけでどうにかするのが難しい日程となっています。

そのほかのチームにしても、第2回戦が25日からとのことですので、2回戦、準々決勝、準決勝、決勝の4試合を1週間以内にするということが確定的となり、投手起用をどうするかというのは一つ大きな鍵になってきそうです。

大会の開始自身は例年通りくらいなのですが、やはり今年の3月は天気が優れない日が多いということの影響が出てしまっているようですね。宿泊先や新学期などのことを考えると、後ろにずらすということが非常に難しい中で、個人的にはそもそももう少し早くに開催をし、ゆとりがあるようにすればいいのではという気もしますが、日程が長くなればなるほど学校側、選手側への負担は大きくなりますし、その意味で言えばやはり甲子園という一つの場所でというところが全てを難しくしている理由であるようにも思います。

さて、ではそんな6日目の第1試合は、1回戦最後の組み合わせとなる、日本航空石川と常総学院の試合となりました。どちらももう甲子園では常連といった感じがしますね。石川については、能登半島地震もあった中で頑張って欲しいところではありますが、応援団が駆けつけるのが難しいということで、近江の応援団が代わりに応援をすることになったようです。

その第1試合の勝者となったのは、名門常総学院。今大会でも非常にしまったロースコアな好ゲームとなったのではないでしょうか?両チームヒットが5本ずつと好投が光りました。

両チームを分けたのが何か、となると、ヒットがない分にどうやってチャンスで得点につなげたか、あるいは、どうやって出塁したかといった点かと思います。

常総学院については、ヒットは5本しかありませんでしたが、よく四球を選びランナーを出すということに成功していました。この試合6つ四球を選んでおり、実は三者凡退で終えた回は2回のみであり、そのほかの回は全て出塁に成功しています。得点に至った6期にしろ、この回はノーヒット、犠打と犠飛での得点であり、四球で出塁した選手がボークで進塁したチャンスを生かした得点だったと言えます。

打てないなりにもどうチャンスを広げるか、作るのか、そういうことがきちんとできている名門らしい試合運びだったように思います。

またその中で常総学院の小林投手の好投も光りました。ヒットわずかに5本に抑えた点も見事ですが、与えた四球はわずかに2で奪三振9と日本航空石川打線は好きにすることができませんでした。奪三振9で119球で完封でまとめあげたという点も見事ですね。ピンチを背負うシーンもこの試合3回ほどありましたが、いずれも失点しなかった投球は見事だと思います。

今週末の日曜日が決勝であるということを考えると、本来であれば小林くんをどこかで休ませるということも考えたいところだったかと思いますが、その点については今日の小林くんの出来と試合展開が許さなかった印象を受けますね。この辺り常総学院がもし勝ち進むとするならば、これほどの投手なだけにいつどこで休ませるかというのもポイントかと思います。

日本航空石川はチャンスを作ることはできていたもののそれを得点につなげることができなかったのが痛かったですね。また、失点となったシーンは、出塁した後のボークでの進塁があり勿体無かったシーンだと思います。6四球与えるなど、しまった試合の中でどこまでツメた試合ができるのか、その差がちょっと出てしまったのかなという印象を受けました。

ただ、被災地であり、なかなか練習が満足にできない、精神的にも厳しいところがあったかと思いますが、その中でのこの試合は素晴ら叱ったと思います。

この日第2試合は、秋の覇者星稜と八戸学院光星との試合となりました。こちらも、どちらのチームも甲子園でおなじみといった感じがしますね。

この試合もまた、名門チーム同士の試合ということで、非常に白熱した好ゲームとなりました。

両チームの先発は結果完投となりましたが、接戦の試合展開の中で替えるタイミングがなかったのかなと思います。洗平くんは、序盤2失点するもののその後は立ち直りましたし、佐宗くんも粘り強いピッチングをしており、替えるのが難しかったと思います。その中で、投球数がかさんだことを今後どうリレーしていくのかはやはり焦点になりそうです。

この試合は両チームヒット7本ですが、そのうちで長打は1本のみ、やはり、きちんと芯に当たれば飛ぶものの芯でとられるのが難しいというところが出ているようです。

ヒット出ない、出ても単打ということで、連打を多少しても得点に結びつかない、長打の確率は低いので守備も積極的に前に出れる、結果得点になかなか結びつかないという今大会の携行が見ててとれる試合だったのではないでしょうか?

ちなみに、外野の守備も前進傾向がこの大会はありますが、それがゆえに芯に当たった場合の長打への対応というのができておらず、結果三塁打などが例年より多い印象が個人的にはあったりします。

さて、この試合勝利したのは星稜ですが、勝敗を分けたのは、5回のマウンド整理の後の回である6回の攻防だったように思います。

高校野球はしばしば、この6回でそれまでの流れというのが変わることがあります。負けていても、マウンド整理の間で心機一転できますし、チームとしてどうするかという対策についてチームとして共有し、方向性を修正することができるからです。よって6回というのは一つ甲子園ではキーとなる回であり、その6回の攻防というところが結果として勝敗を分けたといってもいいのではないでしょうか?

先制されたものの追いついた八戸学院光星は洗平くんが建て直ってきたのもあり、いい流れで6回を迎えることができていました。その6回1アウトの後絶妙なセーフティーで内野安打で出塁し、その後送りバントでランナーを進めることに成功するも、7番三上くんがチャンスを生かしきれず、アウトとなりチェンジ。

一方ピンチを守り切った星稜は先頭打者の服部くんの出塁を送りバントで進めた後、8番の中島くんがレフトへタイムリーを打ち勝ち越しに成功しました。

個人的には、この6回の攻防については、どのバッターが出塁したのか、その時のカウントは、打線はどうつながっていくのかというところの差が出たのかなと思います。

八戸学院光星については、セーフティーで出塁した佐藤くんは5番バッターでした。その前の山本くんはアウトとなっており、1アウト1塁という場面になっています。この時星稜バッテリーはランナーの佐藤くんを非常に警戒しており、度々牽制をしています。

個人的にはこの牽制をし、盗塁を許さなかったというのは大きなポイントだと思っています。

今までより飛ばないバットとされるバットで正直なところ2アウト2塁で下位打線というのはそこまで怖くないんです。下位ならば外野も思い切って前進させることができますし、そうすればたとえ外野にボールが飛んでもホームは難しくなります。となると、2本ヒット性のあたりが続かなければ得点は厳しいという話になります。よって、本来であれば、足のある佐藤くんが盗塁をして、1アウト2塁というチャンスを作りたかったはずです。

しかし、執拗な牽制の中で、盗塁が難しく結果、送りバントを選択となりました。しかし、送りバントでの2アウト2塁は先ほども記述したように今大会ではそれほどのプレッシャーをかけられるシーンとは言い難いところがあります。

個人的にはそうであるならば、このシーンは送りバントの選択をしなかった方がいいと思います。そもそもセイバーメトリクス的には送りバントというのは効果的ではないと言われています。1つのアウトというのはそれだけ貴重であり、みすみすアウトをあげるのは効率的ではないからです。

住本くんは前の打席でヒットを打っていますし、それを考えるとバッティングさせた方が面白かったのではないかと思います。もし、バッティングをさせてヒットでチャンスが広がれば1アウトで得点圏にランナーとなり、2アウトの間に1点取りに行くということができますし、仮にアウトになった場合は足のある佐藤くんに盗塁をしかけさせ、2アウト2塁を狙うということもできるからです。その意味で言えば、ここでの送りバントは選択肢を狭めるものだったと感じます。

一方の星稜については同じく下位打線に繋がる打線ですが、ノーアウトからの出塁でした。ノーアウトからの出塁であれば、例え送りバントをしても、2回チャンスがあるということになります。下位打線でも2回チャンスがあるか1回なのかその差は大きかったように思います。

そこから下位打線という点からすると、連打は期待できないという点では送りバントはこちらの展開だと当然の選択肢になったというわけです。同じく送りバントをした両校ですが、それが与える意味というのは全く違うものであり、それが6回という重要な回での選択として大きく影響を与えたように感じます。

両チームレベルの高いチームですが、最後勝敗を分けたのはそこの采配、監督の判断のによるものも大きかったように思いますね。

この日の第3試合は、熊本国府と阿南光の試合となりました。阿南光は32年ぶりの出場となったこの大会で初戦、愛知の豊川と試合をし、4-11で勝利を納めています。

この試合勝利したのは、阿南光。最近また、四国勢が少しずつ勢いを戻してきている印象がありますね。高松商業がここ数年強かったりしていましたが野球熱の熱い地域なのでここが活躍してくれると盛り上がりを感じます。

この試合両チーム5安打とヒットが多く出た試合ではありませんでしたが、阿南光の要所における長打が光りましたね。熊本国府については、初回のエラーによる失点もロースコアゲームの展開からすると状況を厳しくしたかもしれません。

初回阿南光はタイムリー3ベースで先制しますが、上述した通り、割と今大会は3ベースが多い大会な印象を受けます。外野が例年より前目に守備をすることが多いからか、抜けると以前なら2塁のところが3塁までいけてるといった印象です。この初回の3ベースしても従来なら飛んだコースからすれば2ベース止まりになってもおかしくない当たりですがライトが前目であったこともあり、3ベースとなりました。

3ベースになったことによりこの回3塁にランナーがいる形で試合が進むことになり、それが結果投手の落球の間に追加点を取られるという形につながったとも言えます。

今大会低反発バットの導入により様々なチームが対策をしてきましたが、それが裏目に出たということがよく現れた1回の攻防だったのではないでしょうか?

ちなみに阿南光は1回戦の乱打戦を制したチームであり、打撃力のあるチームですから、その意味では、外野のポジションというのは少し判断を間違える采配だったのではないかなと思います。そこから打線が中軸といったところからすると、ポジションはもう少し後ろで良かったように思います。

熊本国府については、阿南光の吉岡くん相手に苦労をした印象がありますね。5つのヒットはいずれも単打であり、四死球なし、14奪三振でまとめあげられました。四死球による出塁もなく、単打で、三振の山を築き上げられるとちょっと手の打ちようがないですね。ほぼ毎回の奪三振で、120球でまとめあげた吉川くんが素晴らしかったとしか言いようがありません。

ただ、今日はいずれの試合も勝利チームの投手が完投するということになりました。この点やはり、今後3回戦以降どうなっていくのかという点では気になりますね。

四国勢は割とエースと心中するタイプのチーム作りをすることも多いですから、この辺り阿南光も次戦の星稜との試合、どういう選択をするのか注目です。

大会も中盤に差し掛かり第2回戦となっていますが、引き続き好ゲームを期待したいですし、できればこれ以上雨の影響がなくあって欲しいところですね。