第96回選抜高校野球大会 大会4日目 | 米の心

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春のセンバツ甲子園、連日の熱戦となっていますね。今大会から導入された飛ばないバットの影響がどう出るかというところが注目される中で行われた大会1日目については、1試合目から延長タイブレークとなり、いずれも接戦のゲームとなりました。

長打も少なくその流れが続くのかと思っていたところ、そのあとの試合については、思ったほどの投手戦という流れにはなりませんでした。

もちろん、本塁打がほぼ出ておりませんし、長打も減っているというのは確かなんですが、得点という意味ではよく点は入っていますね。

ここまで零封で終えた試合は、3試合のみ、その中で1-0のロースコアとなったのは大会2日目の敦賀気比と明豊の試合のみとなっています。

そのほかの試合はといえば大会1日目の熊本国府と近江の試合こそ2-1のロースコアとなっていますが、そのほかの試合はいずれも4点以上点を取るという試合となってます。

1日目の関東第一の監督が試合後に、飛ばないバットに私たちはもう慣れているというコメントをしていました。実際、長打が減ったのは事実かもしれませんが、そういう野球であるということに選手や監督が慣れていて、その中でプレーをしているというわけです。

実際、チャンスなどで長打を狙うのではなく、どうにか出塁してやろう、バットをつなごうとするバッティングなども多かったように思います。

さて、昨日行われた大会4日目の試合について。

この日は高知対広陵や青森山田と京都交際の試合などなかなかの好カードが揃っているように思いますね。

第1試合は、東海大福岡と宇治山田商業との試合となりました。

接戦となったこの試合ですが、両チームの方針には大きな違いがあったように感じました。

宇治山田商業が細かな継投をしていったのに対して、東海大福岡はエースの佐藤投手に最後まで投げさせました。

どちらが良かったのかというのは難しいところですが、序盤から失点していたエースの代わりに誰が投げるのかといった選択肢がなかったのは厳しかったように思います。

4回までで4失点していましたので、替えるというのは選択肢にあってもよかったのかなという気がしますね。

一方継投で勝負に出た宇治山田商業は2番手の田中くんが3失点したのは痛かったですが、中村くんがその後をきちんと押さえたというのは大きかったように思います。

6回に追加点を取った後、エースナンバーが7回まで投げきり、その後中村くんが抑える流れを作ったことによって、東海大福岡は終盤にチャンスを作りきれなかったように思います。

この辺りは、投手の采配というところが勝敗に影響を与えたところもあったのではないでしょうか?

第2試合は、今大会の注目カードの一つである広陵と高知との試合となりました。

どちらも名門なだけあってチームがしっかり仕上がっており、その中での投手戦となりましたね。

まずは何と言っても、広陵のエース高尾くんは素晴らしい投球でした。

昨年から素晴らしい投球を見せていた高尾くんですが、要所で三振を取り、ゲームを支配することに成功していたと思います。

9回投げ切って117球、11三振、2四死球は立派ですね。

三振が11もあるにも関わらず、四死球をほぼ与えない投球でゲームメイクしたため、9回投げ切っても117球しか投げてないというのは圧巻だと思います。

9回投げきるとどうしても、120や130を超えるということも多くなり、そうなってくると球数制限のある甲子園では後々重要な試合で十分にエースとしての役割を果たすことができないということにもなりかねません。

そこを三振を取りながらも、少ない球数でまとめあげるというのは高尾くんの素晴らしさだと思います。

チームとしても、初回に得点し、3回に追加点、9回にダメ出しの点を入れるなどといった形で名門高知相手にしっかりとチームとして機能していたところも見せてくれました。

少ないチャンスをきちんとものにしているといったという点も良かったのではないでしょうか?

高知に関しては、やはり高尾くんの攻略がなかなかできなかったということに尽きるかと思います。

その中でロースコアが想定される中、序盤に失点をしてしまった点が痛かったですね。

もし8回に点を取った時まで失点をしていなかったら、あるいは一点差くらいであれば、別の展開、広陵へもプレッシャーをかけることができたかと思いますが、序盤に好投手相手に失点をしたという点がゲームメイクを難しくしてしまいました。

勿体無かったのは、やはり3回でしょうか?

1アウト1、3塁のチャンスあそこを併殺打で終えてしまったというのが非常に痛かったです。あそこで一点でもとれていれば、その一点が後々効いてきたかと思いますし、そこを押さえた高尾くんはさすがといったところですが、そこで大きく勝敗が動いたのかなと思います。

ただ、広陵は序盤から点を取り、ピンチも守りきるという中で自分たちのゲームをしていた中で、高知は突き放されず最後まで広陵を苦しめたというのはさすがだと思いますね。第1回戦の試合にするには勿体無い素晴らしい試合だったと思います。

第3試合は、京都国際と青森山田の試合となりました。

最近東北勢は力をつけてきており、その中でも東北の名門青森山田と、近年京都のチームとして中心的になりつつある存在の京都国際との試合となりました。

さて、その青森山田ですが、木製のバットでこの試合望んだ選手がいたというのは面白い点ですね。

今年から飛ばないバットになった高校野球ですが、しなる感覚があり、重さの制限もない木製のバットを検討する選手というのは他にもいたようです。

今回木製バットを使用した対馬くんは明治神宮大会終了後から、木製バットでの練習をしていたとのこと。低反発バットで感覚に合うものがなかった中で、木製の方がフィットし、大学など木製で幅が広がるからとのこと。今大会のためにバットを10本用意したとのことです。

まぁ、実際のところ、その後の進路などを考えると確かに木製バットを使うことのメリットというのは大きいかと思います。

ただ、なぜ金属バットが主流になったのかという話は当然経済的な話があるからです。木製バットを甲子園のために10本用意するというのはどのご家庭でもできるという話ではありません。選択肢としてそれができる環境にある人であれば使えばいいというのが正直なところかなと思います。

ご家庭のバックアップがどれだけあるのかという話にもなるので、一概にそれがいいという話ではないですが、今後も木製バットをというのは当然の選択肢になりうる話なのかなと思います。

その対馬くんですがこの試合は残念ながらヒットは出なかったようですが、勝利したのは青森山田、8回追いつかれるも、サヨナラ勝利となりました。

この試合を分けたのも個人的には継投なのかなと思います。

8回追いつかれるもののそこまでエースに投げきってもらい、9回を桜田くんへと継投した青森山田、それに対して9回まで中崎くんにマウンドを託した京都国際その違いが出たのではないでしょうか。

球数的に言えば中崎くんは120球に至ってはなかったですが、それまで3失点していたことを考えると交代のタイミングというのは考えてもよかったように思いますね。

初回に連打で2失点した後は立て直したのはさすがですが、それでも、5回に追加点を取られ、7回にも出塁されており、徐々に初回以降打ててなかった青森山田も捉え始めていた印象があります。

その中で9回マウンドを託した段階で、投手を交代するタイミングは非常に難しいものになっていたように思いますね。投手の交代は流れを変えることがしばしばありますが、替えないでもまた流れを変えることがあります。

智弁和歌山の名将だった高嶋さんは、投手の交代については積極的にした方がいいということも以前に言っていたように思いますが、この辺りの差が出たのかなと思います。

特に今大会は投手有利ともいわれる大会なだけに、飛ぶバットではなかなか起用がしにくい軟投派の投手なども出番が期待されやすい話だっただけに、エースに全てを託すというのは必ずしも正解ではないように思いますね。

続く大会5日目もまた、甲子園常連の、神村学園、作新学院、大阪桐蔭、北海、愛工大名電、報徳学園と錚々たる顔ぶれとなっていますが、それだけに好ゲームを期待したいですね。