オフピーク定期券値下げへ | 米の心

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JR東日本がオフピーク定期券について現行の約10%の値下げから15%に拡大するとの発表をしました。昨年の3月に導入したものの利用が伸び悩むのが理由のようです。

JRからすれば正直なところ、行って帰ってきてくれるわけですから、それならば分散してもらった方がより運用面でのメリットがあるというのが背景にはあるのかなと思います。

オフピーク定期券は、駅ごとに指定された混雑時間帯(90m)は定期として利用できない一方でその分安く利用できるというもの。導入後1年で通勤定期券の17%がオフピークに切り替わると想定していたが、8.3%にとどまっているとのことです。

この辺りについては正直言えば、周知がというよりは、定期を使う人の使い方をベースに考えると簡単には変わらないのはわかる気がします。

例えば、学生などに置いてはオフピーク定期というのは非常に使いづらいものがあります。そもそも始業時間が決まっている中で、朝練などをする人であれば別ですが、そうではない場合は家を出る時間は決まってくる中でコントロールできるところは限定的です。大学などになれば取る単元によりけりですが、それでもきちんと大学に行くことを考えると、ピーク時間帯に行く必要性も週何回かあるとすると、使いづらいとなります。

一般の企業はというと、そもそもこちらも時間帯が決まっている企業においてはオフピークを利用しようにも利用できないという環境にあります。

では、時間帯がある程度フレックスに対応できる企業であればどうでしょうか?

フレックスであってもコアタイムがあるケースがほとんどですし、フレックスだからといって、毎回ピーク時間を避けての出社ができるかといえばそうではありません。手持ちの仕事次第では柔軟に出社時間に対応する必要があり、またそこを対応できるのがフレックスの魅力であるとも言えます。

その中で、企業側からオフピーク定期を利用することを従業員に強制することは基本的には難しいかと思います。

出社時間に柔軟性があるにも関わらず、定期がそれに対応していないケースが発生するということになるからです。

その場合、定期期間を正式な交通機関を利用したにも関わらず、自腹となってしまいますから、それを避けるために従業員はイチイチオフピークではなかったことを理由とした申請をする必要が出てきます。

また、これは企業からすると、果たしてその申請が正しいものであるかどうかというのを判断するのは少なくとも簡単にできる話でもないと言えます。

出社時間から逆算である程度ピーク時間帯に使ったであろうかということは想定できるかもしれませんが、どの駅がどの時間帯がピーク時間帯であるかを把握する必要があり、また、電車の遅延などが発生すればその逆算も難しくなります。そもそも、従業員がコスい考え方をすれば、オフピークの時間帯に移動し、ピーク時間帯だったということで交通費を請求するというトラブルも発生する可能性があります。

ピーク時間帯の設定が90分ですから、家の場所によっては、ちょっと時間を潰せばオフピーク定期活用で移動し、交通費を請求するということができなくはないでしょう。

ICの履歴を見ればわかるかもしれませんが、そのようなプライベートなチェックまで会社がするのかというと難しいでしょうし、また切符を購入したと言われると証明しようがありません。

オフピーク定期はその意味では定期として欠陥になる時間帯があるがゆえに、企業側からすると導入しづらさというのがあるというわけです。

そして、このオフピーク定期を導入したのが昨年の3月です。

このタイミングというのもまた、普及につながらない理由の一つかと思います。

昨年の5月にコロナは5類となりました。そのタイミングというのは、コロナ前の社会に戻りつつある転換点の一つだったとも言えます。

一方で、コロナ前の社会に完全に戻れるかといえばそうではありません。

コロナの中で、企業はリモートワークを導入し、そして電車などの満員を避けるために、以前はフレックスを導入していないところも導入するようになりました。

リモートに関しては、徐々に出社ベースになっていっているところなどもあるかもしれませんが、一度導入したところで完全出社としているところというのも原的的かと思います。週に3回はリモートでいいとか、週1のリモートは認めるなどとそういったところは割とあるのかかと思います。

それに加えてフレックスの導入などもある中で、では、オフピーク定期を利用する働き方に本当にマッチする人がどれほどいるのかという話になるわけです。

ある程度リモートを認められる働き方をしている人、企業からすれば、オフピーク定期以前に定期という考え方が適用されません。

逆に、リモートも認められず、始業が決まっているところは、オフピーク定期を当然利用しません。

そうなると、リモートが週1程度で、フレックスを導入しているところでもし、希望者いるのであればオフピーク定期の利用を会社としては認めますよと結局はその辺りが落とし所になるのかなと思うわけです。

では、利用者からすればどうでしょうか?利用者はオフピーク定期を利用することのメリットはありません。原則として社会人として企業に勤めていることを前提にした場合、交通費は会社が持ってくれることが多いですから、オフピーク定期というわざわざ定期として使えない時間帯がある定期を利用するメリットがないからです。

学生は前述のようにコストを抑えたいという意味ではオフピーク定期は利用したいところですが、授業の関係上オフピークの方が使いやすいケースというのは限られます。

となると、使えるのはどういう人になるでしょうか?社会人の中でも、そもそもピーク時間帯に移動していない人たちであれば、オフピーク定期を企業側が原則するというケースはあるかもしれません。

例えば、飲食店で働いているケースなどはそれに当てはまるでしょうか?出社時間などが他の社会人とずれていることが前提であるからです。バイトの場合は毎日のように入っていないと定期にするメリットがないのでフリーターでオフピーク定期の対象となる人は原的的になります。

となると、やはり業界的にそもそもピーク時間帯に移動しないことがある程度前提のところで働いている人たちの企業が導入を検討するという話になり、そこについては元々ピーク時間帯に動いていないわけですし、導入してもらうことは定期より値引きが高い分売上が安くなることには繋がっても、認知されることでのメリットは低いと考えられます。

その辺りを考えると、果たしてオフピーク定期、値下げをしたというのは企業からすると魅力的なところもありますが、現実として使えるかというところとのマッチングは難しいのではないかという気もしますね。