衝撃的な報道があった人的補償ですが、思わぬ着地ともなりました。FAでソフトバンク入りが決定した山川穂高選手の人的補償として、西武は当初和田毅選手を獲得することに決めたとの報道がありましたが、それが事実なのかどうなのか、決着点は甲斐野選手となりました。
当初のニュースが誤報だった可能性もありますが、それがものすごい騒ぎになったのは事実ですね。
西武からすれば、そもそもそこまで山川選手の引き留めについては積極的ではなかったような印象があります。そもそも女性問題で昨シーズンをフイにした山川選手に対して球団イメージもある中で高い設定金額というのは示すことはしなかったでしょうし、本来であれば山川選手はFAの取得すら難しかった話です。そこをなぜ取れたのか、それは西武側が故障者入りをを理由にして、FA取得日数を認めさせたからです。その動きが西武が分からなければ山川選手はFAを取得できず、そのことは、西武側としてチームへの残留を希望していないということを示している行為であったとも言えます。
そして、山川選手が出ていくというのはチームにとってすればそれだけのサラリー的な余裕が発生するということになります。つまり、高いサラリーの選手も指名できると言うわけです。
人的補償でどのような選手を獲得しに動くのか、それは、様々な理由があってのことですが、Aクラスとされるような選手がFAで移動するケースの場合、チームとしてはそれだけの年俸を他に回すことができるという点は大きいと言えます。
西武は若く勢いのある投手が多くいるチームですが、一方で、投手として経験豊富でチームを引っ張っていってくれる選手は誰かとなると、ちょっとすぐには名前が出てきません。
その意味でも経験豊富であり、40を超えてもまだまだ第一線で活躍する和田選手というのは非常に目の付け所として面白く、また、実質トレードとも言われてもおかしくないところだったと思います。
和田選手は契約更改の場でSBと若手のありように対して少し苦言めいた発言もありました。それは、チームを思ってのことであり、そういう発言ができる選手というのは非常にありがたい存在であると感じています。だからこそ、和田選手という名前が出たときはSNSのトレンドに上がるほどの反応があったと言えます。
実際、和田選手はプロテクトから外れていたとのことです。
SBは人材の宝庫の方に言われますが、実際年を通して活躍する選手はベテランばかりです。実際昨年ローテを守った先発も和田選手の他に誰がいたでしょうかといったレベルですね。そして、チームの精神的柱で影響力のある人間であり、それを踏まえて考えると年齢を理由にプロテクトから外すというのはありえないんですよね。年齢が理由にになるほど、成績などを落としているわけでもなんでもありませんから。
ということは、SBはプロテクトしなくていいという判断をしたということにどうであれなるということになります。
そして、その和田選手を西武が打診し、その後のファンの反応などもあるなかで、再協議され、急遽甲斐野選手になったと言う事なのかなと思います。
そして、私としてはそういう判断に至ったSBというチームの状況というのは非常に良くないものになっている気がしますね。そもそも和田選手というチームのレジェンドをプロテクトから外しているということそのものが問題があると言う話だといえます。
その上、チームは結果が出ず、外から来た選手ばかりにサラリーを出すというチームに徐々になってきています。
SBは以前も、外から選手を高額で引き入れるということで、チーム内での不満が溜まっていた時期がありました。和田選手が若かりし頃活躍した時期であり、確か杉内選手などはそのことにかなり不満を持っていたように覚えています。
その後、SBは自前で選手を育てる時代が来て、外から選手を取らずとも強い時代大築き上げ、12球団一ともいわれる10年代に突入していったわけですが、世代交代ができず、なかなか結果が出ないという中でで、以前のSBらしさというのがある意味では出てきていまっているように思います。
そういうのが出てくるというのは本来的には望ましいものとは言えないように思います。金払いはいい球団だけどそれ以外はどうなのか、少しその辺が、あまりにも結果を求めるがために悪い流れに入ってきていますね。
孫さんは口を出さずに金を出す、三木谷さんは金は出すけど口も出すみたいなかんじで言われていた時代もありました。
たしかに、孫さんは口出しはしないかもしれませんが、結句を厳しく求めるというのは確かなところですし、結果が出なくなってきた中では、結局は似たような流れの悪いさというのが見られている気がしますね。
どうであれ、和田選手という話はあったものの甲斐野選手を指名できたというのは西武にとってはこれも大きなメリットのある選択です。
正直なところで先発が揃っている西武からすれば先発の数は足りていないというわけではありませんでした。単純にチームの厚みを着けるというのであれば中継ぎというのは最適解でしょう。野手が出たのだから野手をと言う意見もあるかもしれませんが、若手野手がものになるかは計算しづらく、わざわざ指名するほどのプロテクト外れのベテラン野手もいないでしょう。
それならば若く実績もあり、中継ぎとして活躍を見込める甲斐野選手は補強としてはいい着眼点だと言えます。
いずれにしても、今回のFAの流れは山川選手取得からずっとSB側に影を落とす様なものであった様に思いますが、果たしてどうなるのか、興味のあるところです。