訃報アドマイヤジュピタ | 米の心

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天皇賞・春を優勝するなどで現役時代活躍したアドマイヤジュピタがなくなったとのことです。20歳。

アドマイヤジュピタは2003年生まれであり、同世代はメイショウサムソンやカワカミプリンセス、アドマイヤムーンなどになります。この世代の一つ上がディープインパクトの世代であり、その上が、キングカメハメハの世代ですね。ディープインパクトやキングカメハメハ種牡馬としても大変活躍しましたが、ディープの現役時代は社会現象になるほどに人気ぶりであり、競馬人気の低迷に貢献した馬でした。

その意味で言えば、ディープの現役を見ていた人は、その下の世代というところも割と見ていた世代は多く、アドマイヤジュピタなどの存在も懐かしく想う人は結構いるかもしれません。

最近は名馬の訃報のニュースが毎年のように流れてきますが、アドマイヤジュピタが20でなくなったというのはちょっとなんだか早いなという気もしますね。

ディープインパクトやキングカメハメハは種牡馬として活躍した一方20にならずになくなっているので、その当時ももうなくなったのかという思いがありました。最近ではドゥラメンテなどが夭折していますね。

牡馬が早く亡くなる理由として、しばしば指摘されている点の一つに、種付のしすぎというのが言われています。実際、昔の名馬というのは今ほどに種付が年間何百もやるなんてことはなかったですし、最強馬でしばしば名前が出てくるシンドリルドルフなどは30くらいまで生きています。昔の名馬で言えばシンザンなども35歳でなくなっており、20代の前半だと早いな、30代で往生したなというイメージが私の中にはあったりします。

ところが最近は30まで生きたという話を聞くことはなくなってきている気がしますね。

ちなみにキングカメハメハは18歳でなくなっていますが、父のキングマンボは26歳、その父のミスタープロスペクターは29歳であり、ディープインパクトは17歳、その父であるサンデーサイレンスは16歳で没となっています。

日本ではサンデーサイレンスが血を変えたと言っていいほどの活躍をしていましたので、確かに種牡馬として頑張りすぎた影響というのがあるのかもしれません。

ただ、今回なくなったアドマイヤジュピタについては、実は種牡馬としての実績はほとんどありません。

アドマイヤジュピタは1世代だけしか種牡馬としての活躍をしておらず、その1世代の樹脂率が高くないのもあって、引退となりました。アドマイヤジュピタは父フレンチデピュティ、母父リアルシャダイという血統背景からすると当時サンデー系とミスプロ系が中心的であったことを考慮すると人気の中心になったとは思えず、種付料そのものも絶対数はそれほど多くなかったのではないかと思います。

一概にもちろん種付が寿命に影響しているわけではなく、アドマイヤジュピタがそれほど長く生きられなかっただけなのかもしれませんが、少し20というのは平均寿命からしてなくなっておかしい年齢ではないにせよ、少し早いなという気もします。

ちなみにアドマイヤジュピタの父であるフレンチデピュティについては種牡馬としての活動はほぼ引退状態ですが、社台スタリオンステーションで余生を過ごしており、現在33歳となっています。

寿命が短くなったなという印象になるのが、90年代、特に後半以降になってから、その傾向が強い気がします。

種付が多ければ、という相関性を考える話というのはよく聞きますが、短命な傾向を感じるところにはどこか他の要因ももしかしたらあるのかもしれませんね。

現役時代派手さはなかったものの堅実な走りを見せることが多かったアドマイヤジュピタ。ご冥福をお祈りいたします。