パンサラッサ引退、種牡馬入りへ | 米の心

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JCで大逃げをし舞台を盛り上げてくれたパンサラッサが引退を発表しました。今後はアロースタッドで種牡馬となるようです。パンサラッサについてはもともと年内までという考えがあったそうです。となると、JCの後の古馬G1は日本だと有馬記念、海外だと香港があるくらいです。香港の場合は香港カップなどはJCより距離的にも問題がないかもしれませんが、JCからの日程がキツすぎであり、有馬記念は2500とJC以上にパンサラッサにとっては厳しい距離になるといったところもあってJCが最後のレースとなったといった感じでしょうか。

パンサラッサは大逃げというスタイルのため印象に残る馬でしたが、結果が出るようになったのは古馬になってからですね。個人的には4歳の福島記念での大逃げが、すごく頭に残っており、その後海外G1を勝つまでに成長した時は嬉しかった馬ですね。

5歳の春にドバビターフを勝利し、6歳の冬にサウジCを勝利したことにより、パンサラッサは海外での芝ダートのG1どちらも勝利した初の日本の競走馬になります。まぁダートといっても日本のダートと海外のダートは別物ですので、ダート適性云々というのは一概には言えないかもしれませんが、世界最高賞金のサウジCを勝利したことによって一時期は獲得賞金総額でトップとなっていましたね。

パンサラッサは、引退後種牡馬入りすることが決定しているようですが、改めて考えると日本の競走馬で逃げを得意のスタイルとして種牡馬で活躍した馬ってあまり記憶にないんですよね。

現役時代は逃げのスタイルで印象深くG1で活躍した馬といえば、アイネスフウジンやミホノブルボン、タップダンスシチー、サニーブライアン、セイウンスカイとか結構色々いるんですけど、種牡馬として活躍した、後継種牡馬を産むことができた馬というのはちょっとすぐに名前が出てこないですね。

サイレンススズカなどがもし種牡馬入りまでできていたら、サンデーサイレンス産駒でしたし、ある程度人気になった可能性があったのであるいはありえたかもしれません。

まぁ、ある意味では逃げで強かった上で上がるような馬はどちらかと言えば血統としてもマイナーな傾向があるので相手に恵まれないというのはあったのかもしれません。ミホノブルボンなどはサンデーサイレンスやトニービンなどが入ってくる時代に被り飲み込まれてしまった感じがありますし、上で挙げた馬で言えばサニーブライアンがブライアンズタイムの仔ということで一時期フレッシュサイアーランキングで2位になるなどといった時期もありましたが、結局G1馬を排出することはかないませんでした。

改めてサンデーサイレンス産駒を見てみると、錚々たる名馬が多くいますが、逃げというスタイルでG1で結果を出したのは実はサイレンススズカくらいで、そのサイレンススズカはレース中の故障が原因で安楽死になっています。

キングカメハメハと2大時代を築いたディープインパクトの産駒をみるとこちらも逃げのスタイルでG1で活躍したのは思いつくのはエイシンヒカリくらいでしょうか?こちらは一応種牡馬入りしています。

日本の場合特にキレ味のある脚の馬は、ある程度控えたりすることで終盤そのキレ味を使える状態にする戦法を覚えさせることが多いというのが、この大種牡馬からでも逃げ馬のG1勝利馬そのものが少ない理由なのかもしれません。

個人的には大逃げにはやはりロマンを感じますので、その大逃げのスタイルをとったパンサラッサには、ぜひその血を次世代に残して欲しいなと思います。

では、そのパンサラッサの血統背景を見てみると、父ロードカナロア、母父モンジューとなっています。

ミスプロ系にサドラーズウェルズ系の組み合わせですね。モンジュー産駒はハリケーンランなど凱旋門などで勝利した馬もいますし、母父になってもパディントンなどが活躍しており、欧州の馬場との適性の高さを感じます。パンサラッサについては、遠征も結局中東だけになりましたが、欧州への遠征というのも少し見たかったですね。

実際陣営は、夏にサセックスSや英インターナッショナルSへの出走を考えていた時期もありましたが、繋靭帯炎を発症したことにより遠征は白紙になっています。

血統背景や距離適性的にどれだけ走るのかはぜひ知りたかったところですね。

ちなみに母母のイッチングはリュパンやイスパーン賞を勝利しているクロコルージュの半姉であり、そのイッチングとモンジューの仔がミスペンバリーですから母系統も日本ではメジャーではないにしろ、なかなか面白い血統だと思います。

キングカメハメハの後継種牡馬としてすでにその地位を確立しているロードカナロアですが、後継種牡馬として期待されている馬で言えば、超良血馬であるサートゥルナーリアとかになるでしょうか?こちらはロードカナロアに母シーザリオとまさに日本の競馬界らしい血統背景になっています。シーザリオ自身がサンデー系にサドラーズウェルズ系が入っている良血なんですよね。

ただ一方で、サートゥルナーリアはそれだけ人気であり、種付料も高い設定となっています。来季からの設定金額は800万ですね。

獲得賞金総額でいえば、サートゥルナーリアよりパンサラッサの方が高いですが、現役時代の長さ、活躍し出した時期、血統背景などからすれば、それほど高い設定金額にはならないのではないかと思われます。

一方で、人気のロードカナロア産駒であり、母父モンジューと欧州馬場への適合性を感じられる点、6歳と長く活躍できた点、芝ダートの海外G1を取っている点などは、種付料の設定次第では非常に魅力的に映る情報が多いように思います。

まぁ勝ち上がるまでが遅い馬というのは種牡馬としてなかなか人気にならないので、その辺り早くから仔の活躍があって欲しいですね。

とは言え、血統からすると、サートゥルナーリアやロードカナロアは高すぎて無理だけどといった生産者あたりにはある程度人気になる可能性もあるのではないかなと思います。

パンサラッサこれまで印象深いレースありがとうございました!種牡馬としての活躍期待したいです。