第166回 天皇賞 秋 回顧 | 米の心

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週末に行われた天皇賞秋について。

結果からすればイクイノックスのずば抜けた強さというのが目立ったレースだった様に思います。ドウデュースを対抗とする人もいたようですが、実際のところ単勝が1.3倍というところからしても圧倒的な信頼感があり、イクイノックスを打ち負かす馬というのが想像できない中のレースで、実際それが結果として出たと言う感じではないでしょうか。

ドウデュースはダービーでイクイノックスに勝利しているということもあり期待されていた面はあったのかなと言う気もしますが、武豊からの乗り替わりがあったというのは不運だったかもしれませんが、それでも結果は鞍上の違いによるものだけではないかなと思います。

ドウデュースはダービーの後は凱旋門をチャレンジして、期待されていたようなレースはできませんでした。前走のニエル賞でも4着というところからすると凱旋門に過度な期待は出来なかったと言えます。その後京都記念を勝ち、ドバイターフを目指しますが、ターフは直前で痛めたのもあって出走取り消し、そこからの直行での天皇賞秋は、正直なところどのレベルの馬かというところの評価が難しく、武豊が選択したというのもあって人気が先行した印象がありますね。

実際では、京都記念のレベルはというとエフフォーリアがレースを中止となる中で、他の馬のレベルは高いものとはいえず、古馬G1戦線での実力を測るには材料が難しかった様に思います。

勝利したイクイノックスについてですが、2000〜2400くらいが良さそうな感じがありますね。父のキタサンブラックはタフな馬であり、天皇賞春でレコード勝利をするなど長距離でも結果を出した馬でした。

それもあってかキタサンブラック産駒も長距離の方が向いているのではないかなという印象もあったのですが、産駒傾向からするとソールオリエンスは皐月賞を勝利し、菊花賞では3着と、長距離への対応力もありますが、2000前後くらいの方が走るのかなという気がして来ましたね。

実際血統背景から見れば、キタサンブラックの父ブラックタイドはディープインパクトの全兄であり、ディープインパクト産駒の傾向も長距離でも結果を出しましたが、マイルからクラシックディスタンスくらいを得意としており、母父のサクラバクシンオー自身も産駒傾向も(障害での素晴らしい結果はありますが)基本的にはその圧倒的なスピードで短距離での活躍が目立っていました。

キタサンブラック産駒もそれを考えると、そのスタミナよりスピードというところが引き継がれるというのは十分に考えられるところであり、イクイノックスの母父はキングヘイローであり、キングヘイロー産駒のローレルゲレイロはスプリンターズSと高松宮を勝利、母父としてもピクシーナイトがスプリンターズSを勝利しており、キングヘイローの父が切れ味抜群であったダンシングブレーヴであるということからすると、自在性はあるとはいえ、その持続力ある脚というところが大きなポイントなのかも知れません。

そのキタサンブラック世代で種牡馬として実績を示しているのがクラシックのライバルであったドゥラメンテ。そのドゥラメンテ産駒から菊花賞勝利馬が2頭出るなど、ちょっと現役時代の活躍からすると逆なイメージの仔の活躍と言う気もします。

ただ、ドゥラメンテについては夭折してしまいましたので、今後と言う意味で言えばキタサンブラック産駒が長距離でも活躍するシーンは今まで以上に増える可能性はありそうです。

今年は牝馬三冠馬なども誕生した年となりましたが、こうして見るとイクイノックスが日本競馬では少し抜けた存在なのかなというのが正直なところですね。だからこそ、もしこの秋に当たるなら斤量のハンデがある中でどうイクイノックスと戦えるのかという点は3歳馬に対して関心があるところです。

ここまで圧倒的な実績があるということからすれば、イクイノックスを無理に5歳も現役を継続するメリットはないとも言えるのでその辺り今後の動向も気になりますね。

2着に入ったのは、ジャスティンパレス。このところ人気馬で私が予想から外した馬が見事に馬券に絡むと言うセンスのなさを示していますね。

イクイノックスには完敗とはいえ、ここでの2着というのは天皇賞春や宝塚の結果が実力である事を改めて証明したのかなと思います。それにしても、ディープインパクト産駒はなんだかんだずっと馬券に絡んできますね。鞍上が武史騎手になったと言うのも大きかったのかもしれません。

それに続く3着に入ったのも同じくディープインパクト産駒のプログノーシスとなり、人気馬が上位を固める事になりました。

ジャスティンパレスについては予想から外していた人が言う話ではないですが、人気は少し落とし過ぎでありその意味では美味しかった様に思いますね。今年に入って1-1-3、でG1で2連続複勝圏内の馬に対して評価が上がらなかったのは私同様長距離で走るけどこの距離、東京はどうなのか?と思った人がいたからかもしれませんね。

人気どころで言えばジャックドールは最下位となりました。自分でレースをつくる展開となりましたが、入りが速過ぎたのもあったのかなと思います。1000m通過が57.7で1:55.2のレコード決着ではジャックドールは脚を休ませるタイミングがなかったと言えます。

このレースなんと最初の1F以外はずっと1Fあたり11台という超ハイペースでのレースであり、このテンポは非常に前を行く馬にはハードですね。つかわれたレースもあってかサイレンススズカの再来という声も一時期あったジャックドールですが、サイレンススズカは抑えるとストレスになるために超ハイペース(自分のペース)で逃げていただけに対して、ジャックドールは瞬発力勝負になると分が悪いために勝つための逃げ、戦術としての逃げという印象があります。

それが故に、つまりは勝利にはよりペースコントロールする必要があったと言うわけですが、イクイノックスなどもいる中でそのタイミングがなかったのかなと思います。

まぁただ予想でも記述しましたが個人的には大阪杯は難しい時期にあるG1のために、そのレースレベルは年によって著しく差があると思っており、大阪杯の勝利馬=G1戦線で本命、対抗として期待できる馬とは考えていませんので、それが結果として出たのかなというのが正直なところです。正直言えば相手が悪かったといえるでしょう。

馬券としてみると非常に固い決着となり、広げて買うとプラスの終始は難しかったかもしれませんね。馬券としてうまみがあったのは馬連の1,330円、ジャスティンパレスが実績の割に人気を落としていた分、美味しかったのではないでしょうか?

馬単とはあまり差がないのですが、おそらくこのレースで馬単で購入する人は大穴狙いか、1着イクイノックス固定かなと思うので、馬単でも狙い通りであり悪い買い方ではなかったのかなと思います。

最近は本当に予想が難しくなったというか、AIの影響か予想がうまい人が多いのか馬券を広げて買うというのが難しくなった様に感じますね。

イクイノックス優勝おめでとうございます。次戦も素晴らしいレースを期待したいですね。