食あたりしない牡蠣の話 | 米の心

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1ヶ月ほど前の話になりますが、カキの養殖などを手掛ける株式会社ゼネラル・オイスター(東京)が「“あたらないカキ”の完全陸上養殖に成功した」と8月4日に発表がありました。沖縄・久米島で海洋深層水を活用したカキの完全陸上養殖に世界で初めて成功したとのこと。3年後の販売を目指しているようです。

最近は、この手の陸上養殖が増えていますね。

以前であれば、海洋養殖が一般的でした。しかしそれがゆえに、どうしてもアニサキスであったりノロウイルスみたいなものを完全に除去するということができませんでした。なぜできないのか、その手のものは餌として牡蠣が食べているからですね。

アニサキスなんかについては小型の魚などにそれがいると、それを食べる大型の魚やクジラなども当然摂取することになりますから、なかなか避けるのが難しかったりします。

餌や育成環境を変えるということで、以前では不可能だったそういった食あたりの原因となるものを排除することが可能になるわけです。

牡蠣は初めてかもしれませんが、このような流れというのは他の魚であったりなどでは徐々に増えてきている印象がありますね。

例えば最近では陸上養殖のサバなんかも出てきています。サバも陸上で養殖することで、菌やアニサキスなどの発生源を完全に立つことに成功し、それによってしめなくても生で食べられる鯖なんかも出てきています。

陸上養殖が増えているのは、余っている土地活用をしたいという理由からでもあります。例えば、陸上養殖で有名なものの一つはチョウザメ、キャビアなどでしょうか。こちらに関しては全国様々なところでやられている話は聞きますね。

日本の場合、田んぼだった土地を購入しても、家を建てることができないケースなどもあり、高齢化の中で農業をやめる人が増えている中、その田んぼや畑だった土地をどうするかという問題が地方では発生しています。

その中でやられるようになったのがこの陸上養殖ですね。陸上養殖をし、土地活用をすれば、田んぼに雑草が生い茂るということがありません。田んぼなどは一旦放置してしまうと以前のように活用できるようにはなかなかならないと言いますし、それも含めて有効に土地活用されるのは大きいんですよね。

その中に水槽を作ってしまえばいいだけですから、割と簡単にできるというわけです。

その上生で食べられたり、食あたりの心配がなくなるというのはビジネスとしても展開が見られるというのも大きいかもしれません。

牡蠣の場合でも、正直このような試みというのはやろうと思えばできたのかもしれませんが、(深さがなく養殖環境ができるのかはわからないので、その辺りの設備投資がどのくらい陸上養殖の場合必要かは気になりますが。)逆にこの食あたりの心配がないというところのへのニーズがどれほどにあるのかは気になるところですね。

陸上養殖をするというのは、それだけの設備投資が必要となりますから、そう考えると通常の養殖より高い取引価格になるかと思います。つまりはその取引価格で購入されるだけのブランド、付加価値が必要ということになります。

陸上養殖でチョウザメ、キャビアが一般的に多いのは、その点キャビアそのものが高額で取引されるものであるというのもポイントの一つだったと思います。サバの場合は、通常だと生で食べられないものとしての一般的な認知度が高いものあるでしょう。

しかし、カキの場合は、ノロウイルスや食あたりの危険性があっても、生で世界中で食べられているものです。好きな人は当たっても牡蠣を食べてるわけですね。

火を通す場合は、食あたりの心配が低くなるので、この食あたりしない牡蠣というブランドを強く押すことができません。

そう考えると、食あたりの心配がないということがどれだけ牡蠣を利用する側にとって魅力的かという話になってくるわけです。

この点は飲食店などを経営する立場の人はメリットを感じるのは確かかと思います。牡蠣での食あたりリスクは一般t系なのでそれによる影響は他の肉などに比べて低いでしょうが、それでも食あたりが出たといなるとお店への影響は少なからずあるでしょう。それを避けることができるというのは大きいかと思います。

ただ、それでも結局のところ食あたりしない牡蠣というそれは付随的な価値でしかないと思っています。

根本的に大きなポイントとしてあるは、単純に生で食べて美味しい牡蠣であるかどうか、そしてそれが価格に見合っているかどうかそこに尽きるのかなと思います。

食べ応えのある実入りのいい牡蠣で、牡蠣として美味しければ、それだけで需要はあるかと思います。美味しく、そして食あたりもしないとなればいうことないでしょう。

食あたりしない牡蠣というのは話題としては面白いですが、食あたりがあっても世界中で食べられているだけに、重要なのは単純にその話題で終わることのない、おいしさだと思いますがそこがどういうものであるのか気になるところですね。

ただ、味としては美味しい可能性は高いかと思います。

一般に生食用として売られている牡蠣は、ノロウイルスなどのリスクを避けるために、出荷前は餌を食べさせない状況を作ります。つまりは、それによってある意味では痩せるリスクなどもあるわけですね。そのため加熱用の牡蠣の方が美味しいという話も聞いたりします。

そのため、そういう工程を必要としないというのはベストな状態で牡蠣を出荷できるということが期待できます。そうなると美味しいというところを示せる可能性も十分にあり得るように思います。

まぁ、個人的には食あたりをしない牡蠣として売り出した場合で食あたりが出てしまった時はどうなるか、それもちょっと気になるところではありますが。完全にそういう牡蠣を作れたとしても、外的要因は様々にあるので。