スープストックトーキョー炎上 | 米の心

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スープストックトーキョーが25日離乳食の無料提供を全店で行うと発表し、炎上しているようです。Twitter上では女の吉野家などと言ったワードもトレンドになったようです。

実際のところスープストックトーキョーの単価は吉野家ほどには安くはないですが、一人でサクッと食事を楽しむというのがお店のコンセプトというところが一致しているという話でしょうか。

女性のお客さん層で一人客が多いというのはそれだけいろいろ気を使うこともなく食事を楽しめますし、そういう属性のお客さんが多いという上でお店を利用するというのは利用しやすさも発生するわけです。

二郎であればジロリアンとも言われる二郎好きが中心であり、その分他のお客が入りにくさがあるわけですが、逆に二郎好きの中では二郎の勝手を知ったるお客さんばかりの方が気を使わずに楽しめますし、お店側もその方がやりやすかったりするわけです。

スープストックの場合はお店そのものの作りも一人客をある程度コンセプトにしています。そのため、一人客ではない離乳食が必要なお客さんというのはお店の作り、設計からしてコンセプトとは合っていないともいうことができます。

また、少し高めの値段で、取り扱っているものなどからすれば圧倒的に女性客が多いお店でもあります。男性客が少ないというのも一つポイントだと思います。男性客が少ないことで要らぬ気遣いもなく、一人で食事を楽しむというコンセプトになっていくわけです。

また、無料での提供というのは、言って見ればその分のコストは当然他のお客が担うということにもなります。

別に値段を上げなければ、利益を切り詰めて離乳食が必要なお客さんに提供しているだけなのでいいではないか?ともなりそうですが、それなら最もお店を使うユーザーに対して還元すべきという話にもなっているわけですね。

これがスープストックトーキョーのメインのお客さんが家族づれなどであればこれほどの反応にはならなかったかと思います。ただ、メインターゲットから外れたところを取り込もうとした結果メインのお客さんをないがしろにするという話ではありませんが、メインのお客さんにとって気持ちのいいものではないということになっているということでしょう。

ただ、Twitterでの騒ぎ、炎上というのは言って見ればある種のノリのようなものもあると個人的には感じています。そのような反応で炎上をしているところをある種楽しんでいるわけです。

では、実際のところどうなるか?というと個人的にはそれによって離乳食を求めるような消費者のスープストックトーキョー利用が増えるかというと正直それはあまりないと考えています。

それは、単純に上述のようにコンセプトが違うからです。そして、コンセプトが違う中で離乳食が無料だからといって利用するかという話です。

上述の反応の段階でまず、お店を利用しようとすると周りのお客さんから白い目で見られるのは目に見えてます。少なくとも好意的に見られるということはないでしょう。

一人用の席などが多い中で、テーブル席で離乳食をもらって利用するというのもなかなか気を遣うところですし、何より、そのような状況でゆったりと食事を楽しめるか?といえば疑問が生まれます。

離乳食が必要なころとなると、どこで泣き出すかもわかりませんし、非常にその点普段から気を使うわけですね。

その意味ではスープストックトーキョーではなくても、離乳食が必要な乳児を連れて外食をするということは想定しづらいということができます。

また、スープストックトーキョーの利用者は前述のように一人でくる女性のお客さんです。もし、スープストックトーキョーに来るとすれば、そういう立場で訪れたことがある誰かでしょう。無料というのを聞いて乞食のようにでは利用してみようという人も一定数はいるかもしれませんが、そうではないか限り、お店のコンセプトも理解している上で、では、乳児連れで行ってみようと果たしてなるのか?という話になります。

子供、家族が使いやすいお店というのはコンセプトとしては面白いですし、そういうお店のニーズというのは今後出て行くと思いますが、それとスープストックトーキョーがマッチするかというのはまた別の話であるというわけです。

またスープストックトーキョーに限らず、離乳食を取り扱うというのはコンセプトしてはわかるのですが、実際のところそれをやろうと思うと、まずユーザーの目線を理解することが必要だと思います。

今回のケースですと、ヘビーユーザー向けの視点としてもマッチしてませんし、離乳食を必要とする消費者の目線でも、ではスープストックトーキョーが利用しやすいものかといえばそうではないと言えます。

これからお金がかかる中で安くはないスープストックトーキョーで、一人で利用している女性が多い中、無料の離乳食を求めて、いつ乳児が泣き出すかわからないまま、ゆっくりとテーブル席で利用する、果たしてそのようなユーザー属性に当てはまる人は極めて限定的となると思うわけです。

ユーザー視線その重要さがその意味でもわかる一件だったように思いますね。