ドバイシーマ、イクイノックス完勝 | 米の心

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野球のネタなどが多くてつい記事にするのが遅れてしまいましたが、3月末に行われるドバイデー、そこで話題の中心になった馬といえば、この馬たちではないでしょうか。

一頭はドバイWCを勝利したウシュバテソーロ、そしてもう一頭はドバイシーマで異次元のパフォーマンスをみせたイクイノックスです。

まずはウシュバテソーロについて。ドバイの場合はダートとありますが日本のダートとは違う質なので必ずしもダートの馬が勝つとは限りません。その意味では、ドバイWCで注目されていたのはサウジCを勝利し、現役でもっとも賞金を稼いでいるバンサラッサのほうだったかもしれません。

ただ、バンサラッサはスタートを決めきることができず、結果自分のペースに持っていくことができませんでした。

その中で素晴らしい走りを見せたのが、ウシュバテソーロ。ウシュバテソーロについては芝デビューをしており実はダートに路線を変えたのは、昨年の四月になります。

ダート路線に変わるまでに時間がかかったのは、3歳時に勝利していますし、負けていても掲示板に上がることができていたからでしょう。4歳の時には、1勝クラス、2勝クラスでも勝利をし、3勝上がっており、3勝クラスでも芝で掲示板に乗るほどの活躍をしています。

5歳になってからダートに転向、初戦の横浜Sでは4馬身差をつける圧勝をしています。続くブラジルCでこそ3着という結果でしたが、その後は負け知らずの連勝となり、ドバイWCも勝利したことによって、jgn1も含めるとG1クラスを3連勝中となっています。

前走の川崎記念こと差がない決着でしたが、これまで差をつけて勝利することができているという意味ではその実力は本物でしょう。

ウシュバテソーロはオルフェーヴル産駒で母父がキングカメハメハ。

オルフェーヴル産駒を改めてみてみると面白いことにダートで結構実績を上げているんですよね。ラッキーライラックやエポカドーロがすぐにG1を取ったために芝での活躍が中心かなと思うと、ブリーダーズCディスタフを勝利したマルシュロレーヌもオルフェーヴル産駒であれば、かしわ記念をとったショウナンナデシコもオルフェーヴル産駒とダートでの活躍も目立つんですよね。

オルフェーヴルの父であるステイゴールドは種牡馬としてはサンデーサイレンスを代表する種牡馬として結果を出していますが、活躍した馬は芝が中心となっています。

一方でオルフェーヴルの母父であるメジロマックイーンは、種牡馬としては主だった活躍がなかった名馬ですが、母父として活躍するシーンが多かったですね。

オルフェーヴルやゴールドシップ、ドリームジャーニーなどがそうですが、タイセイレジェンドがJBCスプリントを勝利しています。

タイセイレジェンドは父キングカメハメハであり、キングカメハメハ産駒はダートでも活躍する馬を輩出しているわけですが、血統背景からするとタイセイレジェンドとウシュバテソーロはちょっと似たような形ともいえるかもしれません。

タイセイレジェンドが父キングカメハメハで、母父メジロマックーンであり、ウシュバテソーロは、父オルフェーヴル(父母父メジロマックイーン)母父がキングカメハメハとなっているからです。

ある意味でこのメジロマックイーンの系統とキングカメハメハの組み合わせというのはダートで面白いのかもしれません。

ダートについてはしばらく中心的になりそうな馬がいなかったですが、この馬が今後中心になっていくのではないでしょうか。

ウシュバテソーロ自身は血統背景的に考えると種牡馬になってからの活躍は、相手が限定されそうであり、国内ではシンボリクリスエスやエピファネイアの流れというところが候補になりそうです。

と、前置きが長くなりましたが、イクイノックスについて、強かったですね。昨年の秋競馬も強さを見せていましたがさらに成長をしたといった印象です。

イクイノックスの父であるキタサンブラックもまた古馬になってから充実した馬ですがその傾向がこの馬にもみられていますね。成長力があるというのはそれだけ長く活躍できる可能性があるということで、仮に結果がすぐに出なくても回収できる可能性があるということで、馬主にも人気になりそうです。

ディープインパクトの後継種牡馬が誰かといわれるなかで、ディープインパクトの全兄であるブラックタイド産駒のキタサンブラック産駒のこの馬の活躍は、今後の種牡馬の中心にキタサンブラックがなっていく可能性を一つ示しているように思います。

これだけの結果が出ると、今度は凱旋門などの欧州も期待されることになるでしょうか?

この点は、どの馬場にフィットするかという話でもありますが、ただこのレースでイクイノックスはハナをきる展開を選びました。これは、厩舎やルメール騎手の意図があってのことかなという気がします。

日本は高速馬場のためか、後方に控えて直線で一気に足を使うという競馬がよくみられますが、欧州やアメリカで強い馬はハナをきっていく名馬の多い印象をうけます。

凱旋門賞などは特に後ろさから刺すというのが難しい場所です。芝が深く、そして牝馬は斤量が軽い分、捕まえづらいからです。それを考えると前からレースができるというのは重要であり、それが可能であるということを確かめるためのレースだったようにも思います。

結局ムチを打つことなく最後は持ったままで勝利したイクイノックス、これからの競馬が非常に楽しみですね。