フライトライン引退、種牡馬入りへ | 米の心

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ブリーダーズカップ・クラシックで8馬身1/4差で勝利したフライトラインが引退して、種牡馬入りすることになったようです。前走のパシフィッククラシックでも19馬身1/4差をつけており、最強馬として評価されていただけに種牡馬としての活躍も期待されるところです。

フライトラインは現在4歳ですが、アメリカの古馬戦線はBCの後、目立ったG1はなく、海外へ遠征するつもりもないとの発言もありますから、ドバイやサウジなどに行くということもない中で年内での引退というのは当然の流れかもしれません。

キャリアでみると4歳ながらわずかに6戦、無敗という結果になったフライトラインですが、そもそものデビューは遅く3歳の春です。2歳の時に、トモをぶつけて大怪我をし、またコロナの影響もあって調整が遅れたのが原因のようです。

米国三冠レースと呼ばれるようなレースが開催している頃にデビューなわけですからかなり遅いデビューとなるわけですが、反対に三冠レースが終わった後となると、G1レースそのものはそれなりにあるものの評価の高いレースというのはそれほど多いわけではありません。それこそBCなどが一つの頂点としての目標のレースになるわけですが、そのレースで勝利した以上、実績としてこれ以上に現役を続けるメリットはあまりないと言えます。

最近は種牡馬として早いタイミングから活躍できるか、早熟であるかというところは見られる傾向もありますが、そもそもデビューが遅いフライトラインが2歳時に、あるいは3歳の春にどれだけ活躍できるかということは知りようがありません。

また、逆に古馬になって、5歳以上どれくらい活躍できるかはそれほど重要な意味がなく、逆にそこで結果を出せなければ評価を落とすことにもつながります。

現時点で1200から2000まででG1の勝利を収めており、距離としても短距離から中距離までこなせるというのは非常に魅力的であると言えます。

能力の高い馬がデビューが遅ければ、未勝利戦で大差勝ちなどはあるかもしれませんが、何気にG1のマリブSでの11と1/2馬身差ってえぐいですよね。短距離でここまでの大差勝ちというのもなかなか見られないと思います。

血統背景をみると、父はタピット。アメリカでの種牡馬リーディングに3年連続なった名種牡馬です。タピット産駒は多く活躍していますが、その中でフライトラインにもやはり後継種牡馬としての活躍が非常に望まれるところとなりそうです。

タピットはプルピット産駒であり、プルピットは父がAPインディー、父父がシアトルスルーとなり、シアトルスルー系になります。フライトラインは5世代以内ではミスプロの4x5x5での近親交配がありますが、それ以外がなく、その点種牡馬としての扱いも非常にしやすいそうな印象がありますね。

フライトラインの母は、芝の重賞勝ちで、芝ダートともにG1でも2着になったことがあるようです。母系をみるとロベルト系の血統が入っており、母母父のダイナフォーマーは日本でも種牡馬として活躍したブライアンズタイムと血統背景が近く、フライトラインはダートのみしか走っていませんが、芝ダートどちらでも活躍する仔が出る可能性というのはありそうですね。

圧倒的な実績をのフライトラインですが、やはり最初に注目されるのは早くから仔が活躍できるかどうかというところになりそうです。

個人的には、怪我で出遅れただけで、3歳春からの実績を見ても飛び抜けたものがあるので、その血が継がれるのであれば、早い段階から活躍する可能性というのは十分にありそうです。

フライトラインの場合、怪我もあったためかその使われ方というは非常に慎重に使われている印象があります。3歳の時も3戦のみ、4歳の時も同じく3戦であり、レース間隔は3ヶ月程度以上空けられることが多かったようです。

この点その才能は素晴らしい一方で、怪我のリスクが仔にどれくらいあるかは気になるところですね。

圧倒的なパフォーマンスを見せたフライトラインですが、ベイヤースピード指数でみてもその能力の高さを示しています。パシフィッククラシックでの126という数値はなんでも、過去18年の北米全てのレースにおける最高の値だったそうです。

(ちなみにベイヤースピード指数トップは133でグルーヴィが1987年に出しているようです。)

ベイヤースピード上位馬はいずれも名馬として名を馳せた馬であり、その意味合いでも、フライトラインはアメリカ史上最強の馬の一頭であったというのは間違いがないかと思います。

種牡馬としてどのような活躍をするか、どのような仔が出てくるのか今から楽しみですね!