高校野球 金属バット性能見直しへ | 米の心

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高野連はついに金属バットの性能の見直しを検討し、一般財団法人製品安全協会が反発性能に関する規定を設けるための製品試験を都内で実施し、公開したとのことです。

昨今金属バットの性能が高まったことにより木製バットとの性能の差というのが著しくなりそのことが高校野球からプロなどにステップアップした際、また国際野球などにおいて問題視されていたりしました。

また筒香選手などは少年野球における金属バットの高性能化が与える影響などについても危惧していましたね。

バットの性能が落ちることによって自己の防止につながり、また投手への負担の軽減にもつながると言われていますし、バットの性能への見直しの与える影響は大きそうです。

逆にいえば今の投手力の高い日本のプロ野球は金属バットで揉まれた中で誕生しているとも言えます。バンバン金属バットで強力なヒットやHRを打つからキレの鋭い変化球が必要になり、また速い球速が必要となってくるというわけです。

これによってトップクラスの投手の実力がどう変化するかはわからないところがあります。今までで言えば選ばれた人でしか投手になれない環境でした。しかし打力が低下すれば使い方によっては使えるというケースは増えてきます。自然野手兼用投手なども増えるかもしれませんし、そのことによって投手のなり手が増え、結果新たな競争が生まれいい循環につながる可能性もないとは言えないからです。

また飛ばないバットになれば、その中で強く振ることを野手が意識するようになり野手のレベルが上がれば自然それに対して投手力も将来的には戻ってくることというのは可能性としてはあるでしょうね

野球界という見方で考えた場合、特にプロまでの流れとしてみた場合はこの話は是非進めるべき話である、今までなんども指摘されてきたことと言えますが、野球人口、野球を楽しむという意味において、またそのバットの規制をどうするかと言った点については色々考える必要があるかもしれません。

高野連側でバットの性能を定めたところで、ではその定めた通りのバットを使っているかどうかをどうやって判断すればいいのでしょうか?

全国大会である甲子園であればあるいは不自然があればそのバットを検査するなどもできるかもしれませんし、元々の持ち込みのバットについて検査するなどといったこともできるかもしれません。

しかしながら、では地方大会ではどうなのか?全ての試合においてバットの適性を確かめる、不正が行われていないかを確かめることができるかといえば正直厳しいかもしれません。

ましてや今までのバットとは違って飛ばないバットになるわけですから、今までのバットなんて道具としてチート級の性能ともいえるかもしれません。そういったバットを使いたいというニーズは生まれるでしょうし、またバットの性能がこの水準であるということに対して十分に認知されて悪意がないことを証明されなければなりません。

道具については詳しい人であればともかくそうでない人はその数値などを見てもわからないでしょう。仮に売り場に置いて両方のバットがあった場合、知らずに高野連の適性とするバットではない不正バットを購入してしまう可能性もあるかもしれません。

そもそもこの話は甲子園、高校野球の話であって、よく飛ぶバットへのニーズそのものはむしろ高くあると言ってもいいと思います。だからこそ、ここまでの間バットの性能がどんどん高くなっていくことになったのであり、これはニーズの結果であると言えます。

野球をしたことがない誰かにとって、全く飛ばないバットで野球を体験したところでそれが楽しいと言えるのかといえば難しいかもしれません。入り口であればやはりボールがよく飛んだ方が嬉しいでしょう。本格的な意識を持ち出したならともかく、バッティングセンターで飛ぶバットで気持ちよくホームランを打ってた方が素人にとってはいいと言えます。

草野球などを考えてもそうですね。全然飛ばないバットで楽しむというのもあるかもしれませんがやはりHRを狙いたいですしかっ飛ばしたいという欲求はあるのであり、そういう人たちにとっては飛ぶバットは需要は当然あります。

野球人口という観点で言えば飛ばないバットになったら果たして増えていくのかといえばその点は難しいかもしれません。腹の出たおっさんでも楽しむのであれば飛ぶバットの方がいいかもしれませんし、オヤジ世代が野球をせずに、触れずに子供世代から急に野球をやりだすケースというのは接点としては決して多いとは言えないでしょうし、また子供も飛ばないバットで面白くないと思ってしまえばその後に続かない可能性もあります。

あくまでプロまでの過程としてみたとき、この動きは重要ですし、それぞれが独立したぞんざいであった中で徐々に歩み寄る動きや国際大会への意識が高まっている点というのは一つ評価すべき話である一方、今のドーピングされたような状態が土壌であることを踏まえて、それが野球人口の増加につながるか、将来の野球にどう寄与していくのかという点は一概に言える話ではなく、難しい問題かもしれませんね。

今までの環境が環境だっただけにこの話がどう進んでいくかわかりませんが、注目したいところです。