タピオカの話 | 米の心

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今年1年を振り返ってみると様々な話題がありましたが、飲食関係でいえば第3のタピオカブームともいわれたタピオカの流行でしょうか?ヤクザの資金になっているなんて話題もあったりしましたが、割とあちらこちらで食べに行ってもネタとしてタピオカの話を耳にすることも少なくなかったように思います。

私自身は実はタピオカをこのブームに乗っかって飲んだこととかがない日々を過ごしていたのですが、東京などの都心部でないところでもタピオカを売っていたりしている点をみると単純なブームでは終わらないかもしれないですね。

このタピオカブームに私が気づいたのはこの1年くらいの話ですが、ブームそのものは2017年からのようです。タピるというタピオカドリンクを飲むことを指す言葉は今年の流行語大賞にもノミネートされたりました。

さて、タピオカが単純にブームに終わらない理由は、単純にいえばお店側がブームが多少さったからといってタピオカドリンクを止めることについて積極的な理由がないからです。

タピオカドリンクのブームがなぜきたかというのはここ数年でもインスタ映えなどの形でファッション的に飲食業界に影響を与えたところがあると言えますが、それは火つけ側の話ですね。

お店側の話からすれば、単純にいえばタピオカドリンクは利益率が高くおいしいビジネスだからそれに乗っかったと言えます。

そもそもで言えば、カフェというスタイルは非常にビジネスとしては利益率を見込みやすいモデルの一つと言えます。

例えば、高級フレンチなどで言えば、一つ一つの客席の間にゆとりが必要ですし、空間にもお金をかける必要があります。それとは別にワインなどを保管する空間も必要であれば、調理場についても相応の広さが必要となります。

最近はワンオペで提供する対面式のフレンチのようなお店も見かけたりもしますが、それでもなおやはり調理場には一定の広さが必要となります。そういったものであっても、おおそよ敷地面的に対して、客席面積が6割調理場が4割くらいになるのではないでしょうか?

敷地面積に対して客数を多く入れることができればできるほど、1回転あたりの客数は単純に増えますから、同じ仕事をするのであればその方が売り上げを見込めるということになります。

カフェというスタイルはその意味で言えば、チェーン展開しているようなとこは特にシステム化されていますから、中で調理する必要もほとんどない場合もありますし、コーヒーそのものはドリップさせればいいですし、というわけで、調理場などの敷地面積が広く必要がないというのが一つの特徴と言えます。

場合によっては、持ち帰りなどを専門とすればいい形であれば、それこそ調理場だけで済みますし、その敷地面積もごくわずかでできるわけですから、家賃に対して収益として見込める客数というのを多く考えることができるわけです。

カフェによってはそこで客単価を安くする選択をしているところもありますが、スタバなどは不動産物価の高いところなどに出すかわりに値段もしっかりした値段で利益率を高く見積もってビジネスを展開しています。

店の経営を考えた上で運用上かかるコストというのは様々にあります。食材やコーヒーなどの原価に、不動産賃貸料金、光熱費等に宣伝費、人件費などが一般的な項目でしょうか?

一般的な飲食店で言えば売り上げに対して原価と人件費で5割から6割程度を目指すと言われていますが、カフェで提供するものはそもそも原価を安く見積もることができます。

まぁドリンクというのはどの業態でも利益を取るところとして見積もられやすく、コーヒーなどでも原価でいえば10%前後以下くらいが多いのではないでしょうか?

加えて、人件費を見ても誰にでもつくれる(アルバイトで済む)上に敷地面積に比してそこにかける人数は多く必要ありません。提供するものがシンプルだからです。それこそその場で飲まずにテイクアウトであれば一人いたらどうにかなるレベルです。

こうしてみた場合、カフェは経営上の運用コストとしてネックになりがちな原価、人件費、不動産賃貸価格というところを他の媒体と比べて非常に低く見積もることができるビジネス形態と言えます。

その中で、さらに原価が安いといわれるタピオカの登場です。インスタ映えしやすく見栄えをよくして、タピオカドリンクを相応の値段で売り出せばそれこそ原価は10%を優にきる形で販売することができます。

一般的なコーヒーの原価が仮に10%としてタピオカドリンクが5%であるとすればその5%分は丸々利益に転換することができるわけですから、お店側としては積極的にやめる必要性がないのです。

タピオカそのものが非常に安いものでありその人気が多少下がったところでお店側への負担はそこまで大きくなく、状況に合わせてスローダウンさせればいい程度の話で、話題にあるうちは別にそれをメニューから外す必要がないと言えます。

タピオカそのものの原価が高くなったり、他を圧迫する何かが出てくればともかくとして、ある程度でるうちは続けるということになります。

そうなると、タピオカがブームではなくどこのお店にもあるものとして定番化しますし、お店側からすれば”おいしい”商品であるためむしろ定番化してもらった方が現状としてありがたいとすら言えます。

仮に初めはブームに乗っかって始めたとしても、初期投資がどれくらいか次第ですが、カフェそのものは利益率を見込みやすいものですからその状態ですら入りやすいものと言えます。

今後タピオカブームが続くかはわかりませんが、経営側の目線なども含めて言えば、この美味しい商品は息が長い商品になったり、定番化もあり得る話ではないでしょうか?