昨日行われたオークスについて。
んー、強い、それに尽きますね。実力的に本当に他の馬を寄せ付けない馬だと言えます。二冠を達成した形になりましたが、現状からすれば三冠達成も難しくないですし、そもそも対象とするのは牝馬ではなく、牡馬を考えるべきでしょう。
勝ったアーモンドアイですが、このレースでの収穫は非常に大きかったと言えます。
ひとつは、2400mという距離を問題なくこなすことができたことですね。
このレース、トップを走っていた馬に関して言えば、ミドルペース、オークスからすればハイペースともいえるタイムだったといえますが、2番手以降の集団についてはとりわけ早い展開だったとは言えません。スローペースくらいで、まぁ、オークスらしい展開だったといえます。
その中で、仕上がりのタムは2.23.8。
これは、良馬場だったとは言え、オークスのタイムとしては非常に優秀なタイムであると言えます。
このタイムより早かったのは、ジェンティルドンナが勝った際の2.23.6ですね。この10年以上の間で2.23台というのを示したのは、ジェンティルドンナとアーモンドアイの二頭だけなんです。
展開的にもある意味似ているような展開だったかもしれませんね。
二つ目は、後ろからのレースに左右されないレースをできたということです。
このレースアーモンドアイは中盤やや前目というところから仕掛けることができました。本来であれば、なれない2400というところも考えれば、もっと後ろから仕掛けるということもあったかもしれません。
しかし、このレースではラッキーライラックをマークする形で前目でレースをすることができました。
このことの意味合いは二つあるように思えます。
一つは、末脚勝負のレース展開を避けるということ。もともと末脚が効く馬であるため、前でレースできにる越したことはないというわけです。
もう一つは、一つ目の収穫にもつながることですが、そもそもこの距離を陣営が問題視していなかったということです。
ジョッキーの好判断ではなく、この展開は陣営側の計算の上と言えるでしょう。そして、それができるということは、そもそも陣営側がこの距離を問題視していないからできたことと言えます。
この距離をこなせる馬かどうかというのは別問題として、この世代で負けることがないという自信があった中での結果だと言えます。
正直この馬のベストが1600から2000辺りであるのは間違いないと思います。
逆にいえば、本来得意とする距離ではないところでこれほどの走りを見せ、他の馬を圧倒したこの馬の実力がやばいですね。正直このままいけば、牡馬とも勝負できる馬といえるのではないでしょうか?
ジェンティルドンナがいなくなって以降、牡馬と争える馬というのはなかなかいなかった中で、一つその可能性を感じさせる馬であると言えます。
この得意と思われる距離ではない中、しかも、末脚を貯める後方からのレース展開をしない中で、アーモンドアイは上がり3Fが最速でそのタイムは、33.2です。
いくら直線が長い東京とは言え、この上がり3Fは鬼畜すぎます。上がり3Fについては、続くのがリリーノーブルとラッキーライラックの33.9ですね。これは、スタミナがない傾向にある牝馬の2400としては非常に優秀なタイムであり、それよりも、0.6早いアーモンドアイが化け物じみすぎています。
怪我が正直心配になる程です。
例えば、昨年のオークスの覇者で、当時絶対的に支持を得ていたソウルスターリングは、2000m通過タイムはこれより遅く、その中で上がり3Fは34.1、前から走る馬としては素晴らしいタイムですが、アーモンドアイの異次元すぎるタイムには遠く及びません。
おそらく同時に走っていれば、止まっているかのように感じるほどに差がある話となります。
その前の年のシンハライトと比べると、ドスローの展開となった中で後方一気でシンハライトが示したタイムが上がり3F33.5です。
よりスローペースの中で、後方から脚を溜めた馬オークス馬よりよほど早いタイムで上がり3Fをアーモンドアイは納めてしまったのです。
今回のアーモンドアイが示した上がり3F33.2というのは過去ジェンティルドンナでも、ブエナビスタでも成し遂げなかった化け物じみたタイムです。そして、それを後方から溜めずにアーモンドアイはやり遂げてしまいました。
今後どう成長するか、怪我などがどうなるかはともかくとして、これほどまでに抜けた存在というのはこれまでに現れたことがなかったのではないかと思われるほどのものを示したと正直なところいえるオークスだったといえます。
個人的にはディープインパクト以上の衝撃を感じている馬ですね。
このレースいいレースができたのはリリーノーブルでしょうか?
正直私は距離が合わないかもしれないと思っていましたが、非常に素晴らしい走りを見せてくれました。
展開が向いたところもありますが、仕掛けや道中含めてよかったですね。アーモンドアイに負けたのはもう天災があったと思うしかないですね。他の年であれば、リリーノーブルはオークスの楯を取ることができた、そういうレースをしたと思います。
しかし、この年は、アーモンドアイという化け物がいた、それだけの話です。
ただ、今後の展開で言えば、アーモンドアイはそろそろ照準を単純に牝馬戦ではないところに合わせ始めると思います。そうなった際に、牝馬G1でその実力を示すチャンスがあり、そこでこの実力を発揮できるか否かというところがこの馬の焦点になると思います。
現状からすれば、リリーノーブルについてはまだ牡馬と太刀打ちできるレベルとは言い難いように思えますので、その中で一歩一歩ステップアップしていってほしいものです。
ちなみに過去10年で今回のオークス以上のタイムをしめした東京優駿、ダービーは、ドゥラメンテが勝ったときのみです。その時はこのオークスより2000m通過が0.6早いペースでした。
これをみても、いかにアーモンドアイが規格外であるかということが分かるかと思います。負けたリリーノーブルはこの距離をこなす上で、牝馬としてはこれ以上ない走りを見せたと思いますが、アーモンドアイのレベルが違いすぎたのがすべてでした。
3位になったラッキーライラックにしても、その内容が悪かったとは個人的には思いません。
リリーノーブルがうまくまとめたとは言え、いい形でまとめ、上がり3Fも素晴らしかったです。
この馬も、この世代でなければ戴冠するチャンスが十分にあったといえるほどの走りを見せたと個人的には思います。
先頭以外はスローペース気味だったとは言え、リリーノーブルにしても、ラッキーライラックにしても、前から仕掛けて上がり3Fを33秒台でまとめあげています。
展開の話はあるとは言え、2.24.4というタイムはここ数年のダービーであれば、ドゥラメンテが勝った年以外であれば、勝ち負けになる可能性のあるタイムと言えます。
タイム的に言えば、当時最強世代とも言われていたサトノダイヤモンドの世代で、マカヒキがが勝った時のタイムに非常に近いタイムがリリーノーブルであり、ラッキーライラックもタイム差的には一勝負できた感じとなります。
アーモンドアイについていえば、馬場の問題さえなければ、ダービーでも圧勝したレベルですね。
この辺り、この世代の牝馬のレベルの高さというのを感じますね。
結果からすれば、馬券的な旨みがないレースであったと言えます。
しかし、それ以上に感じたのは、アーモンドアイの強さです。今後どれほどこれに上乗せできるかはわかりませんが、現状、こばも含めて最も注目すべき馬の一つであると言えるのではないでしょうか?
特に古馬に関して言えば、キタサンブラックがいなくなって以降、主役をなくしている感じがあります。
では、3歳牡馬はといえば、こちらに関してもヒーローを演じることができる馬は見当たりません。この辺り、今年は、アーモンドアイに限らず、3歳牝馬が今年の主役になりうるかもしれませんね。