さて、最近は誰かが犯罪を犯すたびにその犯罪者がアニメに興味を持っていただの、漫画を多く持っていただのという犯罪とゲームやアニメなどをむすびつけようとする動きがあります。
アニメやゲームなどを保持していない場合などは、そのことは報道しませんが、かといって、代わりに彼がDQNだったとか、低学歴だったとか、なんらかの趣味があっただのという報道をすることはありませんね。
せいぜいネタになることがあるのは、クスリの常習者くらいで、お酒もたまにある程度です。
幼児虐待をするような親などに対しては、ある意味でそういうレッテルを張ることをせず、アニメなどの場合などはどうにか相関性があるかのように見せる報道ということに対しては、少なからず好意的に思えない人というのはいるようにも思えます。
私個人としてはそこの相関性が全くないかといえばそうではないとは思いますが、それを言い出せばアニメやゲームなどについてだけという話ではなく、あらゆるものがそうといえるわけで、また、その相関性を客観的に正しくデータ化することそのものが無理な話であるため、結局のところ、理由づけしやすいステレオタイプに当てはめていくことをしているのかもしれません。
まぁ、いってみれば、アニメなどに対してのネガキャンであり、それは、また、アニメなどの愛好家に対してのネガキャンであり、彼らが危険で、世間的なところから外れた人であるかの印象を持たせるようなところというのはあるといえるでしょう。
いわゆるアニメやゲームオタクなどを犯罪予備軍のように扱うことについてどうのってことについえは、他の人も色々言っているから省きますが、個人的にはそもそもこれらのコンテンツに対してネガティブなキャンペーンをする姿勢というのがどうもしっくりこないところがあります。
今や日本はあらゆるものでガラパゴス化し、後進国になり始め、過去の国となりつつあります。
技術大国であるかのようにもてはやすテレビ番組などもありますが、今の時代に必要な技術であるのか、その技術がどう生かせるのかなどの話においては、現状それをうまく活用できているというわけではなく、ひたすら周りの国に追いつかれ、引き離されていくのが現状なわけです。
その中で、数少ない世界で勝負できるコンテンツがサブカルチャーであり、ゲームであり、アニメであり、漫画であるというのは確かなところだと思います。
これらのコンテンツについては、海外から羨む話というのは少なからず聞くところです。
しかし、当の日本人はといえば、そういう世界にほこるビックコンテンツを持っていながら、それを良しとせず、それどころか、それはひた隠しにしようとし、また、恥に思う、ネガティブに捉えようとする傾向というのがあるように思えます。
犯罪者とこれらをむすびつけようという話も結局のところ、これらのコンテンツをネガティブにとらえているところからくる発想だからです。
包丁で人を刺しました。包丁を保有していた容疑者は日常的に包丁を使っていたと思われ、非常に危険な思想がそこに伺えます、なんて報道を聞くことはまずありません。
包丁にも料理にも一般的にネガティブな印象を持っていないからです。
報道におけるそれは、そもそもが理由づけです。ゆえに理由づけとして納得がいく落とし所でなければならないということになります。
先にあげたクスリやお酒などは最たるものです。それが理由づけとしてわかりやすく、ネガティブに発想を転換しやすいものだからです。
つまり、アニメなどと犯罪をむすびつけようとする動きはある意味ではメディアの印象論であるところであるとともに、報道者があるいは視聴者がそれに対して納得がいくとおもっているからこそ成り立つのであり、その意味合いで日本は、自らが誇るべきコンテンツに対して非常にネガティブな印象を抱えているということになります。
このことは、せっかくの世界に誇るコンテンツであり、そのコンテンツにおいては世界のトップであることができ、そこからくる経済効果を受け取ることができる立場でありながら、国民がその利益を否定しようとしているともいえます。
実際、近年では、中国なども非常にこのコンテンツで力を伸ばしてきていたりしますが、ネガティブに捉える話が続くのであれば、せっかくの金の成る木を他の国にまたしても奪われていくということにもなるかもしれません。
ここ20年、30年のスパンで日本は不況に立たされていると言われていて、そこからなかなか抜け出すことができていません。
その中で最も世界にアピールすることができ、また、経済効果も充分にあったであろうコンテンツの一つに対しての扱いとしては個人的にはどうなのかなと思うところはありますね。
政府などがアニメなどを売り出すコンテンツとしてクールジャパンとして掲げようとする一方で、こういうところが根源的にある状態というのは好ましいとは言い難いでしょう。
メディアは、易くアニメやその愛好家にメスを向けますが、果たして、そのことが自分たちにとって、日本にとって良い答えであるのかは、一つ冷静に考えた上で、あるべきかもしれませんね。