☆日本最大の涅槃図が掲げ上がる! 年に一度の瞬間を特別に拝見~涅槃図を間近で絵解き
(リンクは昨年度に実施された概要になっています)
「日本最大」 「年に一度の瞬間」 「特別に拝見」「涅槃図を間近で」
たった一行のツアー名に、こんなに「びっくり」を盛り込んでくるなんて
もはや、「キラーワードの玉手箱や~」と言って良いでしょう。
「まいまい京都」のツアーって、すごいです。
泉涌寺です。拝観時刻前の早朝、まいまいツアーのために開門。
江戸時代、御所から移築された大門(重文)。開くにつれて、東山から朝の光があふれ出る。
泉涌寺は、東山を背に、西を向いて建てられています。平安時代、空海が結んだ草庵に始まり、鎌倉時代、皇室の菩提寺になり、今の仏堂は江戸時代、徳川家綱による再建。敷石はそれ以前のもので、焼け跡が残っています。
旧暦の2月15日、すなわち3月15日、お釈迦様の命日を偲んで行われる涅槃会。
泉涌寺では、毎年3月11日に仏堂に涅槃図を掲げます。
7.3メートル×15,1メートルに及ぶ大きさは、仏堂の天井高を超えているので、カタカナの「コ」の形に曲げられて、掲げられます。
このサイズから、東大寺大仏殿に掲げる目的だったんじゃないの?と通説されたこともありましたが、今では、さにあらず、もとから、泉涌寺の仏堂のために作成されたんだと、わかっているそうです。
涅槃図を掲げる準備が始まっています。
白い布に包まれた丸太?
丸太の正体と、どうなるのか知りたい方は、
こちらで、涅槃図を掲げる様子を詳しく正確に知ることができるので、
見てね。(まるなげ)
泉涌寺は、東山にのぼる満月の名所でもあります。
涅槃図がほどかれると、最初に大きな満月が見えます。左右のロープで少しずつ涅槃図が釣り上げられていくにつれて、描かれた満月が空高く上がっていき、天井へ。
涅槃図が正しい位置にコの字に収まると、
描かれている方角と沙羅双樹の林の情景が、現実の泉涌寺にぴったりと重なり、
等身大に描かれた仏弟子と、現実のお堂にいる人々が並びます。
そして、お釈迦様の寝姿は、頭が北向きになります。
お釈迦様がお亡くなりになった時間と空間を感じることができるんです。まさしく、享保の3D.。
涅槃図をウィンチを使って、一瞬で揚げてしまうお寺もある中、泉涌寺では巨大な涅槃図を人の手で時間をかけて掲げています。涅槃図やお堂の保護のためでもあります。何より、左右からタイミングを合わせてロープを引き、力を入れすぎても、ゆる過ぎてもいけない超微妙な加減が必要な作業と力仕事です。そこを大工さんや石屋さんが担って、代々継承しておられるようでした。
人の手で涅槃図を掲げる、それは、先祖の思いを感じ、仏様の世界と縁を結ぶ行為でしょう。
漢文で意味が伝わらないお経に価値があるんか?
かねがねそう思ってました。
でも、
「知識に意識が向きすぎることで、大事なことを見落とさないように」
仏教では、そういうことを大切にしてこられたのでしょう。
大事なこと、というのは慈悲の心でござろう。(← 誰や?)
人々のために仏法を全て伝え終えて、穏やかに横たわっておられるお姿。
涅槃会の頃、吹き始める春風。
優しく面白い、渡邊教学部長たち、お寺の人、おいしいお茶の接待。
めっちゃ慈悲だと思いました。
冷たい知識では頭が痛くなります。
出かけて、
出会って、
3Dで感じたいものです!!