過去の亡霊 | けこですのブログ

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 越後湯沢から。特急「はくたか」の車窓。
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人に話して面白くない話題の一番は眠っている間に見た「夢」の話。
次が「のろけ」で、最後が「自分の病気」の話だそうだ。
わかる気もする。聞き手がリアクションに困る。

ところで、夢を見た。昔の友達が私の前を歩いていた。
気づかれないよう追い越して行き過ぎようと思ったが気づかれた。
「話があるから待ってくれ」と言う。私は「話はない」と言う。
それでも追い縋って来る。私は殴った。拳骨で、思い切り。

彼女はいわゆるナイーブな人だった。元気な私が盾にならねばと思っていた。
その私が夢の中とは言え、使った事も無い拳骨を彼女の顔に食らわしたのだ。
共通の「友人」を呼んで話を聞いてもらう、と言う。「呼んで来い」と私が言う。
その後、何度も何度も殴った。殴って、殴って、目が覚めた。

私が20代の頃、彼女とは実に親密な付き合いがあった。
大学で哲学を専攻した彼女は私に、それまでとは違う視点も与えてくれた。
裕福だが複雑な家庭で育った彼女が、雑草のような私を常に頼りにする、
そんな関係の上で一緒に泣きもし、笑いもして移住までの10年を過ごした。

移住した次の年、その次の年は帰国できたが、それから8年の空白。
帰ろうにも帰れない経済状態が続いて、やっとの里帰り帰国だった。
トラブルはその時起きた。ささいな事だ。
私が目を瞑って気にするまいと思っていた事柄に腹を立てたのは彼女だった。

8年ぶり、が良くなかった。私は変わらない彼女をそこに見てしまったのだ。
8年もの長い歳月、現実からの逃避を続けてきた事がはっきり解った。
同じ場所と時間をぐるぐる廻り続けている人。
この人は好きでこうしている。やめる気もない、と悟った瞬間だった。

20代の私と今の私は違う。
変わるきっかけは山のようにあった。出産、子育て、悲惨な結婚生活。
海外生活、父との同居、仕事、人との出会い、旦那の蒸発と借金、自分の病。
「わからんかったんかい」さんと出会う前と後の自分も違う。
ブログを始める前と後でも違えば、娘を送り出す前と後でも大いに違うのだ。
20歳に戻るかと言われたら死んだ方がマシだとすら思う。
「今日」がいつでも出発点だというのに、後戻りしてたまるか!

夢の中でも拳が痛くなるほど殴り続けていたのは、
自分の過去の亡霊だったのかもしれない。