詩仙堂に続く道には昔の農家の面影を残した家が多い。
俵はごろごろ お倉にどっさりこ
お米がどっさりこで ちゅうちゅうねずみはにっこりこ
お星さま ぴっかりこ 夜のお空に ぴっかりこ
(野口雨情)
私の大好きな童謡。「俵はごろごろ」。
何故か無垢で満ち足りた幸福を感じます。
20年前永住ビザを取得するのに無我夢中でいた時はともかく、
さて、いよいよとなると心配なのはお米と醤油が現地で手に入るかどうか。
品質が気になるのは後の事。まずは日常で白いご飯が食べられるかが問題。
その次が醤油、醤油が無ければ多くの日本料理は成り立ちません。
幸いな事に、オーストラリアからの輸入単粒米がスーパーで手に入りました。
炊き上がりは日本産の単粒米とは違い、やや細長い。うーむ.......。
しかし、贅沢は言えません。実際、しばらく食べていれば慣れました。
醤油はアジア食品の店で。恐るべし、キッコーマン!この国にもあった。
ここで白状いたしますが、私は鍋でお米を炊いた経験がありません。
じーちゃんが教えようと試みたのに、聞く耳を持ちませんでした。
従って、炊飯器が必要。これは大型家電店へ行って海外向けのを購入。
引越し荷物で送るべきだと言う提案を拒否して、手荷物で飛行機に搭乗。
それ見た事か、それから3ヶ月に渡るモーテル、借家のジプシー生活。
キロ単位で価格表示のある硬くて不味い肉、見た事もない姿と名前の魚、
握りこぶし大のピーマンに、三歳児の腕ほどもあるキュウリ。
間違いなく白いご飯の炊ける炊飯器がなければ正気は保てませんでした。
20年後の現在では同じ単粒米でもスーパー以外なら選択肢があります。
キッコーマンもスーパーの棚に並んでいる。味噌と出汁の素はアジア食品店で。
豆腐も同じくアジア食品店。大根や白菜が手に入るようになったのもアジア移民のお陰。
移住当初の辛さをもう一度、と言われたら私は帰国を選ぶかも知れません。
怖いもの知らず、無我夢中でいられた若い頃ですら、お米に救われていました。
少々余談にはなりますが、20年前のこの国は完全週休二日制。
土日は勿論、平日でも5時以降に従業員を働かせるには許可が要り、税が課せられ、
しかも従業員には平時の倍の給料を支払わねばならないと言う法律があったのです。
従って、金曜日の夕方5時になると世間は静まり返り、開いている店も事業所もない。
土日に活動しているのは交通機関、病院、警察、消防,少数のガソリンスタンドのみ!
思い返せばよくぞここまで来たものです。お米に支えられて。
そして、又々白状せねばなりませんが、私が日本人に生まれた喜びを実感するのは、
陛下のお人柄に触れた時、、日本の美しい風景の中にいる時よりも、
日本人の高い民度を確認する時、快適な新幹線の車中にいる時よりも、
あつあつ、炊きたての日本米にたらこ、明太子を載せてほうばる時なのでした。
さて......。
もしかして、とお思いの向きもあるかとは思いますが、只今「減反」について勉強中です。
「減反政策の見直し」については全く賛成です。
しかし、その歴史、経緯、影響についてどれ程知っているかと言われれば誠に心もとない。
「こういう訳で、賛成!」と言える位には情報を読み込もうと思っています。
命の綱、日本人の誇り、「お米」の事ですから。
又、よろしくお願いします!
