ラホイ首相の来日 | けこですのブログ

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マリアーノ・ラホイ・ブレイ。スペイン首相。
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スペインとは五輪招致で争った経緯があるので、
ラホイ首相も日本での知名度が上がった。

1955年生まれ。安倍晋三首相より一歳年下の58歳。
2011年、国民党党首として首相に就任。
Wikiでは「温和な人柄で調整型の政治家」との事。

が、実はラホイ首相は現在政治的に稀に見る危機に立たされている。
スペインは史上最悪とも言える失業率の高さと財政難に見舞われ、
ラホイ氏自身、不正資金受領の疑いを受けて告発されている只中での来日。
ただし、ラホイ首相は嫌疑を否定。真偽があきらかになるのはこれからだ。

10月1日から3日間の予定で日本を訪れたラホイ首相の主な目的は、
財政難のスペインに、日本からの投資促進を呼びかける事。
現在進行中の日本とEU間の自由貿易協定の締結を睨んでの来日だ。
同時に、欧米諸国の首脳の中で、最も早く震災後の福島を訪問した。

福島の県立美術館で開かれた企画展、「福島・冬の花」の開会式に出席。
企画展はスペイン出身の芸術家、ホセ・マリア・シンシアさんの主催する展覧会。
スペイン王室の財団から「原発事故の対応に貢献した」と勲章を授与された
日本の警察官、自衛官、消防隊員5名を前に、
「勇敢に国や国民のために尽くした英雄たち」であると讃えた。

気持ちとしては震災の救援救助、そしてその後の復興に力を尽くた人々全て、
そして、原発事故の対応に貢献した人々の全てが讃えられるべきとは思うが、
遠いスペインと言う国が、自国の栄誉ある「アストリアス皇太子賞」を
その代表者に与えてくれた事には心から感謝したい。

福島訪問について、ラホイ首相は、
「世界でも一部の人々は福島の事故について恐怖を持っているが、その恐怖は
根拠のないものであり、日本国民は復旧に大きな努力を傾けている。私は、
この訪問がそのような危惧を振り払うものである事を期待する。」と語った。

スペインは原発推進国の一つである事から、我田引水と取る事もできなくはない。
けれども、かつてチェルノブイリの事故で大きな被害と恐怖を体験した欧州から、
一国の首脳が福島を訪れての発言には、大きな意味があると思う。

復旧に取り組む東電と政府の対応はいまだにお粗末極まりない。
対応の拙さ、遅さと情報公開の不十分さに苦しむのは福島と隣県の人々だ。
情報公開が十分でない結果として、「根拠の無い恐怖」が生まれている。
正しく恐れると同時に、正しく「恐れない」ためにも全ての情報を公開してもらいたい。

ラホイ首相は天皇陛下とも謁見、
東京がオリンピックの開催地に選ばれた事に祝意を述べ、
陛下は「そのようなお気持ちを嬉しく思います。」と答えられた。

政治的思惑や経済的背景はさておいて、
欧米の中からその元首が福島を訪れてくれた事を素直に喜びたいと思うのだが、
皆さんはどう感じられただろうか。