清明神社。堀川通りに面したビルの狭間にある。
百鬼夜行の図。
阿倍清明が修行時代に百鬼夜行の通行を察知して師匠の加茂忠行に知らせ、
難を逃れた逸話がありますが、百鬼夜行を目撃すると死ぬと言われていました。
鬼、化け物、亡者、そしてご覧の通り琵琶や琴にも手足が生えて歩き出します。
器物にも魂が宿ると考える日本人。独特な世界観ですね。
さて、「京都に行きたくなる本」としてご紹介したいのはこちらです。
夢枕獏氏の小説を原作として描かれた岡野玲子さんの漫画、「陰陽師」。
夢枕氏を読んだ後に手に取った本ですが、全13巻を揃えてしまうはめに。
13巻のうち前半は原作をほぼ忠実に踏襲していますが。
後半は岡野さん独自の陰陽道。読み進む毎に難解になって行きます。
「今昔物語」を下地に書かれた原作が、秀逸な視覚の世界に再現されて、
今は誰も訪ねる事のできない平安京の街に身を置く感覚が楽しめる素晴らしい本。
灯明と蝋燭のみが夜の明かりだった千年の都の闇を体験できるのです。
魑魅魍魎、怨霊の物語もさることながら、平安京の四季の描写が秀逸至極。
藤原基経がどのような思想に基づいて平安京を設計したか。
菅原道真はいかにして怨霊になったのか。応天門放火事件。内裏の炎上。
巻を重ねるにつれて陰陽思想との取り組みは深く、哲学的にまでなって来ます。
エンターティメントとして楽しまれたい方には5、6巻までをお勧めしますが、
古書店ならお安く手に入りますので、できれば全巻を。
読みながら、ふと春の神泉苑の池の、水面を渡る風を感じたり、
夏の西陣の町の、昼下がりの沈黙を感じたりする不思議な本ではあります。
京都に行きたくなる事間違いなし。
そして、京都を訪ねられた折に、ぜひ立ち寄って頂きたいのが京都文化博物館。
平安から江戸までの京都の歴史が多彩な方法で展示されています。
中でも私が好きなのは平安時代の京の街のジオラマ。見飽きる事がない。
ここの別館は旧日本銀行京都支店の建物。国の重要文化財です。
こちらもぜひご覧になって頂きたいもの。
京都市中京区三条高倉。月曜休館ですのでご注意を。
そうだ、京都行こう!


