冬のアオテア・センター前広場、特設遊園地
「不可解な話」が続くようで済みません、関連して思い出すものですから。
こちらに移住してきた当初はいくつかの日本人の家族とのお付き合いがありました。
知らない土地での不自由や情報不足を補い合っていたのです。
月に幾度かは持ち寄りの夕食会があり、終わると大人はお酒を飲みながらの談話。
子供たちは別室で遊びます。新着の映画を見たり、ゲームをしたり。
そういう集まりが移住後4,5年は続いたように思います。
あるご家族のお家で集まりがあった折の事。
私はそのお家にお邪魔するのは初めてでした。お家の中を案内されます。
お家はL字型に建てられており、L字の内側に当たる場所にプールが。
L字の角に居室が集まり、右部分がキッチンとダイニング。上部分が居間です。
私はその居室のエリアが嫌でした。何故とは言えません。
そして、今でもそれ以外のエリアはありありと思い出すのに、
居室のエリアだけは全く思い出せない。どの部屋にか二段ベッドがあった事だけ。
夕食が終わり、大人が居間に集まって四方山話に花が咲く。
おっさん(元ダンナですね)が、トイレから帰ってわたしの側に来て言う。
「おい、このお家のお婆さん、お前会ったか?」お婆さん?
「俺、今トイレに行く時にお婆さん見たんやけど。」「え?」「シッ、黙っとけよ。」
集まりもお開きになり、家に帰ってからおっさんが言うには、
トイレに向かう廊下で寝巻き用ガウンをはおった白髪のお婆さんの後ろ姿を見た。
トイレのドアは右手にあり、お婆さんは居室エリアに向かう廊下左手の角に消えた。
丁度入れ違いにトイレから出たのだな、と思い気にせず用を足したけれど、
後から考えてみるとどうしてもおかしい。という事なのでした。
実ははこのお家のご主人にはお歳を召したお母さんが日本におられ、
すでに何度かご主人が行き帰りに付き添って、孫の顔を見に来ておられる。
それを知っているので混乱したが、よく考えれば今は日本のはず。
あまりに不思議だったので私に確認したのだそうです。
とにかく誰にも言うな、とおっさんは言う。もう15年以上前の話です。
今はご家族は引越しをされ、生活環境も変わってお付き合いも無くなりました。
娘と同様、このおっさんも不思議な話にはうとい人でした。
そんな性質ではなくても、ある日ひょっくり何かに出くわす事はあるらしい。
と、書いて来て、椎名誠さんの話を思い出しました。
それこそ不思議な話とは縁もゆかりも無い人。ご本人も断言しておられます。
しかし、たった一度だけ、信じない訳に行かない体験をされたそうです。
それもロシアの田舎で。
幽霊は世界中にいるようです。
