2008年にはエルデニゾー寺院の中に↓こんな風に立っていた。
その碑文が↓2024年に訪れると博物館に移されていた。
解説文を読んではじめて、これが何かを知った。
※博物館の解説文より↓
この碑文は、カラコルムにおけるハーンカーと呼ばれるイスラム神秘主義(スーフィズム)の修道場建設にあたって、町の指導者たちよりその許可が与えられたことを伝えるものである。エルデネゾー寺院の敷地内より発見された。
アラビア文字ペルシア語で書かれている本文では、イスラムの神、カラコルムの街そしてこの修道場建設に尽力した人々とそのために寄付した人々が讃えられている。その下に、彼らの氏名の一覧と集まった寄付の金額が書かれている。解読は日本人研究者による。
↓寄付者の名前と金額が並んでいる部分↓
しかしながら、1686年にチベットの仏教の高僧ザナバザルによりソヨンボ文字がつくられて以降、その文字の象徴である「ソヨンボ」が碑文の上に掘られた
↓これがその部分
碑の裏側には仏教の真言である「オン・マニ・パドメ・フム」が、やはり後世になって刻まれた↓
↑上からサンスクリット語、チベット語、モンゴル語文字↑
ガイドさんは「南無阿弥陀仏」と書かれていますと解説されたが、そこまでの意訳はちょっと強引かもしれない。
13世紀のカラコルムは多民族で他の宗教にも寛容な街だったとされているが、明によって破壊された。その廃材を使って17世紀に建設された仏教寺院エルデニゾーでは、イスラム教徒のペルシャ人が残した碑文をそのまま使って仏教の言葉を刻んだのだった。
これが、「仏教の勝利」みたいなことを象徴させようとしたのか、たまたま便利そうな石があったから使ったのかは、わからない。