市川團子は21歳にして堂々の風格。

父の市川中車(=香川照之)も完全に従えていた。

香川照之はこの息子を歌舞伎界に行かせるために自分自身も歌舞伎界にとびこんだと言われる。それも納得できる。

今、歌舞伎界で「観ておくべき人」である。

 

「ヤマトタケル」という演目は、1986年にスーパー歌舞伎がはじめて上演されるために創作された物語。民俗学者の梅原猛が原作をつくったのだそうだ。

単純なストーリーで、日本の神話をぜんぜん知らなくても理解できる。

 

舞台演出はカラフルで豪華絢爛で、1986年には物議をかもした歌舞伎だっただろう。現在の目から見ればじゅうぶんアリの歌舞伎で、ことさら「スーパー」とつけなくてもよい気がした。

看板の「宙乗り」もべつになくてもよいかなぁ…。

それより冗長なセリフ回しはちと長い。

もっとさっくり・テンポよくストーリーを展開させた方が眠くならない。