アルメントフーベルから↑アイガー峰(一番左)、メンヒ峰(真ん中)、ユングフラウ峰(一番右)が見晴らせる。
ミューレン村からケーブルカーであがった駅を基点に、一時間もあれば一周できる「花の道」が整備されている。
ゆっくり一周して駅に戻ると、すでにみなさん駅併設のカフェに入ろうとしておられた。
「なにか飲み物」と、メニューを見ると…
アイスクリームの写真の中に牛がいた。
Kuh Vacky (牛のヴァッキー)
vanilla Glace(バニラ・アイスクリーム)
CHF 5.00(5スイスフラン)
↑下のオウムの中にマーブルチョコとアイスが入っているのが見えるから、
牛のヴァッキーの中にもバニラアイスが入っているのだと想像がつく。
「これ、入れ物は持って帰れるの?」
と質問されたが、メニューには何も書かれてない。
5スイスフラン(800円ぐらい)は、こんな山の上ではけっこう安い。
となりのコーンアイスも5フランと書かれているから
きっと、入れ物はもらえない?
店員さんに「カウ、スーベニール?」と質問してみる。
「イエス、イエス(^^)」
可愛い牛ちゃん、
5フランでお土産に持って帰れるのならお買い得。
女性五人が注文した。
来たきた(^^)
アルプスの山々を背景に↑りりしいヴァッキー君↑
オレンジ色のカウベルが似合います↑
首も回るんです(^^)
パカっとひらくと
日本人にはちょうど良いサイズのバニラアイス↑(^^)
「花の道」を歩いて、アイスクリームを楽しんで、アルプスの牛をお土産にできた。
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帰国後しらべてみると、
このアイス入りのヴァッキー君はチューリヒのクローテンに本社をもつ
GASSERという食品会社が器も込で生産していた。
会社のリンクに値段が書いてある。
16個入り38.75フラン(一個2.42フラン)。
山の上のカフェへの輸送費を考えても5フランならちゃんと利益が出ているのだ。
スイスの企業、人件費が高くても企業努力しております。
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このGASSER本社のあるKloten市はチューリヒ空港のあるエリアで
チューリヒを支えていた(いる?)製造業=工場での労働者も多く住んでいるようだ。
市のホームページでは
ドイツ語、フランス語、英語、ポルトガル語、ボスニア語、アルバニア語が選択できるようになっていた。
※市のHPにリンクします右上に言語選択タブがあります
つまり、クローテン市には
1992-95年に起きたボスニア内戦の折に多くのスラヴ系住民が避難してきたのだろう。
難民は同情されるが、歓迎はされない。
言語、仕事、生活、すべての面で大きな困難に直面している人々を
新たなスイス人に=スイスの力にしていくために、
観光客にパッとみえるわけではない努力をし続けている。
スイスという国は
もともと弱者の国である。
ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏の少数派だったアルプスの人々が
搾取する権力者からの独立を誓って13世紀にスイス同盟がはじまった。
世界の紛争での弱者を本気で受け入れるためには
逃げてきた人々の能力を新しいスイスの力にする必要があった。
それは13世紀も21世紀も変わらない。
アルメントフーベルで出会った牛のヴァッキーは
ボスニア系スイス人の手でつくられていたのかもしれない。