久高島へ行った友人から、生きているイラブーを掴んでいる写真を見せられてぎょっとした↓

※掴んでいるのは島民のゆたかさん。

「口をぱふぱふしてたよ。夜に漁をするらしい」と、友人。

生きているイラブーをいつも見られるわけではないのだろう。

 

沖縄で「神の島」とされる久高島は王朝時代からイラブー漁がおこなわれていた。

イラブー料理は王族や士族の食べ物だから、これは高級食材。

捕ることができるのは王から任命された三人のノロ(祝女)だけだった。

最後のクダカヌル(久高島のノロ)が1978年に亡くなると漁の権利が久高島では行政に引き継がた。

↑「バイカンヤー」はイラブーを燻製にする小屋なのだが↑案内の方が「神行事の小屋のひとつ」として解説された。

御殿庭(うどぅんみゃー)と呼ばれる祭事の広場にある神事の建物のひとつ。

かつては燻製小屋の中にシラタル神を祀っていたと解説した本もあった。

 

「2022年は5回、900匹燻製にしました」

「燻製の方法は口伝で書き残さないことになっています」

 

かつて王族士族しか食べられなかったイラブー料理とは?

「イラブー汁にします」

「どんな味ですか?」

「カツオの濃いいような…」

島の人数人に訊ねるとみな同じお答えだった。

これは食べてみなければ。

勧めていただいたお店に入り、イラブー汁単品1800円の食券を買う。

しばらく待つと…

見るからにウミヘビのイラブー汁が登場した。

昆布が入っているが、ひと口飲むとなるほど濃いカツオ出汁の味。

イラブーの断面は

こんな↑お店のひとによるとメスは卵がある、のだそうだ。

これはオスらしい。

豚肉もいっしょに煮込まれていた。

 

ここの店主は皇族にも沖縄料理を提供していて

↑その時の写真とメニューが飾られていた↑

いちばん最後「祭の宝」としてイラブー煮込みと書かれている。

後日、沖縄本島で数人に

「イラブー汁どうですか?」と訊ねたが

「食べたことがない」方も多かった。

沖縄でも、そういう料理なのですね。

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スーパーで↓沖縄の人々のカツオ出汁への思い入れを知った↓

血合い抜き、粗削り、氷熟マイルド削り(よくわかりません)↑などなど。

これだけの種類でカツオ節を売っているのは沖縄だけなのではないかしらん。