夜の部は「エッセンス」ということで、休憩なし。
小朝の「中村仲蔵」はぎゅっと縮めてまくらの続きのような語りだったが、
「仲蔵」がどういう話か、忠臣蔵のなかでもいちばん忠臣蔵らしくない「五段目」がどんな場面なのかを、笑いを取りながらわかりやすく語ってくれた。
あとに続く「忠臣蔵・五段目」は、やたらテンポが遅くて
ちと疲れてしまいました(^^;
いつも思うのだが、英語のイヤフォンガイドは「忠臣蔵」をどんな風に解説しているのだろう。仇討ちの話は世界中にあるが、「忠臣蔵」はその前後譚が江戸から明治にかけて山のようにつくられている。その前後譚のひとつが「五段目」なわけだが、仇討ちについては「みんな知っているでしょ」という前提で、解説などまったくない。
忠臣蔵がどんな話かを知っている日本人だって、この「五段目」がどんなふうに「忠臣蔵」なのかを説明できない人が多いのではないかしらん。小松がそうだったように。
長く外国案内をする仕事をしてきて、ずっと感じ続けてきたジレンマはこれと同じだ。
どんな国・民族・都市にも、日本の「忠臣蔵」のように「みんな知ってるでしょ」という話があり、その前提で歴史や文化を解説されても日本人にはピンとこない(ことが多い)。
現地の英語ガイドさんが解説してくれる話を自分なりに咀嚼して、日本人文化に照らして理解できる言葉にして、理解できる日本語でお話すること。それを心掛けてきたし、今書いている旅のブログでもそれを続けているつもりだ。
だけれども…文化というのは最終的には翻訳不可能である。
