「これ、両方ともホンモノが展示されているのですか?」
★「仮面の女神」↓
そう質問されるほど完璧な、五千年前の土偶。ホンモノです。
↑足の裏と股には穴が開けられている。焼いたときに壊れないためだ。
X線写真で内部が空洞なことを見せてくれている↓
↑この造形技術力もすばらしいが、発見された時の状況が興味深いと、展示解説されていた。
↓右足が壊れた状態で発見されたのだが、わざと壊してまたその位置に置いて埋められたような状況だった↓
↑左上にある伏せられた皿のようなものは合計八枚あって、死者の顔などにかぶせられていたと想像されている↑※八枚の「皿」も含めて国宝に指定されている
「仮面の女神」は何を祈るために墓に入れられたのだろう?
★「縄文のヴィーナス」↓
↑写真でわからないのはキラキラした雲母の光る表面↑
(触れなくても)手触りや大きさは、実際に目で見ないと分からない。
↑アタマの丸いのは髪の毛?冠?帽子?↓
↓似た「頭部」は、同じ作者によるもの?
ホンモノを目の前に、こういった細かい解説が楽しめるのが現地博物館を訪れる意味。
どこかの特別展で「モノだけ」を見ても、モノの価値は理解しにくい。
今回の訪問ではっとさせられたのが↓この「花瓶?」
発見された時は上下二つに割られていて↑土に埋められた上半分の中に下半分を伏せて入れられたような状態だった↓見つけてもすぐに土から引っ張り出さないことが重要なのだと、よく理解できた。発掘と宝探しの違いはそこなのですね(^^)
↑「均整のとれたプロポーション、ぶれることもなく付けられた文様」と、解説版も絶賛している。これはたしかに「他の土器を圧倒(解説版より)」している。
博物館の解説文は冷静に感情を廃した表現がされているが、それでも時々に書き手の感情が込められている。それが伝わってくる瞬間がうれしい。
↑この地域では黒曜石が産出され、それをつかった矢じりが遠く北海道でも発見されたときいた。
五千年も前に長野と北海道で交易がなされていたのかしらん。
今回は訪問を断念した「星くそ館」など、黒曜石採掘に特化した博物館もある。
この先の《手造の旅》で訪れる機会がありますかしらん。