「ぼくの名前はどういう意味なんでしょう?」
クスコのホテルにチェックインした時、レセプションデスクにいたホテルスタッフが訊ねてきた。
この写真の右端にうつっている彼。shigeru
なまえは「SHIGERU」だという。

「SHIGERUという名前はどういう名前なの?」
と、いきなり訊かれて、日本人がペルー人にどんな風に答えてあげましょうか?

彼は一見すると日系の血が流れているようには見えない。が、日系移民の血を引いているのだろう。祖父かだれかが名づけたのだろうか。

我々日本人としては、自分の名前の意味するところを知らないというのは不思議に感じるだろう。が、欧米での名前のほとんどは聖人の名前からとられているだけ。だから、呼びやすい記号以上の意味はあまりないというのが実情なのだ。

日本語のように漢字の画数にこだわったり、読み方にこだわったキラキラネームというのも、ない。
だから、SHIGERUは、繁なのか茂なのか滋なのか成なのか、分からない。ただただ「しげる」という語感から、日本人が耳にして感じられる事を伝えてあげた。

「SHIGERUというのは、たとえば木々が緑豊かにそだってゆく事。英語でいうProsperity(繁栄)なんですよ」

しげるくんは、にっこり嬉しそうに微笑んだ。

日本人の名前が、記号以上の意味を持っている事は、かなり面倒だが、嬉しいことでもある。

※太郎とかじゃなくて、ほんとによかった(笑)