とても難しい作品でした。
2002年本屋大賞受賞作
凪良ゆう『流浪の月』
起きた事件も難しいけど
主人公となる二人のその後の再会や生き方を
どう考えるのか・・・。
二人に起きた本当のことが理解されないまま
「被害女児」と「加害者」という立場になってしまった二人。
本当の被害って何だったのか。
思い込みやSNS、報道で歪められていく「事件」。
一生、つきまという「烙印」。
良いとか悪いとかそんな言葉では
言えないこの作品の難しさ。
読んだ人にしかわからない奥深さがあると思いました。
私が学生だったころよりも
世の中がとても豊かになって
ずっと「自由」な世の中になったはずなのに
なんか「生きづらくなった」。
ふと、そんなことを思いました。
この作品、
広瀬すず&松坂桃李W主演で映画化決定
監督は「悪人」や「怒り」の
李相日さんということで
悪人のあの世界観なら
このとても難しい作品がしっかり描かれる気がして
とても楽しみ。
本屋大賞の選考委員の思慮深さを感じる1冊でした。